尼崎市議会 > 2019-12-11 >
12月11日-02号

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  1. 尼崎市議会 2019-12-11
    12月11日-02号


    取得元: 尼崎市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-04
    令和 元年 12月 定例会(第15回)        第15回尼崎市議会会議録(定例会)第2号-----------------------------------◯議事日程    令和元年12月11日 午前10時 開議第1        質問-----------------------------------◯出席議員   1番    別府建一議員   2番    辻 信行議員   3番    西藤彰子議員   4番    広瀬若菜議員   5番    松澤千鶴議員   6番    武原正二議員   7番    久保高章議員   8番    安浪順一議員   9番    楠村信二議員  10番    光本圭佑議員  11番    中尾健一議員  12番    藤野勝利議員  13番    小西逸雄議員  14番    佐野剛志議員  15番    林 久博議員  16番    川崎敏美議員  17番    小村 潤議員  18番    山崎憲一議員  19番    須田 和議員  20番    綿瀬和人議員  21番    明見孝一郎議員  22番    北村章治議員  23番    宮城亜輻議員  24番    東浦小夜子議員  25番    蛭子秀一議員  26番    土岐良二議員  27番    眞田泰秀議員  28番    岸田光広議員  29番    丸岡鉄也議員  30番    真崎一子議員  31番    徳田 稔議員  32番    都築徳昭議員  33番    酒井 一議員  34番    福島さとり議員  35番    開 康生議員  36番    前迫直美議員  37番    真鍋修司議員  38番    杉山公克議員  39番    安田雄策議員  40番    上松圭三議員  41番    北村保子議員  42番    波多正文議員-----------------------------------◯議会事務局事務局長           高尾博幸君事務局次長          中田正弘君議事課長           豊島源史君-----------------------------------◯地方自治法第121条第1項の規定による出席者市長             稲村和美君副市長            森山敏夫君副市長            吹野順次君危機管理安全局長       辻本ゆかり君総合政策局長         塚本英徳君資産統括局長         御崎成亮君総務局長           芝軒崇晃君医務監            郷司純子君健康福祉局長         足田剛志君こども青少年局長       辻本正樹君経済環境局長         土元英樹君都市整備局長         田尻和行君消防局長           赤川孝平君公営企業管理者        有川康裕君総合政策局企画管理課長    中村直樹君教育長            松本 眞君教育次長           白畑 優君教育次長           北垣裕之君選挙管理委員会委員長     中川日出和君代表監査委員         今西昭文君-----------------------------------(令和元年12月11日 午前9時57分 開議) ○議長(真鍋修司議員) これより本日の会議を開きます。 日程に入るに先立ち、会議録署名議員の指名を行います。会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において山崎憲一議員及び綿瀬和人議員を指名いたします。 この際、事務局長から諸般の報告をいたさせます。 ◎事務局長(高尾博幸君) 御報告いたします。 現在の出席議員は42人であります。 次に、本日の議事日程は、配付いたしましたとおりであります。 報告事項は以上であります。 ○議長(真鍋修司議員) 日程に入ります。 日程第1、質問を行います。 この際、申し上げます。 あらかじめ定められた順に発言を許可することといたしますが、発言順位に当たった際、不在の方は、会議規則第53条第6項の規定により、通告の効力を失います。 また、一問一答方式を選択した場合は、1回目の質問を一括質問・一括答弁方式で行い、2回目以降の質問は一問一答方式で行いますが、2回目以降については、1回目の質問項目の範囲内で質問していただくこととなりますので、御承知おき願います。 なお、質問に当たっては、要領よく簡潔に願います。また、答弁に際しては、質問の要点を的確に把握し、簡明に願います。 それでは、順次発言を許します。 なお、前迫直美議員、西藤彰子議員、真崎一子議員及び酒井一議員から、質問に際して資料を配付したいとの申し出があり、これを許可しております。資料は、あらかじめお手元に配付いたしておりますから、御承知おき願います。 それでは、前迫直美議員。   (前迫直美議員 登壇) ◆36番(前迫直美議員) 皆様、おはようございます。公明党の前迫直美でございます。第15回定例会におきまして一般質問の機会をいただき、感謝申し上げます。 市長を初め理事者各位におかれましては、私の意のするところをお酌み取りいただき、明快なる御答弁をよろしくお願い申し上げます。また、先輩・同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴賜りますようよろしくお願い申し上げます。 それでは、質問させていただきます。 初めに、市長の政治姿勢についてお伺いいたします。 この12月に稲村市政3期目、1年が経過することから、3期目の4つの公約とその実現に向けた14の個別項目について、進捗状況が公表されました。進捗状況から2点お聞きいたします。 学力向上についてですが、目標は全国平均超え、進捗状況は現状のまま推移となっております。私は、平成29年3月の予算議会総括質疑において、学力向上について、市長にお聞きいたしました。次の100年のスタートになる101年目の予算ですから、未来に向けて新たに明確な目標を打ち出すことが重要だと考えたからです。なぜなら、これまで16年余りにわたり、尼崎の学力を全国平均まで持っていくことを最重要課題として、代々の教育長が訴え続け、現場の教職員も一丸となって取り組み、念願であった全国平均まで尼崎の学力を向上することができました。トップが訴え続けることの大切さを実感しました。次の100年のスタートですから、次の目標として日本一を目指していくべきではと、市長、教育長に決意をお伺いいたしました。 市長からは、尼崎市におきましても今、全国に追いついた、このいわゆる学力という面に加えまして、私は、尼崎の強みが大いに生かされている方向に、今、流れが来ているというふうに思っております。そういう意味では、学力も含めた総合的な社会力が日本一、もっとすれば、それは世界でも通用する人材ということを言われておりますので、そういう意味では、本当にもう世界一ということを目指して、地域での学び、地域ぐるみの学びをさらに振興していきたいというふうに考えておりますとのことでした。総括質疑ですから、質疑の前後、答弁の前後がありますので要旨だけですが、これまでも教育についての質疑では、市長からは、尼崎の学力向上というよりも、教育に関しては、尼崎の子供たちにはこのようになってほしいとの思いがあふれていたように思います。 例えばシチズンシップ教育でありますとかコミュニケーション能力とか総合的な社会力を身につけた子供たちの育成、また、教育環境の充実というような答弁でありました。尼崎の学力云々ということはなかったように思います。1期目、2期目の公約にも学力向上は入っておりません。なぜ今回のマニフェストに学力向上をお入れになったのか、また、これまで世界に通用する人材にと言っているにもかかわらず、なぜ目標が全国平均を超えなのか、市長の御所見をお伺いいたします。 次に、こども医療費助成についてお伺いいたします。 令和元年7月より、乳幼児等医療費助成の未就学児、1歳から6歳児の所得制限を撤廃し、こども医療費の自己負担を軽減したとして、進捗状況は改善となっております。目標は拡充ですが、この7月の拡充で終わりなのか、今後の取り組みについて、市長の御所見をお伺いいたします。 総評として、おおむね順調に推移しているとの評価です。確かに市長は、堅実に公約の実現に向け取り組まれ、成果が出ていると思いますが、14の個別項目は、1期目、2期目と継続して取り組まれている事業です。継続して取り組むことも当然のことですが、3期目です。令和元年です。これまでの実績を踏まえ、新たな時代を開く新たな取り組みが始まってもいいのではと思いますが、市長の御所見をお聞かせください。 次に、教育問題についてお伺いいたします。 まず初めに、松本教育長にお伺いいたします。 教育長は、これまでのキャリアを遺憾なく発揮し、市民の皆様の期待と信頼に応えていきたいとの就任時の決意のままに、これまでのキャリアを遺憾なく発揮され、これまで公明党が要望し続けておりましたが前に進まなかったフリースクールのガイドラインの策定から、さまざまな提案にも即、課題解決にスピード感を持って実行されていると思います。しかし、就任直後から次々と全国のニュースになるような事案も起こり、御苦労も多かったことと思います。これまでの教育振興基本計画は、総合計画に入っていたため、学校教育のさまざまな課題に対する方針が網羅されておりませんでした。総合計画も前期が終了し、後期のまちづくりがスタートいたしました。国の第3期の教育振興基本計画が閣議決定されたことにより、今後の尼崎の教育の方向性をぜひ打ち出していただきたいと質問を考えておりましたが、このたびの次期教育振興基本計画が策定されるということですので、学力の目指すところを教育長にお伺いいたします。 松本教育長にも教育長就任時、日本一を目指していただきたいと質問をさせていただきました。教育長からは、要旨だけですが、学力向上に向け、さらなる高みを目指し、最大限の努力をしつつ、主体的、対話的で深い学びを実現するためのアクティブ・ラーニング推進事業キャリア教育等の取り組みを総合的に進め、生きる力の育成を図ってまいります。また、それらの取り組みを積極的に発信し、教育施策の見える化にも努めてまいりますと述べられました。前段でもっと丁寧な答弁をいただきましたが、学力向上の目標では、さらなる高みを目指すと答弁されています。平成29年の予算特別委員会のときに市長、先ほど答弁いただいたことを紹介したんですけれども、教育長にも前教育長にも言いました。そしたら、そのとき前教育長は、さらなる高みと言ったんですね。 私は、目標は明確なほうが目指しやすいと思います。高みがどの位置なのか、これははっきりどこを目指すのか言ってはいけないことなのか、教育長の御所見をお聞かせください。 次に、行方不明になっていた大阪市の小学6年生の女子児童が栃木県小山市で無事保護され、その後も同様の事案が相次ぎ、改めてラインやツイッターなどのSNSを通じて子供たちが犯罪に巻き込まれる危険性が高いことを痛感いたします。SNSを通じて児童買春や誘拐などの犯罪被害に遭った18歳未満の子供は、一昨年、2,813人と過去最高になり、昨年も1,811人、最も多くの被害者が使っていたSNSがツイッター、また、インスタストーリーズであるとのことです。 今回の事件で目を向けたいのは、知らない人について行ってはいけないという当たり前のことが、最近ではSNSでつながった相手と面識はなくても知らない人ではなく知り合いと認識し、警戒心を緩めてしまっているということです。SNSを介して起こる犯罪から子供たちをどう守っていくのか、いま一度しっかり取り組まなければなりません。 我が会派は、これまで子供たちの携帯電話の使用に関して、家庭でのしつけもさることながら、ルールを決めて使用することが重要であることから、何度も質疑を重ねてまいりました。現場、当局からは、学校では道徳の学習において、児童・生徒が主体的に考えてルールづくりを行う機会を設けており、その上でPTAと連携したスマホルール作成に向けての具体的な取り組み内容を充実させていくとのことですが、その後、どのように進展しているのか、現在の進捗状況をお聞かせください。また、今回の事件は、軽々に扱える問題ではありませんが、現段階としてどのような対策を講じたのか、当局の取り組みをお聞かせください。 次に、市立幼稚園のあり方についてお伺いいたします。 教育委員会は、平成24年8月に、遊びを通した学びを推進し、後伸びするための力を育むための複数学級、幼稚園と小学校の滑らかな接続に向けた教員間の連携推進、特設学級の充実、発達に関する専門機能の強化、家庭教育の充実、また、地域の子育て支援のセンター的な機能などを行うとして、当時の園児数に見合う定員を確保しつつ、18園体制から9園体制に見直す尼崎市立幼稚園教育振興プログラムを策定しました。 段階的に市立幼稚園は削減され、本年3月には、当初の予定どおり9園になりましたが、現在では募集人員が激減し、定員を大きく割り込んでおります。プログラム策定時と時を同じくして、子育て三法に始まり、本年10月からは、幼児教育の無償化が始まりました。就学前教育の環境、子育て世代のニーズがここ7年の間で大きく変化しております。現在の状況をどのように受けとめておられるのか、当局の見解をお聞かせください。 定員割れは起きているものの、市立幼稚園での特設学級での児童、伸び伸びとした公立ならではの教育には、保育には根強い信頼感もあります。また、3年保育を求める声も依然として多くあります。市立幼稚園の果たすべき役割はどうあるべきか、3年保育の実施も含めて、当局の見解をお聞かせください。 学校安全管理員についてとスクール・サポート・スタッフ、臨時的任用職員についてお伺いする予定でしたが、時間の関係で次回の機会にさせていただきます。今後、現場の意見をしっかり聞いていただいて検討していただきたいと思います。 次に、動物愛護行政についてお伺いいたします。 毎回の質疑で我が会派は、献身的に活動されているボランティアの方の大変な現状、課題解決に向け、厳しく追及してまいりました。 昨年の9月の福島議員の質疑においては、猫の保護譲渡施設の整備については、ボランティアの皆様が何十匹、何百匹と保護している取り組みを紹介し、ボランティアの皆様がこれ以上、受け入れる保護場所がない、市はこのような現状を直視してセンターの受け入れ数をふやすために早急に施設整備を行うべき。たくさん言っていただいたんですけれども、また興味のある方は、その議事録、見ていただきたいと思います。との質疑をいたしました。 市長からは、抜本的に進めていくにはさまざまな課題があるが、市としてもう少し容量をふやしていけないのか一定の検討が必要と答弁され、ボランティアの方とともに現場を見てくださいました。現在、動物愛護センターに保護譲渡施設の拡充も検討に入られているとのことですが、譲渡施設の整備には、動物愛護にかかわるボランティアの方の意見、専門家、スペシャリストの意見をしっかりとお聞きし、取り入れ、よりよい施設にすべきと要望いたしますが、御見解をお聞かせください。 市長は、抜本的に解決していくにはさまざまな課題があるとしているものの、今後は環境省の動物収容・譲渡対策施設整備費補助金を活用した動物愛護センターの施設整備も検討していただきたいと思いますので要望させていただきます。 国においても公明党が主張して、遺棄、虐待等の規則を厳しくするなど、動物愛護管理法が改正され、動物愛護の流れが強化されてきております。 本市においては、近年、多頭飼育崩壊が問題になってきていることから、特に猫の適正飼育のガイドラインを早期に策定し、悲惨な状況になる前に手だてを講じるべきと要望しております。多頭になる前に手を打つことが重要です。猫の適正飼育についてのガイドラインの策定はいつになるのか、また、多頭飼育の崩壊には福祉的な支援が必要なことから、福祉行政との連携、また、崩壊後の手だても必要になります。御見解をお聞かせください。 多頭飼育崩壊後に遺棄された猫が蓬川緑地帯等に流れてきており、ボランティアの方が見守っておられ、これ以上ふえないようにと活動されています。町会の組織がない地域でのことです。これまで本市は、長年の取り組みにより、町会が地域の環境問題として積極的に野良猫対策を地域猫対策として、行政と町会、ボランティアの方と協力して取り組んでおります。地域猫対策とは、野良猫がこれ以上ふえないように捕まえて去勢・不妊手術をし、手術後はもとの場所に戻し、その後は見守り活動、餌を与え、ふん尿の後片づけ等を行う活動です。町会の合意を得て進められる地域と、なかなか合意が得られず、ボランティアの方があらぬ非難・中傷を受けることもあります。不妊の助成を受けるためには、要綱で町会の合意を得ることになっていますが、理解を得るまでに野良猫がふえることにもなります。他市では、そのような要綱はありません。今後、要綱の変更も視野に入れるべきと考えますが、御見解をお聞かせください。 また、何度も紹介をさせていただいております先進的に動物愛護に取り組んでいる旭川市の動物愛護センターあにまあるでは、行政が独自で飼い主のいない猫をふやさない対応もしております。そのような対応を本市もすべきと考えますが、御見解をお聞かせください。 ここで1問目を終了いたします。(拍手) ○議長(真鍋修司議員) 答弁を求めます。 稲村市長。   (稲村和美さん 登壇) ◎市長(稲村和美さん) 私から、なぜ公約に学力向上を入れ、目標が全国平均超えなのか、また、子供に係る医療費助成制度について今後の取り組みはどうするのか、さらに、これまでの実績を踏まえ新たな時代を開く新たな取り組みは始まらないのかといった公約に関する一連の御質問に対して一括してお答えをいたします。 本市は、平成25年度を初年度とした現在の総合計画をスタートさせ、今年度は後期計画期間の2年目を迎えております。この間に行われました二度の市長選挙における私の公約につきましては、本市が総合計画において目指すありたいまちの実現に向けた施策の方向性や取り組みなどに沿って、その内容をお示ししてまいりました。 総合計画の推進に当たっては、PDCAサイクルを確立すべく、施策評価を毎年度実施し、成果や課題を明らかにする中で、ファミリー世帯の定住・転入の促進を市の最重要課題として位置づけ、治安やマナー、教育等の対策を重点的に進めてきました。そうした中、ファミリー世帯の転出超過数は改善傾向にはあるものの目標達成には至っておらず、市民意識調査においては、学校教育や子ども・子育て支援に対する満足度が依然として低い状況にございます。そこで、ファミリー世帯が住みやすいまちをつくりますとして、教育や子育て環境の充実を3期目の公約の一つに掲げました。 お尋ねの子供の学力向上に関しましては、長年にわたり、その対策に市として力を入れてきたところですが、近年の学力調査の結果は、横ばいの状況が続いており、まずはその壁を乗り越え、一旦、全国に追いついたというところから、もう一歩踏み込んだ次のステージに進まなければならないという問題意識を強くしているところでございます。 議員から御紹介をいただきました尼崎市のまちの成り立ちも踏まえた子供たちの社会力をしっかりと育んでいく、そしてその中で世界にも通用する子供たちをしっかりと支えていきたいという思いに全く変わりはございませんが、公約として目標を掲げるには、非常に長期的な取り組みになりますので、今回の任期の間としましては、スタートを切りましたあまっ子・ステップアップ調査、これを基盤としてしっかりと根づかせ、また、学びと育ち研究所でしっかりと分析をしていく中で、子供たちの自己肯定感や学び続ける力、そういったことも含めてしっかりと取り組みを次のステージに進めていきたいという思いでございます。目標といたしましては、次のステップへということで、今の横ばいの状態から全国平均超えということを掲げておりますが、そのような広い意味でしっかりと取り組みを進めてまいりたいと思います。 また、こども医療費助成につきましては、子育て環境の充実といった観点から、ことし7月に未就学児の所得制限を撤廃したところです。今後においても持続可能な制度として拡充するため、財政状況を見通す中で、他の施策も含めた全庁的な財源調整を行っていく必要があると考えております。 私の公約は、さきに申し上げましたように、総合計画に基づくありたいまちの実現に向けた取り組みと軌を一にしており、総合計画を推進していくことが公約の達成にもつながるものと考えております。一方で、刻々と変貌を遂げる社会情勢の中で、まちづくりにおきましても、そうした変化に柔軟に対応していくことが重要です。これまでも子どもの育ち支援センターを初めとしたあまがさき・ひと咲きプラザの整理や、尼崎城を核とした観光地域づくりなど、平成25年の総合計画のスタート時点では想定していなかった取り組みも進めてまいりました。 今後とも、時代が求める新たな取り組みにもチャレンジしつつ、ありたいまちに向けて着実に歩みを進めてまいりたいと決意を新たにしているところでございます。 ○議長(真鍋修司議員) 松本教育長。 ◎教育長(松本眞君) 前迫議員の学力向上の目標として、さらなる高みを目指すと言っているが、どの位置を目指しているのかとの御質問にお答え申し上げます。 私自身は、学校教育で本来身につけるべき力は、一人一人の子供がそれぞれの長所を生かしながら社会の中でたくましく生きていくための力、これはすなわち、みずから責任を持って考えたり行動したり課題を解決していくことができる力だと考えております。そして、一人一人がそれぞれの能力を発揮することによって、個人としても充実した人生を送り、かつ持続可能な形で社会を発展していくことの両立を図っていくことが重要だと考えています。 考えることや課題を解決するためには、基礎的な知識が不可欠であります。例えばでございますけれども、環境の問題を考えるためには、その歴史や科学に関する知識がないと思考がそもそも深まりません。また、基礎的な体力や技能がなければスポーツ自体を楽しむことはできないと、こういうふうに考えておりますが、一方で、基礎的な知識ばかりに関心が向いてしまえば、それはそれで本来の教育の目指すところからずれてしまうとも考えておりまして、その意味ではバランスが重要だと思っております。 このため、昨年度、本市が策定した基礎学力の底上げに向けた方針に従いながら、帯学習や放課後学習等の取り組みを通じて、市内のどこの学校そしてクラスにおいても、丁寧な基礎学力の定着に向けた取り組みが進み、その結果、全国平均を超えることは一つの目標としておりますし、さらなる高みを目指すという気持ちは変わりませんが、さらにそれを超えて、例えば全国一番を目指すといったところまで宣言することは考えておりません。 本市といたしましては、基礎学力を確実に身につけられるようにしつつ、そこで得た知識や技能をツールすなわち道具として使い、そして、社会課題に関心を持ったり問題を解決するために考えたり行動したりする機会を充実するための取り組みを進めていきたいと思っておりますし、そのためにもICTの活用を含めた授業改善や教員の質の向上に向けた取り組みも充実していきたいと考えております。 ○議長(真鍋修司議員) 北垣教育次長。 ◎教育次長(北垣裕之君) 前迫議員の教育の問題についての質問に順次お答えいたします。 まず、スマホルール作成の進捗状況と栃木県での保護事案を受けて、どんな対応をしたかとのお尋ねでございます。 スマートフォンのルールづくりにつきましては、小学5年生の道徳の授業において、インターネットを使うときに守るべきルールや他人とのつながるときに気をつけたいエチケットについて、児童が主体的に考える機会を設けております。また、PTAとの連携につきましては、保護者向けいじめ防止リーフレットについて、PTA連合会と内容を協議した上、作成し、スマートフォンのルール策定についても情報共有を行いながら、取り組みを進めているところでございます。 さらに、今回の事案を受けての対応につきましては、以前からスマートフォン等を利用したトラブル防止に向け、ほとんどの学校が通信事業者や警察等の講演会を実施し、児童・生徒だけではなく保護者にも参加していただき、家庭でのルールづくりの重要性について学ぶ機会を持つようにしております。 いずれにいたしましても、市内、小学6年生の約7割が所持しているスマートフォンには、便利さの裏に危険が潜んでいることをさまざまな機会を捉えて考えさせ、より安全な利用に向けての取り組みを一層進めてまいります。 次に、市立幼稚園を取り巻く状況をどう受けとめているのか、今後の市立幼稚園の果たすべき役割はどうかとのお尋ねでございます。 平成24年の尼崎市立幼稚園教育振興プログラム策定以降、少子化の加速や認定こども園を含む保育施設を利用する世帯の割合が大きくなったことなどから、市立幼稚園の利用希望者は低下しております。これが本年10月に始まった幼児教育・保育の無償化によってさらに進むことも想定され、市立幼稚園の円滑な運営への影響のみならず、存続そのものの議論も生じかねない状況にあると認識しております。 議員の御指摘のとおり、市立幼稚園には、教育を実施する現場としての役割だけではなく、特別な支援の必要な子供の受け入れや保護者らに対する子育てや幼児教育の支援のほか、幼稚園と小学校の滑らかな接続のための研究、実践の場としての役割があり、さらには、そこで得た知見を私立幼稚園や保育施設に広げていくといった先導的な役割がございます。これらの市立幼稚園としての役割を維持することは今後も重要であり、そのためには、私立幼稚園で主流となっている3年保育の実施も検討すべき課題であると考えています。 このようなことから、将来的な市内保育ニーズの傾向や財政負担を見据えた中での適正規模の課題、認定こども園化も視野に入れた保育人材確保や施設環境の課題等について、幼保連携や市立保育所の今後の方向性も踏まえた幅広い視点からの整理が必要であるものと認識し、現在、策定を進めております教育振興基本計画でも議論を行っているところであり、今後、こども青少年局とも連携する中で検討を行ってまいります。 ○議長(真鍋修司議員) 郷司医務監。 ◎医務監(郷司純子さん) 前迫議員の動物愛護行政に係る御質問に順次お答えいたします。 まず、動物愛護センターに動物愛護基金を活用して保護譲渡施設を整備する際には、ボランティアや専門家の意見も取り入れることが必要だと思うがどうかというお尋ねでございます。 動物愛護基金を活用した保護譲渡施設の整備につきましては、多頭飼育崩壊の現状を踏まえた課題の一つであると認識しており、本年8月に動物愛護管理推進協議会に協議事項として提案いたしました。協議会では、学識経験者や動物愛護団体、獣医師、市民ボランティアなどの皆様から、施設整備に当たっての御意見をいただいているところであり、今後も多様な意見を取り入れながら丁寧に議論を進める中で、よりよい施設の整備に向けて検討を続けてまいりたいと考えております。 次に、猫の適正飼育についてのガイドラインの策定や多頭飼育崩壊における福祉行政との連携、また、崩壊後の手だてについての見解はどうかというお尋ねでございます。 ガイドラインにつきましては、9月議会で申し上げたとおり、国が進めている多頭飼育に係るガイドライン策定の動向を注視しているところであり、当面は引き続き猫の適正飼養についての県のガイドラインを準用し、指導、啓発に努めてまいります。 一方、10月から多頭飼育崩壊の未然防止に向け、市民生活に密接に関連した福祉関連部署との庁内会議を開始するとともに、11月には動物愛護管理推進協議会に高齢者・多頭飼育問題の作業部会を設け、より効果的な未然防止対策や、崩壊後の手だてとして保護動物の譲渡推進やボランティアの皆様への費用支援など、基金の活用等について協議を続けております。 次に、地域合意に係る要綱の変更と旭川市のような行政独自の対応について、市の見解はどうかというお尋ねでございます。 この要綱は、野良猫に対して不妊・去勢手術を行うことで野良猫の繁殖を抑制し、良好な生活環境を保全する目的で設置したものです。地域猫活動を推進するためには、地域にいる野良猫を捕獲し、不妊手術を実施後、もとに戻すというTNR活動に対する理解を求め、合意いただくことが必要であり、現時点において要綱を改正する考えはございませんが、御指摘のとおり、地域合意が難しい地域も散見されておりますことから、必要に応じて地域説明に職員が同行するなど、状況に応じた対応に努めているところでございます。 一方、旭川市独自のTNR活動については、多数の職員配置のもとで実施されており、本市が同様の取り組みを行うことは難しいと考えておりますが、本市では平成19年度から、他都市に先駆け、不妊手術への助成金制度を設置しているほか、平成23年度には、動物愛護管理協議会を設置し、現在は多頭飼育崩壊の対策等の整備を図っているところです。引き続き庁内関係部署やボランティアの皆様と連携しながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ○議長(真鍋修司議員) 前迫直美議員。   (前迫直美議員 登壇) ◆36番(前迫直美議員) 1問目の御答弁いただきました。市長からはありがとうございます。 やはりファミリー世帯を呼び込むということでございます。学力がある尼崎や、全国平均まで追いついた、これのどこを今度は目指すのか、目標はすっきり思い切りというのが一番わかりやすくて呼び込みやすいというふうに思っておりますので、取り組みが一生懸命であればあるほど見える化もしていただいて、ここを目指しているのか尼崎は、やっぱり尼崎に行くぞと思っていただけるようにしてはどうかなと思っております。 また、動物愛護に関しては、本当に一生懸命にボランティアの方がやっておられます。職員が先頭に立つことはもちろんでございますけれども、いろんな厳しい尼崎独自の要綱等、こういった変更は今後考えていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。 それでは、2問目に入ります。 観光施策についてお伺いいたします。 尼崎城も3月29日のオープンから2階の有料の入場者も13万人を超えました。9月13日の中秋の名月の日には、尼崎城北側のお堀に直接ステージが設けられ、薪能が開催されました。尼崎では、昭和55年から大物川緑地公園野外能舞台において尼崎薪能、富松神社境内において富松薪能が開催されています。尼崎薪能、富松薪能は、市外からの参加者も多く、多くの市民の方に愛され、40年近く開催されています。開催日に一滴でも雨が降れば中止となり、継続してこられた御苦労も多かったことと思いますが、伝統ある薪能が深く根づいていることに、関係各位の皆様に深く敬意を表します。 尼崎城での薪能、当日は能舞台の前にかがり火がたかれ、あいにく強風でかがり火が消えるアクシデントがあったものの、ほの暗い中で演目を演じる能楽師の姿はとても幻想的で、宵闇に包まれる中、夜風を浴びながら初めて見る能の舞台に感動のひとときを過ごさせていただきました。市外からの参加者も多く、終わってからも感動冷めやらず、夜空に浮かぶ名月とともに、尼崎城の姿は、いつにもまして誇らしく感じました。この薪能の開催には、舞台の設置等、多額の費用がかかるため、文化振興担当が2年にもわたり国に補助申請し、このたび採択された補助金を活用して開催できたとのことです。尼崎城をバックに開催された伝統ある古典芸能、能の舞台が余りにも感動的でしたので、単年度限りと言わず、今後も尼崎城での開催をと望む声が多くありました。 開催費用のこともありますが、尼崎薪能は5月、富松薪能は7月の開催です。9月に3カ所目の尼崎城での薪能の開催について、尼崎城を使っての観光施策として取り組まれてはと考えますが、お考えをお聞かせください。また、夜の尼崎城北側、大変、ロケーションがいいので、今後はそこに3Dプロジェクションマッピングもしてはどうかと思っております。これは要望にしておきます。 また、11月26日、尼子騒兵衛さんから、尼子さんが所有する漫画の原画やアニメのセル画、尼子さんが収集してきた忍者道具など、尼崎市が寄贈、寄託を受けることを前提として保存し、展示などの活用を検討するとして協定書が締結されました。尼子さんの所有する資料は膨大な数に上るということで、市は今後、資料を整理した上で保管し、尼崎城で展示するとのことです。尼子騒兵衛さんが尼崎市に作者の魂とも言える原画や抽出された膨大な数の資料の寄贈に、一ファンとして、市民として心から感謝申し上げます。そして、尼子さんの御健康を心からお祈り申し上げます。 今後、膨大な数の寄贈されたものの整理をされていかれると思いますが、その後、寄贈されたものの活用は、展示だけでしょうか。 といいますのは、最近、ちょっとしたブームになっていますのがマンホールのふたでございます。現在、日本全国の下水道に関連するマンホールのふたには、自治体によってさまざまなデザインが施されております。国土交通省が主体の下水道広報部プラットホームGKPが下水道事業部をPRする機関として、デザイン性にあふれるマンホールぶたをコレクションできるマンホールカードを各自治体と共同して配布する事業を始めました。GKPの監修のもと、第1弾が平成28年4月より全国各地で発行され、第2弾で市制100周年のマンホールカード、尼崎の分で4,000枚が発行されました。尼崎城デザインホールカード、マンホールカードは、第11弾として令和元年12月14日より配布されます。 尼崎のマンホールについては、資料をお配りしております昭和37年のコンクリート製に始まり、平成に入ってから鋳鉄製の幾何学模様に加え、鋳鉄製のカラーデザインが登場します。トンボに水草、川には魚、当時の職員が下水の負のイメージをきれいな水に魚が泳ぎ、トンボが飛び交うさまをデザインされたとのことです。 今後、本市のマンホールのふたに、落第忍者乱太郎、忍たま乱太郎のキャラクターを使い、キャラクターの地名に合わせて、その地域に配置をしてはと提案をいたします。例えば猪名寺乱太郎、七松小平太、久々知兵助、潮江文次郎、尾浜勘右衛門、金楽寺和尚など、かつて忍たま乱太郎のゆかりの場所のスタンプラリーがあり、遠くは北海道からもファンの方が来られていました。現在も期間限定でシールラリーが行われています。地名には限りがありますが、登場人物のマンホールのふたが市内中にあれば、多くの方が本市に訪れるのではないでしょうか。 また、本年7月19日にポケモンがデザインされたマンホールぶた、ポケモンマンホールぶたが全国展開すると発表されました、この企画は、各地の魅力とポケモンの魅力を国内外に同時に発信する取り組み、ポケモンローカルActsの一環として行われるもので、各地域の来訪者増を目指すことを目的としています。ポケふたは、それぞれがオリジナルデザインで、設置されたポケふたは順次、ポケモンGOのポケストップになる予定で、8月6日には横浜みなとみらいで開催、このポケふたは、これまで鹿児島県指宿市、岩手県内13市町村、北海道、福島県、鳥取県、香川県も設置が予定され、地域ごとに推しポケモンを選定し、各地域の来訪者をふやす取り組みです。費用はポケモン株式会社が負担しますので、お金はかかりません。近畿圏ではまだどこも始まっておりませんので、いち早く導入を検討していただきたいと思います。 ポケモンぶた、2枚目につけているんですけれども、非常に人気で、30歳前後、私たちファミリー世帯を呼び込む世代がちょうど子供のころ見ていたということで大人気で、これがどこにあらわれるのかというのが若い人の関心にもなっている。これが尼崎市にいち早くあらわれていただきたいというふうに思っておりますので、これはお金もかかりませんので、ぜひ早く申し込んでいただきたいと思います。 また、ウルトラマンの作者、成田亨氏ゆかりの地、武庫川地区においてはウルトラマンのふたなどがあれば、日本全国からマンホールぶたのマニアから、忍たまファン、ウルトラマンのファン、ポケモンのファンなど、本市に観光客を呼び込む起爆剤になるのではと考えます。地味にすごいマンホールのふたの活用を考えていただきたいと提案いたしますが、御見解をお聞かせください。 また、マンホールのふたの作製には、尼崎城のようになりますと、それも下に書いております。1枚当たり39万7,000円かかります。また、100周年のふたは五、六年で補修する費用がかかるため、今後、企業に協賛していただいたり、寄附金の活用なども検討していただきたいと思います。マンホールのふたは下水道部の管轄ですので、公営企業局の御見解と、マンホールのふたを観光の施策に活用するお考えを経済環境局にもお聞きいたします。 尼崎市で観光客が来られる施設は、尼崎城が初めてでございますので、これまでに市民の方からいただいた要望についてお伺いいたします。 まず、障害者の団体の事前申請の取り扱いについてですが、市内の社会福祉法人の障害者の団体の方が来場されました3階の体験コーナーでは、お姫様の着物を着せていただいたり、剣士になったり、車椅子の誘導等、中での職員の丁寧な対応に大満足、大感動されたそうです。ところが、事前に申請をしているにもかかわらず、入場時に障害者手帳の提示を求められ、本人確認のためですが、一人一人の確認をする間、障害の程度もありますが、大変なことだそうです。障害者団体の方が、例えば須磨の水族館などに行かれるときは、事前申請で社会福祉法人の障害者施設の判こが押してあれば、手帳の提示は要らないそうです。なぜなら認可を受けた施設は、障害の手帳のある方しか入所できないからです。 そこで、本市でも他市の施設と同じように、インターネットで事前申請できるようにすべきと考えます。また、当日に一人一人、手帳を提示しての本人確認も事前申請で確認できますので、必要ないと思います。当局の御見解をお聞かせください。 また、聴覚障害の方がVRを見たときに内容がわからないとのことですので、対策を考えていただきたいと思います。御見解をお聞かせください。 尼崎南部の活性化についてお伺いいたします。 9月24日に尼崎商工会議所、尼崎港振興促進協議会、尼崎西宮港運協会、一般財団法人尼崎港湾福利厚生協会の4団体の会長名で、尼崎港及び尼崎市南部地域の活性化にかかわるお願いとして、県知事並びに市長に対して要望書が出されました。要望内容は2点あります。 1つ目は、フェニックスに計画されている公共岸壁の早期供用開始についてです。これは、現在の港湾計画に位置づけられているフェニックス東側の公共岸壁について、大阪万博やIR事業に係る建設資材や建設労働者の海上輸送、万博終了後は物流基地としての活用に向け、早期の整備を要望、また、尼崎の臨海部の交通対策を要望するとしています。県からの回答では、フェニックスに計画されている公共岸壁の供用開始については、今年度に調査、設計に着手し、2021年度末の完成を目指して事業を推進する。また、尼崎臨海部の交通対策としては、尼崎伊丹線の拡幅事業推進と五合橋線への南進計画が五合橋線の港湾対策として有効な手段と考えているので、事業の推進を図っていくとしています。 2つ目の要望は、旧神戸製鋼桟橋の修理、補修についてであります。これは現在使用されていないが、公共岸壁として存在する旧神戸製鋼所桟橋について、大阪万博、IR事業に伴う来場者等の海上輸送が可能となるよう修理、補修し、使用できるようにしていただきたいとの要望です。県からの回答は、旧神戸製鋼所桟橋の修理、補修については、大阪万博に伴う海上輸送や尼崎の森中央緑地の土地利用を踏まえ、博覧会協会、大阪府、大阪市とも意見交換しながら検討を進めていきたいとのことです。県の回答しかいただいておりませんが、この要望書は、県知事並びに市長への要望書です。管轄は県ですが、この2つの要望は、本市にとっても大切な事業です。市としての対応について御見解をお聞かせください。 尼崎の4団体が大阪万博、IR事業を見据えての要望です。物流の拠点となる公共岸壁は、21年度末に完成いたします。旧神鋼桟橋はこれからの検討ですが、ぜひ前に進めていただきたいと思います。大阪万博、IR事業を見据え、南部臨海の活性化が動き出しております。 私も昨年の12月の質疑で、大阪万博を絶好の機会と捉え、一番近い海からのルートを観光しながら行けるよう要望しております。時を逃さないでいただきたいと思います。私は、これまで10年余り一般質問のときには、南部臨海のまちづくりについて幾度となく質疑をしてまいりました。前回の本会議では、あまがさき志誠の会の北村議員も南部臨海の活性化について厳しく追及していただきました。 かつて尼崎は、南部で栄えて、現在、南部で衰退したと言われておりますが、日本の高度経済成長期を支え、日本一裕福な村として全国に名をはせた大庄村、その後、公害で苦しんだこの地域が100年のスパンをかけて森の再生とともに市民の憩いの場となり、水害に苦しんだ地域が運河の魅力を最大に活用できるようになりました。これからの尼崎の新たな未来を開く地域だと確信いたします。 先ほどの商工会議所を含む4団体が大阪万博を見据えて、この地域の活性化のため、県と市に要望を出されたわけです。県と連携することも当然ですが、市としてしっかり取り組むことが重要です。 ちょっと飛びます。これまでの提案要望を確認してまいります。 まず、魚つり公園では、今年度中に桟橋が修復されます。桟橋が修復されれば、市内外から多くの釣り人が大物を狙いに来られるようになります。私は、ここにドッグランの設置を提案しております。これまで試験的に運用され、課題も明確になったと思います。開設はいつになるのか御見解をお聞かせください。 また、運河の活用も国の運河の魅力再発見プロジェクトに認定されてから11年が過ぎ、市としては、水質強化を民間に委託して、環境学習やうんぱくなど、さまざまに取り組んでおられますが、この運河の魅力を最大限に生かすには、ナイトクルージングだと思います。昨年の6月の一般質問で、ナイトクルージングについての体験をもとに質問させていただきました。要望させていただきました。夜であればこそ、本当にきれいな工場夜景、夜空に浮かぶ尼崎の都心のビル群の明かり、世界に誇るパナマ運河方式の尼ロックの説明も勉強になり、運河の魅力を最大に生かすことができ、市内外から多くの観光客を集めることのできる人気のスポットになります。ナイトクルージングは、毎日でなくても期間限定でもいいと思います。その後、どのように検討されたでしょうか、御見解をお聞かせください。 また、21世紀の森に何かイベントのあるときだけ行くのではなく、あの広々とした21世紀の森をもっと市民の方に楽しんでもらいたいと常々思っております。そのためにも県の要望で管轄でありますので、県と連携して道の駅をつくるべきと提案し続けております。森の駅でも海の駅でもいいのですが、前回はそのような道の駅等の集客施設は、地域を活性化させるために効果的であると考えていることから、さまざまな業者に当たっているが、いい返事がもらえないとのことです。引き続き県や関係団体と協力していきたいとのことですので、諦めずに連携していただきたいと思います。御見解をお聞かせください。 質問は以上でございます。 最後に、近松町について要望させていただきます。 日本のシェイクスピアと呼ばれる江戸時代の劇作家、近松門左衛門、人形浄瑠璃、歌舞伎、映画、舞台の題材になった曽根崎心中、冥途の飛脚、女殺油地獄など数多くの傑作を残しました。その生涯は謎の部分もありますが、尼崎、広済寺に滞在して作品を執筆し、ここに眠ったと地元に伝わっていて、広済寺の墓は国の史跡にも指定されています。10月27日には大近松祭が営まれました。 市制70周年のときに本市の文化振興のシンボルとして近松のまち尼崎を宣言してから30年以上が経過し、近松ナウとしてさまざまな事業を展開しております。お手元に近松ナウ事業のパンフレットを議長の許しをいただいてお配りさせていただいております。この分がいっていると思います。非常にたくさんの事業をしていただいております。 次代の劇作家をと2000年、平成12年に創設された戯曲賞、近松賞、平成16年の当初予算で近松賞の中止が出されました。議会から一番、財政的に厳しいときだからこそ、文化・芸術にかける予算を削るべきではないと、全会派一致で継続の修正をしました。昨年、第7回目の近松賞、高山さなえさんの作品、馬留徳三郎の一日、が受賞されました。明年の3月には劇作家、演出家の平田オリザ氏率いる劇団青年団が尼崎市、東京、長野、豊岡と公演も決まっております。しかし近松賞も2年に1回から4年に1回になり、賞金のこともあり、今後の存続が心配されるところです。今後とも継続されることを強く要望いたします。 また、現在も近松のまちとしての取り組みを支えていただいている関係各位の皆様には、敬意と感謝を申し上げます。私は、尼崎の文化・芸術をまちの土台にしていただきたいと強く願っております。 なぜなら1930年代、第1次大戦後のアメリカのルーズベルト大統領が恐慌を乗り切るためニューディール政策を行ったことは有名ですが、授業で習うときには、特にダム建設など土木事業を中心とする公共事業です。実は、この政策にはもう一つ大きな柱があり、それが芸術振興政策でした。フェデラル・ワンとして知られていますが、美術、音楽、芸術、作家、歴史的調査の5つの国家プロジェクトでした。詳しくは述べませんが、経済対策を行う一方、大恐慌の中で徹底して遂行された文化芸術政策によって、不景気で苦しんでいたアメリカの国民は明るさを取り戻し、勇気を奮い起こしたと言われています。 令和という新たな時代が始まりました。昨年は関西の住みやすいまちナンバー1にJR尼崎駅周辺が選ばれました。テレビ大阪では、関西の住みたいまちランキング5位に選んでいただき、住みやすいまちから住みたいと憧れを持っていただけるようになりました。尼崎のマイナスイメージは、大きく改善されたと実感いたします。だからこそ、これからのまちづくりの土台に文化芸術が根づいたまちの魅力と誇りに満ちた、住み続けたい、住んでよかったと実感できるまちづくりを強く強く要望いたしまして、私の全ての質問を終了いたします。先輩・同僚議員の皆様には、長らくの御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(真鍋修司議員) 答弁を求めます。 土元経済環境局長。 ◎経済環境局長(土元英樹君) 観光施策に関する御質問に順次お答えをいたします。 まず、観光施策として尼崎城での薪能を開催してはどうかとのお尋ねでございます。 本年9月に実施をいたしました尼崎城薪能は、本市に根づいている伝統ある薪能と本市の新たなランドマークである尼崎城というそれぞれの魅力がかけ合わさったことで、たくさんの方に喜ばれる事業となりました。 一方で地域の稼ぐ力につなげる観光施策として、尼崎城薪能を定例的に開催するに当たりましては、議員御指摘の費用面の問題のほか、薪能に来られた方をお城への入場や寺町、商店街等への周遊にいかにつなげるかなどの課題があると考えております。 次に、観光施策として、マンホールのふたを活用してみてはどうかとのお尋ねでございます。 本市にたくさんの観光客に訪れていただき、市内を周遊していただくためには、魅力ある観光コンテンツが必要であると考えております。議員御提案のマンホールのふたもその一つになり得るものと考えられますが、活用につきましては、著作権や費用面等の課題も多いことから、まずは関係部署と協議してまいりたいと考えております。 最後に、尼崎城での障害者に対する事前申請や減免時の手続について、また、尼崎城のVRに関する聴覚障害の方への対応について、それぞれどのように考えているのかとのお尋ねでございます。 尼崎城址公園は、尼崎市都市公園条例に基づき運営しており、尼崎市都市公園条例施行規則におきまして、障害者手帳を提示することで使用料減免申請書の提出にかえることができるとなっております。そのため、議員御指摘のとおり、障害者施設より事前に使用料減免申請書を御提出いただくことでスムーズな御案内が可能だと考えており、運営スタッフにもオペレーションを徹底してまいります。 また、インターネットでの申請につきましては、費用面等から速やかな対応は困難でございますが、FAXによる申請は運用上可能と思われますことから、導入に向けて指定管理者と協議しているところでございます。 また、尼崎城天守2階にありますVR展示につきましても、聴覚障害をお持ちの方への配慮といたしまして、現在はナレーションを印刷した紙の配布や別スクリーンに字幕を打ち出す対応を行っておりますが、来年度にはVR映像への字幕挿入を予定しているところでございます。 ○議長(真鍋修司議員) 有川公営企業管理者。 ◎公営企業管理者(有川康裕君) マンホールのふたのマニア、ファンなど、本市に観光客を呼び込む起爆剤と考えるが、その活用方法について、また、取りかえに係る費用に企業の協賛、あるいは寄附金を活用できないかという御質問でございます。 全国の各自治体において、さまざまなデザインの下水道のマンホールのふたが作製されておりますが、その人気は非常に高まりを示しており、その活用が下水の理解や広報だけにとどまらず、市の活性化にもつながるものと認識しております。 そのような中、議員お尋ねの忍たま乱太郎につきましては、活用が図れないものかと、先日来、関係課と現在、協議を行っているところでございます。なお、その他のキャラクターの活用を検討するに当たりましては、著作権の点など調整すべき課題も多いと考えております。 いずれにいたしましても、今後におきましても市の活性化、あるいはにぎわいの創生につなげていくため、また、適切な管理の手法について、企業からの協賛なども含めまして、さまざまな観点からマンホールのふたに係る取り組みについて調査、研究をしてまいりたいと考えております。 ○議長(真鍋修司議員) 田尻都市整備局長。
    ◎都市整備局長(田尻和行君) 前迫議員の南部臨海地域の活性化に関する一連の御質問に順次お答えさせていただきます。 まず、港湾物流を行っている関係団体から、国、県、市に対して行った要望書に対する本市の見解についてはどうかとのお尋ねでございます。 御質問の要望書は、大阪・関西万博の開催決定とIR誘致が本格化する中、港湾物流を行っている関係団体から、国、県、市に対して2点の要望があり、議員御紹介のとおり、1つ目は、物流基地として公共岸壁の早期供用開始、2つ目は、旧神戸製鋼所桟橋を使った来場客等の海上輸送であります。 まず、1つ目の公共岸壁の早期供用開始につきましては、県が岸壁を2021年度末までに完成させることや、それに伴う交通渋滞対策として尼崎伊丹線の拡幅事業などについても取り組むこととしており、本市としましても、県と連携して取り組みを進めてまいります。 2つ目の旧神戸製鋼所桟橋を使った来場客等の海上輸送につきましては、県を事務局とした桟橋の利活用検討会が本年10月に発足されたところであります。本市もそのメンバーとして参画しておりますので、短期的、長期的な面から、桟橋の有効な利活用について検討を進め、南部臨海の活性化に取り組んでまいります。 次に、魚つり公園のドッグランについて、これまで試験的に運用され、課題も明確になっていると思うが、開設はいつになるのかとのお尋ねでございます。 魚つり公園のドッグランにつきましては、平成28年9月に動物愛護団体の方々を対象に試験的に実施いたしました。その結果から、一定以上の高さと強度を備えた柵や適切な広さの広場が必要といった施設整備面の課題に加え、専門的な知識を持った人員の確保が必要であることや、犬同士のけんかなどトラブルが多いことなど、管理運営面でも多くの整理すべき事項があることがわかりました。 これらの課題を踏まえまして、昨年の9月にも改めて実施する予定でありましたが、台風の被害により中止となり、今年度の施設の復旧がおくれたため、実施できておりません。魚つり施設の復旧を令和2年3月には終える予定としていることから、4月以降に再度実施し、その結果に基づき、本格運用について検討していきたいと考えております。 次に、ナイトクルージングは、毎日でなくても期間限定で実施してもいいと思うが、昨年の6月の一般質問以降、どのように検討されたのかとのお尋ねでございます。 ナイトクルージングは、これまでにもNPO法人が主体となり、機会を設けて実施しております。ことしは5月24日と9月27日にキャナルフライデーという夜の運河でカラオケを楽しみながら飲食をするイベントと同時開催で実施し、好評でございました。 しかしながら、イベントの収支を見ると赤字になることもあり、資金確保が課題となっております。このような課題があるものの、ナイトクルージングは運河の魅力を知ってもらう上で非常に効果的なツールであることから、継続的に実施できるよう、例えば企業からの協賛金を募るなど、資金確保の課題解決に向け、実施団体とともに協議してまいります。 最後に、道の駅等の集客施設について、引き続き県や関係団体と協力していきたいとのことであるが、諦めずに連携していくのかとのお尋ねでございます。 道の駅等の集客施設の設置につきましては、これまでに臨海部の用地を取得した事業者等に対して、集客機能のある施設設置のお願いや、既存の店舗に対しまして、本市ゆかりの物産品等の取り扱いを依頼いたしましたが、実現には至っておりません。集客施設につきましては、平成27年3月に策定された整備計画の中では、中央緑地の東側にスイーツスポットと呼ばれるエリアを設け、カフェ等の施設を導入する計画となっております。 しかしながら、現時点では具体的な計画が示されていないことから、今後はこのエリアにより多くの人が集い、にぎわう施設となるように、引き続き県に働きかけてまいります。 ○議長(真鍋修司議員) 前迫直美議員の質問は終わりました。 続いて発言を許します。 佐野剛志議員。   (佐野剛志議員 登壇) ◆14番(佐野剛志議員) 皆さん、おはようございます。あまがさき志誠の会の佐野剛志です。本市議会定例会におきまして一般質問の機会を与えていただきましたことに、まずお礼申し上げます。 また、理事者各位におかれましては、私の意のあるところをお酌み取りいただき、明確な御答弁をいただけますようよろしくお願いをいたします。 質問に先立ちまして、昨日10日から16日までは、北朝鮮人権侵害問題啓発週間です。9月議会での吹野副市長からの御答弁どおり、市長を初めとする局長の皆様方らのブルーリボンバッジをつけてくださっています。会派を代表いたしまして御礼申し上げます。しかしながら、解決するまでずっと拉致された方々は、助けが来るのを今か今かと待っておられます。ぜひとも今回のことをきっかけとして、今週だけとは言わず、重大な人権侵害である拉致問題を風化させないためにも、バッジだけでもつけ続けてくださるようお願いをいたします。 それでは、質問に移らせていただきます。今回、私から2つのテーマで質問させていただきたいと思います。 まずは、その1つ目、地域安全の取り組みとして、現在、市内全域で総合的に実施している街頭犯罪防止等事業につきましてお聞きしていきます。 先月末に、皆様御存じのとおり、阪神尼崎駅からほんの四、五百メートルのところで、反社会団体同士の抗争による軍用の改造型自動小銃を使った殺害事件が発生しました。市内で非常に凶悪な事件が起こったことは大変残念なことですが、そんな状況下において、今回の本市としての対応は、メールやSNSを使った情報発信に加え、青色パトロールによる注意喚起等、できる限りの手段を使い、可能な限り迅速な対応をしていただけたことは、我が会派のこれまで訴え続けてきたことを実際に実行していただけたと素直に評価いたします。そして、改めて犯罪防止については、警察だけを頼るのではなく、市民の方々らの安全・安心を守るために、自治体としても全力で取り組まなければならない分野であると我が会派は強く思います。 さて、直近の9月定例会での私からの質問に対して、危機管理安全局長からの御答弁で、ひったくり対策や自転車盗難対策、特殊詐欺対策等、他の地域の防犯力を高めるための各種取り組みを総合的に実施している。個別には、御答弁時点で、民間事業者などが設置した既存防犯カメラを防犯・防止に活用する協力事業が42団体、281カ所、自転車盗難防止のためのダミー自転車を活用した取り組み協力が2団体、3事業所、地域の見守り活動であるウオーキングパトロール隊が274名で、平成22年から始まっている地域防犯力向上のための防犯カメラ設置補助は累計で125団体、131カ所とお答えいただきました。 御答弁いただいた対策を主として、その他さまざまな懸命なお取り組みで、撲滅に向けてターゲットとしたひったくりや自転車盗難の件数に関しましては、多くの方々のお力添えにより、劇的とも言える減少を遂げていることは、先般の6月議会でも御紹介したとおりです。しかしながら、本市なりに減少傾向にあるとはいえ、他会派などからも指摘がありますとおり、市内全ての犯罪発生件数においては、近隣市や他の類似都市などと比べても、依然として極めて高い数値が出てしまっていることは、紛れもない事実であります。 まずは、ここでお尋ねいたします。 本市なりに限られた財源などの条件の中、できることをしっかりと積み上げて取り組んでいると自負をしておられるとは思いますが、先述した本市の各街頭犯罪防止等事業の取り組みを各年度ごとにどのように分析し、PDCAを回しておられるのかお聞かせください。また、その分析も踏まえ、各事業などを総合的かつ経年変化をどのように検証しておられ、それが近隣市や他の中核市と比べて、本市はどのような強みや弱みがあるとお考えでしょうか、御所見をお聞かせください。 それでは、2つ目、最後のテーマに移ります。 本市の産業施策と尼崎版グリーンニューディール推進事業についてです。 この2つのテーマは、私が市議会議員という役割を担わせていただいて以来、初質問時から常にそれぞれに関連する質問をさせていただいてきたものですが、本市における工業の重要性は、我が会派においては、前任期時から先輩議員である波多幹事長や、本任期になってからも北村保子議員が南部地域における工業の発展についてや、他会派の先輩・同僚議員からも少しずつ声が広がってきており、大変うれしく思っています。 さて、まずは尼崎版グリーンニューディールについてお聞きしていきます。 直近の9月議会の一般質問で、このパッケージにどのような目標値を設定しているのかと質問し、経済環境局長から、生産誘発額として毎年度5億6,600万円以上を目標経済波及効果額として取り組んでいると御答弁いただきました。 以前から何度か質問時における御答弁に出てくるこの経済波及効果額。ちょっと皆様も軽くメモをとっていただければと思いますが、以前にも御紹介しましたとおり、この事業は平成24年度から始まり、直近集計の最新が平成29年度までの中で、最も高いのが平成27年度の8.2億円で、最も低い値が平成26年度の4.9億円であり、先ほど御紹介しましたとおり、当局は毎年度の目標値としては5.7億円以上を目指しているということです。 しかし、恥ずかしながら、統計学を学問としてちゃんと学んだことのない私としては、この値がどのくらいすごいのか、多いのか少ないのか、どうしてもぴんとこず、そしてまた一体、誰がどのようにどういった数値をもとにどんな計算式で出された数字なのかがわかりませんでしたので、担当部局にお願いをして、去る8月5日に、本市のまさにこの経済波及効果額を算出してくださっている方に直接会ってお話を聞かせていただいてきました。その方は少し変わった経歴をお持ちで、兵庫県の県職員の肩書ながらも、神戸大学において統計論の非常勤講師としてや兵庫県立大学でもこの分野で客員研究員もなさっている、統計学の分野において日本でも著名な方でしたが、細かな資料も御用意していただき、気さくにしっかりと説明をしてくださいました。 限られた持ち時間の中ですので、詳細な説明は割愛させていただきますが、もちろんおわかりの方々には当たり前のことですけれども、経済波及効果額が5億円だ8億円だと言っているのは、決して市の収益としてその金額がもうかっている数字ではなく、ウィキペディアによりますと、経済波及効果とは、新規に需要が発生することにより、その需要を満たすために生産が連鎖的に誘発されることである。それによって発生する金額の合計額であると説明されていますが、それでも何を言っているのかよくわからないといった方には、特にここからお聞きいただきたいと思います。 正直、私も最初にこの数字を見て、あれと思ったのですが、本市が毎年公表している先述までの経済波及効果額とともに、就業者誘発人数も公表されています。わかりやすく言えば、先述からの5億円、6億円といった経済波及効果額が生じることにより、雇用の発生人数が市内全体で年間最大何人分の雇用に結びつく効果に相当するのかということです。それが最も低かった平成26年度の4.9億円のときが14人、最も多かった平成27年度の8.2億円のときが32人ですので、本市が毎年度の目標値としている額が5.7億円だとすると、平成24年度と同額ですので、年間で21人分の雇用誘発発生相当の効果だということです。 現在、尼崎市で産業に携わっている人数は、最新のデータ、平成28年度で19万2,000人弱であり、この雇用誘発発生数がいかに小さな規模であるのかおわかりいただけると思います。これでは本当に漢方薬としての効果が期待できるものなのかが甚だ疑問であり、今のままだと尼崎版グリーンニューディールをこれ以上続ける意味がないのではないかと私は思うのですが、皆様はどのようにお感じになられますでしょうか。 ですので、そんな実情も含め、平成24年度から始まっている尼崎版グリーンニューディール推進事業に対して、中身の非常に小さな予算額の複数事業をちょこちょこと入れかえたりするような程度ではなく、始まってから7年が経過するといった時期的にも、そろそろ抜本的に大幅ブラッシュアップして進化をさせてもよいのではないかと思い、御提案をさせていただきます。 昨年の定例会より、他会派の一般質問でも少しずつSDGsについては質問や提案をされていましたが、SDGsの要素を尼崎版グリーンニューディールに全面的に取り入れてはどうかと思います。SDGsについては、皆様も御存じかと思いますが、SustainableのS、DevelopmentのD、GoalsのGとsをとって持続可能な開発目標の略称です。2015年9月に国連で開かれたサミットの中で、世界のリーダーによって決められた国際社会共通の目標のことで、このサミットでは、2015年から2030年までの長期的な開発の指針として、持続可能な開発のための2030アジェンダが採択されました。この文書の中核をなす持続可能な開発目標をSDGsと呼んでいます。 内容につきまして大まかに言えば、17の目標にひもづく169のターゲットなどで構成されており、その17の目標の中でいえば、現時点の尼崎版グリーンニューディールの産業面と直接合致しそうなものが7つ目の目標であるエネルギーをみんなに、そしてクリーンに、や8つ目の目標である生きがいも経済提唱も、や9つ目の目標である産業と技術革新の基盤をつくろう、に該当するものと思います。ですので、SDGsの考えを尼崎版グリーンニューディールに直接的に取り込み、その経済波及効果額をもっと大きくしてもよいのではないかと私は考えました。 さきに御紹介しましたように、SDGsそのものへの取り組みについては、昨年の6月定例会や直近の9月定例会において、他会派からの質問に対して当局側からは、取り組みの方向性や今後の姿勢について前向きな御答弁をしておられます。 そして、そもそもこれまでに本市においてのSDGsの取り組み自体は、他の自治体に先駆けて、本市の最上位指針である後期まちづくり基本計画とSDGsのゴールを体系的に整理した尼崎版SDGsを平成30年6月に公表するなど、先進的に実施しておられ、策定当時は多くの自治体から問い合わせがあったとお聞きしており、既にできることから積極的に進められてきたと感じています。しかし一方で、国連が定めたSDGsの目指す各目標ゴールに向けては、あらゆる要素が複雑に絡み合っていて、これはこれだけといった切り分けをするのが非常に難しく、分類時の困難が見受けられるような振り分けとなっているようにも感じます。 ここでお尋ねいたします。 先日の各一般質問の答弁では、それぞれの当局者から異口同音に、現在の本市の目指す方向性について、SDGsの目指す方向と同様であるというふうにおっしゃられていますが、尼崎版SDGsに示されている総合計画の各関連項目(施策)のみで、SDGsの各目標が達成されるものだとお考えでしょうか。 また、本件の尼崎版グリーンニューディールの趣旨とSDGsの目指すべき方向性も、他の多くの施策同様、合致しているとお考えでしょうか。御所見をお聞かせください。 以上で私からの質問、1問目を終了いたします。まずはここまでの御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(真鍋修司議員) 答弁を求めます。 森山副市長。 ◎副市長(森山敏夫君) それでは、佐野議員の産業施策と尼崎版グリーンニューディール、さらにはSDGsに関する一連の御質問にお答えいたします。 まず、尼崎版SDGsに示されている総合計画の各関連項目のみでSDGsの各目標が達成できるのかとの御質問でございます。 本市総合計画に掲げる将来像である、ありたいまちや、その実現に向けた取り組みは、SDGsが目指す持続可能な世界や誰一人取り残さない社会の実現という理念と親和性が高く、総合計画の取り組みを推進することがSDGsの達成に資するものと考え、総合計画をSDGsの17の目標の視点から整理し、平成30年6月に尼崎版SDGsとして公表したところでございます。 SDGsは、経済、社会、環境をめぐる国際的かつ広範囲な課題を対象としており、その達成に向けましては、尼崎版SDGsに記載する関連項目だけで達成できるものとは考えておりません。適宜必要となる施策を連携させながら、また、民間企業やNPO等、さまざまな団体とのパートナーシップを深め、本市のみならず、世界的な課題の解決に一つでも多く貢献できるよう、施策を推進してまいりたいと考えております。 次に、尼崎版グリーンニューディールの趣旨とSDGsの目指すべき方向性は合致していると考えているのかとの御質問でございます。 尼崎版のグリーンニューディールは、行政、市民、事業者が一体となって、本市の強みを生かした環境と産業の共生や地域経済の好循環に取り組むことにより、市内の環境の向上、地域経済の活性化、新規事業・雇用等の創出を目指し、成熟社会におけるコンパクトで持続可能なまちを実現しようと取りまとめたものです。この持続可能な考え方というのは、SDGsでも標榜されているところでございます。このような考え方が市民や事業者にも広がりますよう、これまで取り組みを進めてきたものでございます。 事業を開始いたしました平成24年度とは、社会経済情勢が大きく変わっております。今後の尼崎版グリーンニューディールにつきましては、これまでの環境と産業の共生という基本的な考え方は堅持しつつも、全てのステークホルダーが役割を持って経済、社会、環境に統合的に取り組むことで持続可能な社会が実現するといったSDGsの目指すべき方向性に沿って、また、その中で取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。 ○議長(真鍋修司議員) 辻本危機管理安全局長。 ◎危機管理安全局長(辻本ゆかりさん) 街頭犯罪防止等事業のPDCAサイクルを回す中での各事業の総合的な検証と本市の特徴についてのお尋ねでございます。 街頭犯罪防止等事業に関しては、これまで喫緊の課題であったひったくりや自転車盗難、また、高齢者への特殊詐欺等を対象に事業を実施してきたところです。これらの事業につきましては、前年より犯罪認知件数を減少させることを目標に、兵庫県警のひょうご防犯ネットによるメールなどにより発信される犯罪情報や、月ごとに発表する犯罪統計情報を適宜分析することにより、事業効果の確認を行っております。年間を通した取り組みの結果、効果が上がり、犯罪が減少した事案については、他の犯罪抑止事業へ費用の配分を変えるといった見直しを行っており、場合によっては年度の途中であっても事業展開の方向修正を行うなど、効率的、効果的な事業運営を図っているところです。 また、街頭犯罪防止等事業の本市の特徴は、民間企業の防犯カメラや市民等のドライブレコーダーの活用といった市全域が市街地化されていることを生かした取り組みや、自転車盗難防止事業等を例とする地域住民と連携した取り組み、犯罪心理学者のアドバイスのもと実施しているひったくり撲滅宣言といった犯人へのメッセージ性の強い対策などの実施が、他市には見られない本市特有の事業であると考えています。 一方、本市が兵庫県の県境に位置し、大阪市といった一般的に犯罪が発生しやすい大都市に隣接していることから、その影響を受けやすいことや、市内に13の鉄道駅があるなど、人の往来が多く、人口密度も高いことから、事件、事故の発生が近隣市に比べ、多くなりやすい傾向にあることは、事業実施に際して苦労しているところでありまして、犯罪発生状況に応じ、常に効率的で効果的な事業の実施を行っていく必要があると考えているところです。 ○議長(真鍋修司議員) 佐野剛志議員。   (佐野剛志議員 登壇) ◆14番(佐野剛志議員) 各質問への御答弁ありがとうございました。 それでは早速ですが、2問目、本市の産業施策と尼崎版グリーンニューディール推進事業についてお聞きしていきます。 議会において私がずっと申し上げておりますとおり、市章に込められた思いや、本市の成り立ちや発展の経緯、そして、現状のどこをどうとっても本市にとっての産業、とりわけ工業は、間違いなく今もなお本市の一番の特徴の一つであります。 本市の最新の各公表データを見ても、全産業従事者数の項目別で産業製造業従事者が4万506人で最多ですし、全産業の業績に左右される産業分類別法人市民税割調定額において、本市総額が約52億5,000万円のうち断トツのトップで44.4%を占める約23億3,000万円を製造業だけで占めており、本市の財政に本税制上、最も貢献しています。また、尼崎版シティプロモーション推進指針内の本市の魅力でも紹介されているように、平成22年の市内の年間製造品種価格は1,741ある自治体中、27位であり、その後も年度により30位から39位までを行き来しています。繰り返しますが、全国にある1,741自治体中の順位です。 その工業を含む産業の重要性を市長は口頭ではお認めになられているものの、そこにつけられている予算額は非常に少なく、既存の工業系企業への直接支援をうたい、市が独自に予算をつけている事業は、たったの1億1,000万円程度で、予算配分比率でいえばごくごくわずか0.05%であることは、ことしの6月議会で私が指摘をしたとおりですが、限られた予算の中、稲村市長は、これ以上、予算配分を大幅にふやされるおつもりは当面なさそうですので、せめて予算配分比率をほとんど変えず、新しい視点を加えて、本市における産業の経済波及効果額をふやしていただきたいと願います。 さて、1問目にお尋ねいたしました尼崎市SDGsに示されている総合計画の各関連項目(施策)で、SDGsの目標とする各ゴールが達成されるものだとは必ずしも言い切れず、尼崎版グリーンニューディールとSDGsの取り組みの関係性においても、目指すべき方向においては同じ方向を向いているという趣旨の御答弁を先ほどいただきました。 既にまとめられているSDGsの体系図においても、全17目標中、2、7、8、9番の項目には、地域経済の活性化、雇用就労支援が関連施策として明記されており、直接的にはそのとおりだと思います。しかし、ここで御紹介したいのが経済産業省中小企業庁より発表があり、ことし7月16日に施行された中小企業強靱化法と名づけられた、中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律が発令されました。 中には御存じの方もいらっしゃるとは思いますが、一般的には余り耳なれないと思いますので、少し詳し目に説明をさせていただきます。この法律が成立した背景などについて、御担当の中小企業庁事業環境部経営安定対策室の佐藤室長のインタビューでのお言葉をおかりすれば、本法律は、近年頻発している大規模災害や経営者の高齢化、事業継承の停滞といった事業活動の経営が危ぶまれる状況においても、中小企業・小規模企業事業者の皆様が事業活動を継続することができるよう、人的サポートや税制優遇など、さまざまな角度から事業継続力の強化を応援するための法律です。本法律が成立した背景は、近年、100年に一度の災害と言われるような大規模災害が毎年のように全国各地で発生しています。そんな中、中小企業・小規模企業が災害に対する十分な備えがないまま、たくさんの企業が被災して深刻なダメージを受け、それにより資金繰りが悪化し、その結果、事業が滞り、最悪の場合、廃業に至ってしまうようなことも起こっているのが大きな要因とおっしゃっておられます。 もともと我が国は、地震に限らず、台風などによる風水害等と非常に災害が多い国であり、近年、その被害状況が深刻化していることは、皆様も御承知のとおりで、実際にドイツのシンクタンクが先週4日に公表したデータにおいても、昨年の気象災害の年間損失額において、日本が全世界でワースト1位と公表されました。その他ベスト10の中には3位にドイツ、9位にカナダが入り、自然災害が途上国だけでなく日本のような先進国にも深刻な被害をもたらすようになっていると指摘されていました。 国や各自治体レベルでも人の命を守る取り組みは、まだまだ完全とは言えないまでも、かなり広がりを見せていることは、皆様も実感されていることだと思います。しかし、命の助かった人が生きていくためには、収入を得て生活をしていかなければならず、そのためには仕事場が、災害後一日も早く業務が再開されなければならないことは、容易に想像がつくことだと思います。 そんな状況に危機感を持った政府は、中小企業庁が10年ほど前から事業継続計画、英語の頭文字をとってBCP、企業が自然災害などに遭遇した際、被害を最小限にとどめつつ、事業の早期復旧を可能とするための計画のことで、この計画の啓発普及活動を行っていますが、その策定は、いまだ大企業を中心とした一部の事業所にとどまってしまっている状況です。この事業継続計画のことは、以降、BCPと言います。そのBCPが浸透していない原因としては、まずは、そもそも特に小規模企業の各事業所が災害の事業への被害を最小限にとどめ、被災後の早期再開に事前に備えておくといったような考えに至っておらず、当事者がそういった方面の情報へアンテナが張られていないこと、また、何となく必要性はわかっていても、それらの規模の事業は、日々さまざまな経営課題に直面していて、災害対策の優先順位が低くなってしまいがちになることや、また、いざBCPの作成に取り組もうと思ったとしても、災害復旧に係る体系的、網羅的な知識などが必要なため、人手の足りない中小・小規模企業にとってハードルが高い取り組みとなってしまっているのが現状です。 そこで、このたび施行された中小企業強靱化法では、BCPより取り組みやすい事業継続力強化計画といった、BCPという形でなくても、災害に対して自社が取り組みやすい有効な防災・減災対策を各企業に一つでも考えていただき、計画にまとめてもらう仕組みを取り入れられました。 さて、本市における中小・小規模企業への災害対策について、どうなっているのかと調べてみますと、平成31年3月発行の尼崎経済白書に、本年度から産業振興事業の高付加価値化支援事業の一環として、中小企業減災対応支援事業と銘打って新たな事業が始まっているように記載されていましたが、狭い紙面スペースということもあり、その事業の内容として書かれていたのは、実質箇条書きの3点でした。1つ目は、事業所を対象とした内容で、企業自身の減災について考えるきっかけづくりの機会を目的としたセミナーの実施。2つ目は、事業所の減災対策検討用にチェックポイントを示したパンフレットを減災対策ツールとして配布。3つ目は、専門家による助言などを通じて、災害対策を経営課題の一つとして自発的な取り組みを促すために行う診断と書かれていました。 まずは、ここでお尋ねいたします。 本年の当初より始まっているはずの本事業ですが、本原稿作成中の11月、既に8カ月が経過しているその時点で、減災対策検討用のチェックポイントを示したパンフレットを一切見聞きしておりませんが、本事業は現状、どのように動いているのでしょうか、お聞かせください。 さて、御紹介しましたように、本市の本事業内容は、策定時は3つであり、本原稿作成に当たり、担当部署にもお話をお聞きしましたが、策定当時の事業達成目標は事業内容として書かれているとおりで、中小企業が事業所の減災についてという考え方に気づいたり考え始めたりするきっかけをつくり、それを検討するためや事業所の減災を啓発するためのチェックポイントつきパンフレットを作成して配布し、一つでも多くの事業所が災害時の減災について、専門家の診断などを通じて経営課題の一つとして認識してもらうための啓発と、各事業所が防災・減災についての自発的な取り組みを促すことを目的とする事業で、先々への思いとしては非常にハードルが高いと思うが、市内の各中小・小規模企業がBCPを作成していってくださるような初めのきっかけづくりを事業目的としているとのことでした。 近年、災害発生時に人の命を守ることについては、自助、共助、公助の取り組みが確実に広がってきていますが、自治体が関与している企業の災害対策については、本市担当部局調べでも、近隣阪神地区ではどこも実施されておらず、全国に目を向けても、東京都がBCP策定後の設備導入時の助成と、鳥取県がBCPの策定に向けた専門家活用への助成といった、いずれもBCP策定に関連したたった2件だけで、まだまだ始まってすらいないと言っても過言ではない状況において、本市がいち早くそこに取り組みを始めてくださっていることは、大変うれしく思います。ですので、本市でも先日の既に始まっている中小企業減災対応支援事業が目指すべきゴールには、一工夫できるのではないかと思います。 そこで、先述のことし7月16日に施行された中小企業強靱化法の活用です。これまで本市における産業、とりわけ工業に対する数々の施策、事業の予算についてや各事業の内容及びその利用実績の壊滅的と言っても差し支えないような実数を示し、指摘してきましても、また、どのようなPDCAを回し、事業検証されているのかをただしても、これまで市長は、工業分野への大幅な予算の増額といったような誰もがわかりやすい力の入れ方につきましては、重い腰を上げてはくださいませんでした。 限られた財源の中で絞られた割り当て予算、言いかえれば厳選されているはずの本分野での数々の事業の利用件数が、なぜ数件程度なのかということです。全ての企業、法人は、さまざまな理念や目的があるにしても、その上で自社への利益を追求するところです。各企業に対して、それらの事業の広報、周知が不足していることも確かに一因ではあるでしょうが、やはりはっきりと申し上げて、利用する側のメリット、言いかえれば利用した企業が得だと思えることが非常に限定的だからではないかと私は考えます。 例えば、ただ単に産業向けの事業数をふやすだけではなく、限られた予算を一つにまとめ、公共の各所にも完備できたように、中小・小規模企業内の照明をLED化するための費用を3分の1助成として、また、その工事を市内業者でしてもらえば、2分の1助成に条件アップするといったようなことなど、少ない予算規模で実件数は大規模とはならないまでも、毎年、予算を使い切るほど応募が殺到するような、制度を使う企業側にわかりやすいはっきりとしたメリットのある事業に同じするのならしてほしいものです。少し横道にはそれましたが、いわゆるお役所都合で考えたものを薄く広く並べるだけでなく、使う側、今回の場合、市内の企業にメリットのある事業を展開していただきたいのです。 本題に戻りまして、今回紹介している、ことし7月施行の中小企業強靱化法は、事業者が単独で取り組む事業継続力強化計画と複数の事業者が連携して取り組む連携事業継続力強化計画の2種類があり、連携の形としては、組合間で取り組む水平連携やサプライチェーンにおける垂直連携、工業所や商店街などが地域で取り組む免責連携などが可能です。そして、作成されたその計画は、産業経済局で審査をされ、見事に認定されますと、その各事業所は、政府系金融機関の低金利融資や信用保証枠の拡大であったり、防災・減災設備に係る税制支援措置、20%の特別償却ができます。また、さらに中小企業庁の補助金、ものづくり補助金や持続化補助金などについても優先採択、加点措置がなされることや、経済産業省からの公認ロゴマークが使用できるようになることなどが示されています。 ここでお尋ねいたします。 今、既に本市が行っている中小企業減災対応支援事業をベースとして、セミナーの開催やチェックリストつきパンフレットは、これまでに紹介したBCPよりも取り扱いやすい中小企業強靱化法に基づく事業継続力強化計画に対する取り組みの啓発ツールとして使い、今、既に御協力くださっている5名の企業減災診断などの専門家の方々を含め、市内の各企業系の団体、工業会や商工会議所などであったり地元の地銀などにも御協力をしていただき、その事業継続力強化計画を各企業や連携企業が取得するためのお手伝いを本市が手がければ、現状の限られた予算をそれほど増額することなく、その制度を利用する側の企業にとっても、防災対策が進むことはもちろん、認定取得後には、低金利融資や保証枠の拡大や税制支援措置に加え、さらにその後には、経済系団体や地銀等、私的金融機関との連携などにより、補助金・助成金の取得につながるという、よいことずくめな事業を尼崎市が全国に先駆けての取り組みとして始められるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。御見解をお示しください。 以上で私からの質問、2問目を終了いたします。ここまでの御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(真鍋修司議員) 答弁を求めます。 土元経済環境局長。 ◎経済環境局長(土元英樹君) 産業施策に関する御質問に順次お答えをいたします。 まず、減災対応支援事業の進捗状況についてのお尋ねでございます。 中小企業減災対応支援事業につきましては、災害による被害を最小限に防ぐ減災対策に係る取り組みの啓発等の支援を行うことによりまして、中小企業経営者の減災意識の向上及び事業継続の体制強化を図ることを目的として、今年度より展開している事業でございます。 これまで減災対策キックオフセミナーを7月に実施したことに加えまして、各事業所が抱える防災・減災に関する課題解決に向けまして、減災アドバイザーを派遣する企業減災診断について、11社から申し込みをいただき、順次実施をいたしております。 さらに、議員御指摘の減災対策ツールにつきましては、臨海部にあります工業団地の協力のもと、減災対策の専門家からの助言もいただく中で、来年2月上旬ごろを目途に配布できるよう、現在、策定に向けた調整を進めているところでございます。 次に、減災対応支援事業を事業継続力強化計画への申請支援につなげていくべきではないかとのお尋ねでございます。 市内の中小企業、特に小規模企業におきまして、事業継続計画の策定なども含めた減災・防災への対応が十分には進んでいない状況にあることを踏まえまして、本市の減災対策事業では、まずは減災対策に係る取り組みの重要性について啓発していくことに重点をおきまして、事業継続力の強化を促す取り組みを進めているところでございます。 御指摘の中小企業強靱化法に基づく事業継続力強化計画への申請につなげていくことにつきましては、企業自身の減災・防災対策の推進に大いに資するものと考えております。したがいまして、今後、市内中小企業のニーズや状況等も踏まえる中で、事業継続力強化計画への誘導も図れますよう、適切に取り組みを進めてまいります。 ○議長(真鍋修司議員) 佐野剛志議員。   (佐野剛志議員 登壇) ◆14番(佐野剛志議員) 各御答弁ありがとうございました。質問を続けていきます。 そして、その上でSDGsであり、尼崎版グリーンニューディールへとつながります。先にも御紹介しましたとおり、本市の既にまとめられている尼崎版SDGsの体系図においても、全17目標中、2、7、8、9番の項目には、地域経済の活性化、雇用就労支援が関連施策として示されていますが、これまでの御提案どおり、企業における災害対策の促進は、地域経済の活性化、雇用就労支援に対しても重要な視点だと思いますので、1問目よりもさらに踏み込んでお聞きします。 SDGsの13番目の目標は、気候変動に具体的な対策をです。この目標を達成するためのターゲットの一つに、全ての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性、レジリエンス及び適応能力を強化するというものがあります。 尼崎版SDGsでは、この13番目の目標の関連項目(施策)を施策11、消防・防災と施策15、環境保全・創造と整理されていますが、そもそもこういった気候関連を含む自然災害などあらゆる災害の対策については、自治体だけで完結できるものではなく、企業の協力も必要不可欠と考えられるとともに、SDGsに取り組む機運が高まりつつある中、企業にとってもSDGsへの取り組みは、新たな事業創出や市場拡大につながる可能性があるなど、施策13、地域経済の活性化・雇用就労支援にもつながるものと考えています。 非常にタイムリーに本原稿作成途中、今月、12月2日の日本経済新聞、以降、日経新聞と言います、の朝刊で1面トップに、課題解決力、収益牽引、環境社会への対応、本社SDGs調査と、さらにその関連記事として5面の特集面には、気候変動、経営リスクに、と題して大きく記事として取り上げられました。 内容を少し御紹介しますと、日経新聞が今回初めて独自の4つの視点において、上場企業など国内大手637社が国連のSDGsにどう取り組んでいるのかに対して格付を行った調査結果などです。当記事中、1面記事では、今回の調査対象企業でSDGsを経営に生かしている企業ほど経営収益力が高い傾向が鮮明となった。国連は、企業に事業を通じたSDGsへの貢献を促していて、課題解決の活動がイノベーションを生み、新たな市場が広がる可能性があるということや、それらの企業が中長期経営計画で掲げているSDGsの目標で複数回答中、最も多いのは、気候変動への対応、53.4%、働きがいと経済成長、50.4%、製造と消費の責任、48%と続いたと紹介しています。 その結果を受け、5面の関連特集記事においては、大手企業が気候変動を経営上のリスクに位置づけており、今後はサプライチェーン、供給網でもリスク分析の実効性が問われると始まり、大手企業がリスクとして捉えるだけではなく、その対応策がもたらす新たな事業創出につなげる企業がふえてきているといった動きも紹介される中、一方、SDGsの活動で今後重要なのがサプライチェーンへの広がりで、大手企業がサプライヤーへの働きかけを積極化しようとしている、今後の大手企業にとって、サプライチェーンへの詳細なリスク分析の浸透も重要になりそうだと結んでおられます。 ということは、逆に言えば、中小・小規模企業がSDGs13番目の目標、気候変動に具体的な対策を、に対して、前もってしっかりとした対応ができていれば、大手企業に対する売り込みの武器にもなり得るのではないでしょうか。 直近9月議会での他会派先輩議員への御答弁では、現状、本市においてSDGsの認知度が低いとお答えになられていましたが、世間的には、日経新聞のトップを含め特集記事が載るなど、一般的な機運は高まってきておりますので、本市における認知度の向上を図る好機でもあると思います。 ここでお尋ねいたします。 このようにSDGsの取り組みが企業の間でも広がりつつある中、まずは目標の中でも特に企業の関心が高いと言える気候変動に具体的な対策をという13番目の目標について、本市だけで市単体で取り組むのではなく、積極的に企業ともパートナーシップを深めながら進めることが、災害対策の促進という面だけでなく、本市の地域経済活性化にも効果があると考えますが、いかがでしょうか。御見解をお聞かせください。 そして、尼崎版グリーンニューディールの進化系バージョンアップにSDGsとの連携を明記するに当たり、SDGsの目指すところでいえば、経済、環境、社会という要素に好スパイラルの循環をもたらすことですが、先ほどの御答弁にもありましたとおり、今の尼崎版グリーンニューディールは、経済と環境の関係だけで、社会の視点が入っていないと思います。ここで言う社会は非常に定義が広いものですが、尼崎版グリーンニューディールにSDGsとの連携をうたい、目標13の気候変動に具体的な対策を組み入れることにより、SDGsの目指す社会の側面として、被災後の人々の営みに不可欠な収入の道を切らさないことや、少しでも早い事業開始手段を確立しておくことであったり、市内地元企業が率先して防災・減災に取り組むことは、市民の防災意識や減災活動にも必ずやよい影響が広がることにつながると思います。 そこで、ここまで提案をしてきた災害時に向けた企業の減災、被災後の事業の早期復旧の視点を尼崎版グリーンニューディールに加えることにより、経済、環境、社会の好スパイラルの循環をもたらすことができると思いますし、また、元気な小規模企業がふえることは、住まいの近くに働き口がふえることにつながります。それは必ずや、ファミリー世帯の定住の一助になるはずです。 ここでお尋ねいたします。 尼崎版グリーンニューディールにSDGsとの関係をはっきりと盛り込み、先述の本年度より既に始まっている尼崎市中小企業減災対応支援事業に、ことし7月施行された中小企業強靱化法を取り入れて発展させたものを尼崎版グリーンニューディールに取り込みませんか。 そして、その上で今回提案したことは、どれも大きく費用が追加されることのない進化版尼崎グリーンニューディールを本年度は一つも重点施策に入らなかった産業・工業系の施策として次年度の重点施策に登録し、売り手よしとして本市にとってさらに経済波及効果が拡大し、買い手よしとして利用業者にも非常に大きなメリットがあり、世間よしとして自然災害にも強い事業所がふえて、被災後の人々の暮らしが今よりも安定するような三方よしの事業に進化させ、バージョンアップするお考えはありませんか、御所見をお聞かせください。 最後に、もう一つのテーマ、本市の地域安全の取り組み、地域防犯について一連、お聞きしていきます。 冒頭にも申し上げましたとおり、我が会派としても、本市の防犯については、これまでも非常に強い思いを持って活動してきており、先輩議員である岸田副議長は、前回任期時から、一般質問などでも防犯マップやカメラについての質問もしておられました。 私としても、市民の安全・安心を守るため、市内で起こる犯罪の撲滅には、まだまだしっかりとした御対応をお願いしたいと思っています。 まずは、ここでお尋ねいたします。 関係当局が頑張って本市の3警察署にも全面的な御協力をいただき、せっかくことしの8月下旬から開始され、既に3カ月が経過しようとしているドライブレコーダーによる見守り協力者の事業ですが、平成27年に国から認定された環境モデル都市のシンボルとして約788万円で購入し、その意味における広告塔でもある市長車のMIRAIに、市民の皆様に広く御協力をお願いする側が、先週金曜日午前中、私の本登壇通告時点では、ドライブレコーダー搭載車の市販シールは張られているにもかかわらず、ドライブレコーダーによる見守り協力者事業の登録を示すウルトラ警備隊のマークを使用したオリジナルステッカー、以降、ステッカーとのみ言います、を張っていただけていないのには、何か理由があるのでしょうか。来年、フルモデルチェンジがうわさされているMIRAIに買いかえるようなことはないと思いますが、当事業のステッカーを張っていただけていない理由をお聞かせください。 また、直近の9月議会において、本事業の継続実施に向けての予算措置についてお聞きし、その御答弁では、不足が生じると見込まれる場合には必要な予算措置をしていくとお答えになられていました。せっかく早急に始めてくださった事業です。確実に張れるところには少しでも早く、1台でも多く張っていただくことが、本事業の認知度を上げていく有効な手だての一つだと思います。お尋ねいたします。どのような理由で、市長車を除くその他の本市公用車や、それに類するドラレコ既設車全体で、ごく一部にしかステッカーが張られていないのか理由をお聞かせください。 そして、今後の当事業の普及についてお聞きします。全ての事業に言える当然のこととして、決して事業を始めることがゴールではなく、文字どおり始まってからがスタートです。始まった事業に対して、しっかりとより役に立つ事業へと育てていかなければなりません。 お尋ねいたします。 本事業のさらなる充実に向け、本市を走るバスやタクシー、そして、市内に多くの営業車が走っているコピー会社、薬屋といった市内企業などに対する当事業への登録のお願いや、オートバックス、イエローハットに代表されるドライブレコーダーを販売、取りつけしているようなところであったり、トヨタ、日産、ホンダに代表されるような自動車販売各社のディーラーには、本事業の告知ポスターや案内、申し込みチラシを置かせていただくお願いをするなどしてはどうかと考えますが、以上のような方面も含め、本事業の今後の普及に向けて、現在どのような御計画か、可能な限り具体的にお示しください。 本事業を採用した際にも、当局からもおっしゃっていただきましたとおり、ステッカーをつけた車がふえればふえるほど、防犯に対してのまちの体感治安や事件発生後の情報提供による早期解決の確率は、確実に上がります。どうか市民の安全・安心を守るため、児童や高齢者の見守りの動画情報の提供という側面からも、本事業の幅広い普及に向け、できる限りの御対応をお願いいたします。 また、本テーマ最後の質問項目といたしまして、地域安全の取り組みを総合的な観点でお聞きしたいと思います。これまでもさまざまな街頭犯罪への取り組みを実施してこられ、直近ドラレコ見守り事業を早期に取り入れてくださったわけですが、できない理由を考えるのではなく、これからも取り入れられるようなことは貪欲に積極的に取り入れていただき、市内全域をよりきめ細やかなメッシュ状に整備するといった面的な防犯体制の確立が本市には、もっともっと必要だと思っています。 お尋ねいたします。 市民の方々などに一層の御協力を促す意味で、さらに多くの皆様にわかりやすい包括的な取り組みをするお考えはありませんか。 また、犯罪の捜査や犯人逮捕は、当然、警察がなさることですが、自治体としてしっかりとした活動をしていく中で、限られた財源をより効率よく活用し、適切に整備して充実させていくことは、本分野においても最も重要な視点の一つです。 お尋ねいたします。 現在、そして、今後実施していく全ての街頭犯罪防止等事業の各分布状況と事件発生場所や件数を、イメージとしては1枚のマップ上で一元管理して、それらの相関関係などを経年分析する体制を整備し、各防犯事業の的確な普及に向けて、しっかりと根拠に基づいたPDCAを回し、犯罪発生ゼロを目標とした強い決意で総合的に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。御見解をお示しください。 以上で私からの全ての質問を終了いたします。長らくの御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(真鍋修司議員) 答弁を求めます。 土元経済環境局長。 ◎経済環境局長(土元英樹君) SDGsの目標の一つである気候変動に具体的な対策をについては、市だけではなく、企業との協力のもとに取り組むべきと考えるがどうか。減災対応支援事業を尼崎版グリーンニューディールに取り込み、次年度の重点施策としてバージョンアップさせないのかとの御質問に一括してお答えをいたします。 SDGsにおいて掲げる17の目標の達成には、全てのステークホルダーが役割を持ち、社会、経済、環境の各分野において統合的に取り組むことが重要であると認識しており、特に産業分野におきましては、民間企業の主体的な取り組みが今後ますます重要になってくると考えております。 その中で、議員御指摘の気候変動対策に関する取り組みにつきましては、企業の事業活動や経営にも直結するものでありますことから、市、産業支援団体、企業との協力関係のもとに進めていく必要があるものと考えております。 一方、尼崎版グリーンニューディールにつきましては、先ほど副市長が御答弁申し上げましたとおり、これまでの環境と産業の共生を基本にしつつ、SDGsの目指すべき方向性に沿って取り組んでまいりたいと考えております。 また、減災対応支援事業につきましては、企業の事業継続と従業員の雇用確保につながる重要な施策でありますことから、国の施策等と連携して取り組んでまいります。 ○議長(真鍋修司議員) 辻本危機管理安全局長。 ◎危機管理安全局長(辻本ゆかりさん) 議員の街頭犯罪防止等事業の一連のお尋ねにお答えいたします。 まず、市長公用車2台にウルトラ警備隊のマークを使用したステッカーを張っていない理由はあるのか、また、ドライブレコーダーによる見守り協力者のステッカーが公用車の一部にしか張られていないのはなぜかとのお尋ねでございます。 市長公用車につきましては、本年9月末にドライブレコーダーを設置しておりますが、御指摘のステッカーについては対応できておらず、昨日、張りつけたところでございます。 また、市長公用車以外のドライブレコーダー搭載の公用車につきましては、本年8月末に全庁的に依頼をし、現在、145台分のステッカーを配布いたしておりますが、今回確認したところ、御指摘のとおり一部まだ張りつけされていない車があること、また、ドライブレコーダーを新たに設置した車もあることが判明いたしました。これらの確認と協力依頼を兼ねまして、改めてきのう庁内周知を行ったところでございます。 次に、ドライブレコーダー見守り協力事業の今後の普及策について、どのように考えているのかとのお尋ねです。 ドライブレコーダー見守り協力事業によるステッカーは、12月9日時点で231枚配布しており、そのうち法人分につきましては、3社からお申し込みいただき、44枚を営業車両等に張っていただいております。当該事業の普及策については、現在、窓口である市や市内3警察署での広報のほか、各防犯協会を通じた協力者の募集に加え、企業訪問時などに適宜依頼をしているところではございます。 議員御指摘のとおり、市内を巡回する車両としましては、個人所有の車両のみならず、市内を巡回するバスやタクシー、営業車等も多くございますことから、今後はバス会社やタクシー会社などに個別に協力を呼びかけていくとともに、尼崎商工会議所などを通じ、より多くの市内事業者に御協力いただけますよう、周知、協力依頼等を行ってまいりたいと考えております。 次に、防犯に市民の協力を促すため、包括的な取り組みをする考えはないかとのお尋ねです。 平成25年度から取り組みを始めた街頭犯罪防止等事業は、ひったくりや自転車盗難防止対策などに対して、さまざまな取り組みを進めてまいりました。これらの取り組みの中には、ドライブレコーダー見守り協力事業やウオーキングパトロール隊といった、市民の御協力をいただいて実施する複数の見守り活動事業があり、個々に運用を行ってきたところです。 今後はこれらの事業を包括して、あなたを守り隊として取り組み、より市民にわかりやすくすることで積極的な事業参加を促し、見守り力をさらに向上させるとともに、効率的な事業運営を図ってまいりたいと考えております。 最後に、街頭犯罪防止等事業の取り組みと犯罪発生場所の相関関係を分析し、犯罪発生ゼロを目標に総合的な対策に取り組んでいただきたいと思うがどうかとのお尋ねです。 危機管理安全局では、街頭犯罪防止等事業の実施を通して、地域内で起こる犯罪の情報や傾向、さらには対策、方法に経験を重ね、知識を深めてきたところです。例えばひったくりや自転車盗難については、発生時期や発生場所に特徴があることも過去の情報から認識しているところです。これらの経験や知識を踏まえ、ドライブレコーダー見守り協力事業やウオーキングパトロール隊といった事業を実施しているところです。 今後は、議員御指摘のとおり、犯罪発生状況を地図上に落とし、各種事業の実施状況とも重ね合わせて、必要に応じて各事業を連動し対策を講じるなど、より効率的でより効果的な取り組みを進め、市民の体感治安の向上を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(真鍋修司議員) 佐野剛志議員の質問は終わりました。 この際、休憩いたします。                        (午前11時57分 休憩)-----------------------------------                        (午後0時59分 再開) ○副議長(岸田光広議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。 質問を続行いたします。 発言を許します。 土岐良二議員。   (土岐良二議員 登壇) ◆26番(土岐良二議員) 皆さん、こんにちは。公明党の土岐良二でございます。第15回定例会におきまして質問の機会を与えていただき、ありがとうございます。 先輩・同僚議員の皆様におかれましてはしばらくの間御清聴のほどよろしくお願いいたします。 高齢者支援についてお聞きします。 特に認知症施策について、私は、これまで平成28年、平成30年の一般質問で、そして、本年10月の決算特別委員会総括質疑でこの取り組みについてさまざまな角度からお聞きしてきました。平成28年の一般質問では、国の推計による全国的な数字、具体的には2025年に認知症の人は675万人から730万人へ急増するとされ、ひとり暮らしの認知症高齢者もふえていくことなどに触れ、行政の制度を見直す努力を加速させなければいけないことを訴えました。 本年、岡山市で開催された20カ国地域保健大臣会合G20では初めて高齢化対策がテーマとなり、特に認知症への対応に焦点が当てられました。世界保健機構WHOの推計によると、認知症の人は現在、世界で約5,000万人に上り、2030年には約8,200万人。50年には約1億5,200万人に達するとの試算もあり、認知症は21世紀の重要課題とされています。ここで注目されているのは、高齢化先進国であり、認知症が喫緊の課題となっている日本の取り組みです。 本市も、認知症施策として国の認知症施策推進大綱に基づき、さまざまな取り組みを行っています。例えば、認知症カフェは、現在、市内15カ所で運営されています。また、いきいき百歳体操は、後期高齢者を中心に137団体、3,128人が参加されています。それぞれ、関係者の皆さんで高齢者の支援、見守りなどを行っていただいています。そのほか、初期集中支援チームによる介入支援、SOSネットワークの登録など、さまざまな角度から認知症施策に取り組んでいます。 お伺いします。10月の決算特別委員会総括質疑でも触れましたが、認知症施策について、それぞれの取り組みの現状と課題について改めてお聞かせください。 SOSネットワークの取り組みについては、10月にもお聞きしましたが、答弁では、これまで全員無事に発見されているとのことでした。市と警察、また、市内約150カ所の協力機関やご協力いただいた市民に感謝申し上げたいと思います。 健康福祉委員会で、東京都板橋区へ高齢者支援の取り組みの視察に行きました。介護の支援の取り組みや元気力アップのためのさまざまな取り組みをお聞きしてきました。 その中の一つに、徘回する認知症の人のためのキーホルダーの配布事業というものがありました。これは、本市で配布しているヘルプキットの携帯版のようなもので、本市の場合は、携帯タイプではなく、自宅に黄色の筒を保管しています。そこには、名前や連絡先、服薬している薬の情報などが記されており、緊急時に駆けつけた救急隊員が対応しやすくするための取り組みです。また、全国的にはキーホルダーに限らず、GPS機能を備えたものを認知症の人が携帯することにより、発見しやすくするための取り組みもあります。本市は、このGPS機能のついたものという観点では、ポケベルサイズのものをお貸ししています。初期費用は市の負担ですが、その後は月々500円が自己負担となっています。 お伺いします。本市では、SOSネットワークの取り組みの中で、現在、480人の方が登録されており、さらなる登録を推進していますが、板橋区のキーホルダーで、名前と住所、連絡先がわかるものと、本市のGPS機能のついたポケベルタイプのものを組み合わせて、GPS機能のついたキーホルダーをお渡しするという取り組みを行ってみてはいかがでしょうか。ご見解をお聞かせください。 次に、決してあってはならないことですが、認知症の人が外出先で事故に巻き込まれたときの対応についてです。 被害者になる場合も、加害者になる場合も、両方あると思いますが、万一の事故に備えて個人賠償責任保険などについて、私は10月の決算特別委員会総括質疑で、現在どのように進めているのかお聞きしました。 個人賠償責任保険について簡単に説明しますが、各自治体が加入する民間保険で、買い物中に商品を壊した、自転車で通行人にけがをさせたなどの事故で、本人や家族が賠償責任を負ったときに保障されます。認知症に関する民間保険には、診断されると保険金が出る認知症保険がありますが、これとは異なります。 私は、10月の質疑の後、本年4月から6回開催されたという認知症施策推進会議の議事録も読ませていただきました。議事録では、神戸市の制度を参考にしつつ、保険とは別に見舞金、給付金という仕組みとの区別。火事、犯罪、事故、災害の違いがわかりにくい、故意と過失、重過失の判断は誰がするのか、自動車保険との重複、自転車のときはどうするのか、花瓶を壊した、インターホンを壊したなど、細かいことから複雑なことまで熱心に議論されていました。現場のヘルパーさんのご苦労などについても報告がされていました。一言で認知症の人のための個人賠償責任保険といっても、その導入には多くの課題があることはよくわかりました。 ただ、全国的にも民間保険を使った事故救済制度を導入する自治体がふえてきています。11月18日の新聞報道によれば、少なくとも39の市区町村が既にこうした制度を導入しているということです。近隣では、先ほど触れましたが神戸市が導入しています。今後、さらに実施自治体はふえていくだろうとも予測されています。 お伺いします。個人賠償責任保険の導入については、多くの課題があるかもしれませんが、積極的に前進させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。御見解をお聞かせください。 また、前向きに進めていただくとしたら、具体的にどのような内容で進めていくのでしょうか。また、後ろ向きな検討なら、現時点での導入への一番の課題は何でしょうか。お聞かせください。 推進会議の議事録では、高齢者や認知症の人たちに優しい取り組みをすることにより、尼崎はもっと住みやすいまちと感じてもらえるのではないかとも書かれていました。このような視点で、もっと住みやすいまちと表現された議事録を読み、改めて私もそのとおりだなと感じました。 昨年、関西で住みやすいまち1位となりましたが、それは交通の便がよく、大阪、神戸にも行きやすいとか、物価が安いとか、人情味があるとか、公害のまちから環境モデル都市になったとかの理由であったと思いますが、推進会議の議事録では、住みやすいまちから、もっと住みやすいまちと感じてもらうためには、認知症の人たちに優しい取り組みをすることではないかと書かれていました。 お伺いします。市長も、昨年後半から今年にかけて、さまざまな行事の御挨拶で、尼崎は住みやすいまち関西1位ということを何度も言われていたと思いますが、もっと住みやすいまちにするために、高齢者や認知症の人たちに優しい取り組みをすることが大事ではないかという御意見に対し、どのような感想を持たれますでしょうか。率直な御感想をお聞かせください。 75歳以上になると、4人に1人が認知症になるおそれがあるとも言われています。これまでも、一生懸命取り組んでいただいていますが、高齢化が進む中、本市でも高齢者への支援にますます力を入れていかなければいけないと思います。ファミリー世帯の定住・転入、子育て支援や待機児童対策なども当然大事ですが、それとともに高齢者支援にも同じように力を入れていただいて、尼崎がもっと住みやすいまちになるように取り組んでいただくようにお願いいたします。 これで1問目を終了します。(拍手) ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 足田健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(足田剛志君) 認知症に関する御質問に順次お答えいたします。 まず、認知症施策について、取り組みの現状と課題は何かとの御質問でございます。 認知症についての理解の促進や早期発見、早期対応については、地域包括支援センターや認知症初期集中支援チーム、そして、医師会等との連携によるあまつなぎの設置などにより進捗しているものと考えています。 一方、認知症介護者の負担軽減や支援については、一層取り組みを進めていく必要があるものと考えています。まず、認知症カフェについては、地域包括支援センターや医療機関などにより、市内15カ所で月1回程度開催していただいております。現在、認知症カフェのさらなる拡大に向けて取り組んでいるところでございますが、認知症施策推進会議におきまして、認知症の人やその家族が、楽しい、役に立つ、また来たいと思えるような工夫を強化すべきではないかとの御意見をいただいているところでございます。 また、認知症サポーター養成講座につきましては、既に2万1,000人以上の方に受講していただいており、認知症に対する知識やさまざまな取り組みの周知は進んでいると考えておりますが、受講した人の中で、もっと認知症の人への対応を学び、地域の場でかかわりたいとの意欲を持った人のステップアップが課題だと考えております。 いずれにいたしましても、高齢化が進み認知症の人が増加していく中、認知症の人とその家族を支援する取り組みを含め、認知症施策を着実に効果的に進めていく必要があると考えております。 次に、認知症SOSネットワークの取り組みの中で、GPS機能つきのキーホルダーを渡すといった取り組みを行ってみてはどうかとの御質問でございます。 本市では、認知症の方の御家族への支援策の一つとしてGPS機器の貸与を行い、現在、37名の方が利用されています。まずは、現在貸与しているポケベルサイズのGPS機器にお名前や連絡先などを記載したシールを張ることなど、運用面での工夫について検討していきたいと考えております。 次に、認知症の人向けの個人賠償責任保険の導入について、積極的に前進させてほしいと思うがどうか、また、具体的にはどのような内容で進めていくのかとの御質問でございます。 認知症の人の事故については、本人が被害者になった場合は、加害者からの賠償や医療保険など現行の制度の中でも一定の補償がなされるものと考えられますが、認知症の人が加害者となった場合の仕組みは十分ではないと考えております。そのため、認知症の人が万一の事故で賠償責任を負うことへの不安から閉じこもりがちになり、また、その家族も閉じ込めざるを得ないと感じて、その結果、認知症の症状の進行やQOL・生活の質の低下など、さらに状態の悪化につながる場合があります。 こうしたことから、認知症の人が引きこもらずに活動できる、また、日常生活を住みなれた地域で安心して送ることができるように、個人賠償責任保険の導入により、認知症の人が外出する際に、特に御家族の方が少しでも不安を緩和できる環境を整えてまいりたいと考えております。 また、これにあわせて認知症の人が気楽に参加できる地域の集い場への支援の充実や、そのような集い場で活動する人を初め、認知症の人とかかわる家族、地域住民、専門職、それぞれの支援する力を高めるなど、社会全体で認知症の人を支える取り組みを総合的に進めてまいりたいと考えております。 最後に、もっと住みやすいまちにするために、高齢者や認知症の人たちに優しい取り組みをすることが大事という意見に対してどのような感想を持っているのかとの御質問でございます。 超高齢社会の中、本市をもっと住みやすいまちにするためには、これまで以上に高齢者が尊厳を持ちながら安心して多様な暮らし方を選択できる地域社会を構築していく必要があります。そのためには、行政だけでなく、御本人や御家族、地域の皆様を初め、医療や介護などの専門職や事業者などが、相互に理解を深めながらしっかりと連携して取り組んでいくことが大切だと考えております。 お尋ねのもっと住みやすいまちの実現に向けて、一人一人の不安や心配に寄り添いながら認知症の発症を少しでもおくらせるとともに、認知症になったとしても希望を持って日常生活を過ごせるよう、予防と共生を基本に施策を進めてまいります。 ○副議長(岸田光広議員) 土岐良二議員。   (土岐良二議員 登壇) ◆26番(土岐良二議員) 御答弁いただきまして、平成28年と平成30年、またことしの10月のことを言いましたけれども私、それ以前からも高齢者の支援、また認知症施策、私だけではなく公明党会派で全体として、高齢者支援、認知症施策を推進というのを行っておりまして、個人賠償責任保険の導入につきましてもしっかりと前に進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 では、2問目に入らせていただきます。 防犯体制について、特に本庁舎の防犯体制についてをお聞きします。 11月6日午後3時、市役所南館1階玄関で、男が灯油のような液体をまき、新聞紙に火をつけて逃走するという事件が発生しました。火は職員が消しとめ、けが人はなく、逃げた男も市内で発見され、現住建造物等放火未遂の疑いで逮捕されました。消火活動をされた職員、男の対応をした職員の方には、心から感謝申し上げたいと思います。事件の詳細については、新聞等でも報道されていますので、詳しくは触れませんが、改めて防犯体制の強化が必要ではないかと強く感じました。 現在、本庁舎には警察OBの方が、税務管理課、国保年金課など、7カ所に合計12人が勤務されています。本庁舎以外では、南北の保健福祉センターにそれぞれ3人ずつ勤務されており、総合計では18人が勤務されています。また、警察OBとは別に警備員の方も常勤で3人勤務されています。 また、非常時通報マニュアルについては、税務管理部で、非常事態前から非常事態発生、そして非常事態後というタイムテーブル的な形で、それぞれのタイミングに応じた対応が記されています。 お伺いします。警察OBの方の勤務体制は、現在どのようになっているのでしょうか。巡回による不審者に対する警戒や窓口対応での声かけなど、これまでどのように取り組んできたのでしょうか、お聞かせください。 11月の事件以前の実績で何か特別な事例などがあれば、あわせてそれもお聞かせください。 現在の体制で十分な対応が可能なのでしょうか。職員の側は丁寧な対応をする。しかし、大声を出す人、乱暴な態度をとる人、中には武器になるようなものを所持している人などもいると思います。そのような人に対応するための体制、また、対応している職員を守るための体制も必要であると思います。さらなる警察OBによる防犯体制の強化をしていく必要があると思いますが、今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせください。 体制の強化という観点では、やはり、防犯カメラの設置が大きな抑止力の一つになるのではないかと思います。テレビの報道などでも、交通事故や殺人事件について、防犯カメラの映像によるとという形でよく報道をされています。ただ、設置すればよいというわけではなく、それを広く市民、市内にお知らせしなければ意味がないかもしれません。 現在、本庁舎には、防犯カメラが南館の1階に2台、2階に2台、そして、北館1階に1台、北館西側の自転車置き場に1台の合計6台設置されています。さらに、4カ所のエレベーターにそれぞれ1台ずつ設置されており、全部で10台設置されています。11月の事件が発生するまで、私自身、どこに何台設置されているのか知りませんでした。 お伺いします。本庁舎の防犯カメラについて、それぞれかなり古くなっているようにもお聞きしていますが、新しいものへの取りかえや、さらなる増設を検討してみてはいかがでしょうか。ご見解をお聞かせください。 また、それを広く市民へお知らせすることも必要ではないかと思います。例えば、防犯強化月間のような期間を市独自で設けて、その期間中に本庁舎の5カ所の出入り口に、それぞれのぼりを10本以上ぐらい立てて、防犯カメラ作動中など、その存在をアピールしてみてはいかがでしょうか。御見解をお聞かせください。 それともう一点、非常事態が発生してしまった後の対応についてです。特に耳の不自由の方のための取り組みについて。これは、防犯だけに限らず、防災や日常生活の中でも課題になるかもしれませんが、非常事態にはサイレンなどでのお知らせが市民には届きます。耳の不自由な方には、このサイレンが聞こえません。お知らせが届かないということです。 11月の事件のときは、職員の素早い対応で、サイレンでのお知らせもなく、けが人もありませんでしたが、万が一、健常者は全員が逃げることができたが耳の不自由な方は逃げおくれたということがあってはならないと思います。 お伺いします。耳の不自由な方のために、早急に緊急事態をお知らせできるような仕組みをつくるべきだと思いますが、いかがでしょうか。例えば、パトライトを設置するというのはいかがでしょうか。音でのお知らせ以外は、なかなか事例もないようですし、それを市民へ周知することも難しいかもしれませんが、何か方法を考えなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。ご見解をお聞かせください。 以上で、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 警察OBの嘱託員に関する御質問に対し、順次お答えいたします。 まず、警察OBの嘱託員についての勤務体制はどのようになっており、不審者に対する警戒や窓口対応の際にどのように取り組んできたのか、また、11月の事件以前に特別な事例があるのかとの御質問でございます。 警察官としての勤務経験のある職員、いわゆる警察OBにつきましては、警察官として培ってきた知識や経験を本市公務に助力していただくことを目的として配置しているもので、基本的には週当たり30時間を勤務時間とする嘱託員として任用しております。こういった警察OBの職員は、市として窓口における不当要求行為などのトラブルがあった際に、警察官としての知識や経験を生かして、それを制止することや、警察への情報提供を行うなどの有事対応に係ります取り組みを行っております。 御質問の11月の事件以前に特筆するような事例などはございませんが、これまでも、先ほど述べました有事対応を基本として業務に従事していただいているところでございます。 次に、現在の警察OBの嘱託員の配置体制で、大声を出す人や乱暴な態度をとる人などに対応するための対応は十分に可能なのか、さらなる防犯体制の強化をしていく必要があると思うが、今後どのように取り組んでいくのかとの御質問でございます。 これまでも、窓口おける不当要求行為が発生する可能性が類型的に高いと判断される部門につきましては、警察官としての勤務経験のある職員、いわゆる警察OBの配置に努めておりますことから、御質問にあるような大声を出す人や乱暴な態度をとる人などの対応は、一定程度はできているものと考えております。 こうした中で、本庁舎において11月に発生した事件を踏まえ、主に窓口を運営する部門の職員を対象に、現職警察官を講師とした放火事件と同様の想定に基づく訓練等を内容とする防犯研修会の実施を予定しています。 今後につきましても、さらなる防犯体制の強化に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(岸田光広議員) 御崎資産統括局長。 ◎資産統括局長(御崎成亮君) 土岐議員の本庁舎の防犯体制の強化に係るお尋ねに順次お答え申し上げます。 最初に、本庁舎の防犯カメラについて、新しいものへの取りかえや、さらなる増設を検討してはどうかというお尋ねです。 本庁舎の防犯カメラは、現在、南館や北館の市民窓口のフロアに5台、エレベーター内に4台、地下公用車出入り口に1台の合計10台を設置しておりますが、今回の放火未遂事件を踏まえ、証拠撮影や犯罪抑止の効果が期待できますことから、今後、来庁者や従事職員の安全確保の観点から、庁舎出入り口等の必要な場所への防犯カメラの増設について検討してまいりたいと考えております。 次に、防犯強化月間のような期間を市独自に設け、防犯カメラ作動中など、存在をアピールしてはどうかというお尋ねです。 本庁舎の出入り口等に防犯カメラの設置を明示することは、犯罪の抑止効果が期待できますことから、防犯カメラ作動中といったプレートを本庁舎5カ所の出入り口へ表示を行うべく、その準備を進めているところでございます。 最後に、耳の不自由な方のために、パトライトなど緊急事態をお知らせできる仕組みを早急につくるべきではないかというお尋ねです。 聴覚障害者の皆様の避難に配慮した手段といたしましては、点滅機能を有する誘導灯があり、既に生涯学習プラザなど、本市の一部の施設において導入しているところでございます。 お尋ねの光により火災の発生を伝える光警報装置につきましては、他市においても導入事例は少なく、今後、国や県などの動向を注視してまいりますが、まずは、災害発生時には、本庁舎の消防計画に基づき、自営消防隊として直接、職員が来庁の市民の皆様に火災発生をお知らせし、避難誘導することを基本といたします。 なお、今後、消防訓練に聴覚障害者の方を避難誘導することも想定した訓練内容を取り入れることなども検討してまいりたいと考えております。 ○副議長(岸田光広議員) 土岐良二議員の質問は終わりました。 続いて発言を許します。 西藤彰子議員。   (西藤彰子議員 登壇) ◆3番(西藤彰子議員) 維新の会の西藤彰子でございます。本定例会におきまして、質問の機会を与えていただきましたこと、感謝申し上げます。 午前中の前迫議員とかぶる質問もありますが、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間のご清聴をお願いいたします。 質問の前に、ある陳情を先々週の金曜日に受けまして、夕方に担当課へ報告に行きました。公園維持課の方なんですが、その状況が暗くならないとわからないということで、日曜日の夜にもかかわらず対応してくださいました。そしてまた、別件で週明けに私どもも現地調査に行ったんですが、そこにも偶然にその担当の方が確認に来られていました。市民のためにこんなに親身になってくださる職員の方の早急な対応に、本当に感激いたしました。本当にありがとうございました。 では、本題に入ります。 私が継続している質問の大阪・関西万博とIRと本市南部臨海地域の活性化について、そして、旧尼崎市産業郷土会館と大物公園について、2問を質問いたします。 会派の安浪議員と私が一般質問で訴え続けてきたことが、2025年大阪・関西万博開催に向けて、兵庫県が2021年度に尼崎港に建設資材等を水上輸送で運ぶための岸壁を整備する方針を固めたと、11月1日の新聞、そしてニュース等で報道がありました。万博会場の夢洲は大阪湾に浮かぶ人工島で、島へ渡る陸路は夢舞大橋と夢咲トンネルしかなく、会場の建設工事が本格化すれば資材や作業員を運ぶトラックの往来がふえ、慢性的な渋滞が発生する可能性があります。夢洲と尼崎港はたった3キロ、舞洲と尼崎港は1.1キロの距離にあるので、海上輸送は陸と海路につながり、海路は作業員の通勤にも使える利点があります。尼崎港の整備は夢洲における万博施設の整備後も人流、物流の海上輸送ルートとして役立ち、また、もし夢洲にIRの誘致が決まれば、新たな雇用創出や地域経済の活性化などに波及し、さらなる相乗効果が生まれ、本市にとっても大きなチャンスです。5号湾岸線で5分、尼崎に車で来て船で行く、尼崎をストックヤードにしてパークアンドライド、交通アクセスの強化が不可欠です。 関西広域連合11月臨時会では、大阪府議会議員の上島一彦議員が、尼崎市との連携の質疑を連合長の井戸知事にされています。連合の構成、府県市や域内市町村で関連イベントの実施等、万博開催との相乗効果を図れば、本市経済の活性化にもつながります。2025年大阪・関西万博の成功と、その効果の関西全体への波及を実現するため、広域連合としても積極的に取り組む必要があることから、本年11月1日付で、吉村洋文大阪府知事を2025年大阪・関西万博担当委員に、松井一郎大阪市長及び西脇隆俊京都府知事を同副担当委員として、井戸連合会長は設置されました。 観光周遊、産業振興等の万博と関連した施策展開に連合の構成府県市が取り組み、2,800万人の来場が見込まれているため、本市の誘客につなげる絶好のチャンスです。尼崎港の公共岸壁も整備については今年度に調査設計に着手し、2021年度末の完成を目指して事業を推進しています。設備後における万博会場への会場アクセス手段としての活用については、日本国際博覧会協会や大阪府市とも意見交換しながら検討を進めてまいりたいとも、井戸県知事は答弁されています。本市中心部より南部臨海部のほうが、大阪市、特に南港との立地的見地から、両市より優良な住宅地、商業地として優位にあります。 先日、兵庫県、国土交通省、本市と5カ所に尼崎港及び尼崎市南部臨海地域の活性化にかかわるお願いの要望書を提出されている4団体の中の尼崎商工会議所と尼崎西宮港運協会の方と意見交換をいたしました。港づくりは、まちづくりだと思っていると稲村市長にお伝えすると、稲村市長もよい話だとおっしゃられたと聞きましたが、県が前向きなのに対して、本市は前向きでないように感じられます。これまでも言い続けておりますが、万博が開催される夢洲と本市は距離にしてわずかの好立地です。市長は、会場アクセスを活用した南部臨海地域活性化のチャンスをつかみに行かれていないように感じます。 前回、9月の一般質問でも旧神戸製鋼所桟橋を利用して、観光客を万博会場の夢洲地区へ海上輸送することについて質問をいたしました。答弁では、県に働きかけを行ってまいりたいとおっしゃられましたが、その後の進捗状況を教えてください。 2点目に今回取り上げますのは、市民の方から強く要望されている旧尼崎市立産業郷土会館と大物公園について質問をいたします。 阪神電鉄大物駅から徒歩5分と好立地の場所にあった産業郷土会館は、突如、社会福祉協議会への移管の話が持ち上がり、平成15年の9月と12月議会で審議されています。パブリックコメントでも、継続の声が多く、議会での議論でも移管についての肯定的な意見は余り聞かれず、存続して活動内容を充実すべきとの意見が多く提案されていました。 平成16年に現在の尼崎市社協会館に用途変更されましたが、施工年度が昭和45年、約50年の建物で施設の老朽化もあり、令和3年度に旧尼崎口腔衛生センターへ整備工事後解体されると聞いています。公共施設マネジメント計画の取り組みにおいても、建物の解体設計予算は来年度の予算に上げられるとのことですが、解体後の跡地利活用、また計画は未定です。 本市は、日本の高度経済成長期に全国から労働者が集い、地方と尼崎を結ぶかなめとして産業郷土会館は、各県人会の集会所が欲しいとの要請で昭和45年に大物公園に隣接して建設されました。鹿児島県奄美出身者が多く居住しておられ、各郷土出身者の交流の場や活動拠点が必要であると、その当時の北和子議員が平成10年6月定例会で質問され、当時の西村市民局長が、尼崎市立産業郷土会館のあり方について、郷土愛の高揚や芸術の育成を通してより一層多くの人が集い、交流により、まちににぎわいが生まれ、快適に働く環境が醸成されると考えていますと答弁されています。 このように、多文化交流の場や文化振興の拠点として必要とされているのではないでしょうか。このように素晴らしい理念を持った尼崎市産業郷土会館の名前はもうありませんが、ふるさと交流の会館として、機能を持つ後継施設の建設について、どのように考えておられますか。 以上で1問目を終わります。2問目からは一問一答にて行います。(拍手) ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 田尻都市整備局長。 ◎都市整備局長(田尻和行君) 大阪・関西万博、IR誘致時の観光客を旧神戸製鋼所桟橋を利用して夢洲地区へ海上輸送することについての進捗状況はどうかとの御質問にお答えをさせていただきます。 御質問の旧神戸製鋼所桟橋を利用した、大阪・関西万博やIR誘致時の観光客の海上輸送につきましては、午前中の前迫議員の御質問にもお答えしたとおり、県を事務局とした桟橋の利活用検討会が本年10月に発足され、本市もそのメンバーとして参画し、短期的、長期的な面から、桟橋の有効な利活用について検討を進めているところでございます。 ○副議長(岸田光広議員) 土元経済環境局長。 ◎経済環境局長(土元英樹君) 尼崎市立産業郷土会館の名前はもうないが、ふるさと交流会館としての機能を持つ後継施設の建設についてはどのように考えているのかとの御質問にお答えをいたします。 旧尼崎市立産業郷土会館につきましては、当初の設立目的のうち、産業振興の拠点や労働力の確保を図ることについて目的を達成したため、平成15年度末をもって、その機能を廃止したものでございます。 残る、郷土愛の効用の目的につきましては、社協会館に引き継がれており、現在、県人会と協議しながら、今度の活動の場について検討しているところでございますが、後継施設を新たに建設する考えはございません。 ○副議長(岸田光広議員) 西藤彰子議員。   (西藤彰子議員 質問席へ移動) ◆3番(西藤彰子議員) では、続きまして、次の質問に移ります。 今、皆様にお配りしているこちらの資料の1ページのほうをごらんください。 平成6年9月に天然ガス化により、大阪ガス旧尼崎工場の巨大な円筒型のガスホルダーは、国道2号の1本北側にある生活道路に面して、阪神尼崎駅から北に250メートルの場所にあり、取り壊されました。当時から、周囲には現在と余りかわりなく、商業ビルや住宅が共存していました。生活道路を1本隔てて、用途区域は変更できる可能性があるエリアと考えられます。 当局が、南部臨海再開発について阪神線以南については古くから工業専用区域に指定しているため、住宅誘導はしませんと言っておられますが、南部臨海再開発は、本市並びに市民受益の観点から大変重要な事項ですから、行政のみで判断するのではなく、市民に広く意見を募って本市の将来に有意義なものは再検討してみるのも重要と考えられますが、いかがお考えでしょうか。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 田尻都市整備局長。 ◎都市整備局長(田尻和行君) 南部臨海地域は事業所等の良好な操業環境の保全を目指すため、都市計画として工業専用地域に位置づけているだけでなく、住宅誘導につきましては、今後のさらなる人口減少や超高齢化社会への対応を見据えた持続可能なまちづくりを目指す必要があるため、都市基盤などの既存ストックの活用を基本としていることから、尼崎市立地適正化計画において南部臨海地域を居住誘導区域には含めておりません。 実際、南部臨海地域につきましては、阪神高速5号湾岸線の開通や臨海部における都市計画道路尼崎宝塚線の拡幅事業の完了、臨海西部土地区画整理事業に伴う新たな土地利用の進展などにより、運輸、流通施設の立地が進み物流の拠点にもなっているところであり、今後とも、本市の経済的発展を力強く支える重要な地域であると考えております。 御質問の市民意見の聴取につきましては、本市の都市計画マスタープランや立地適正化計画の策定時においても、市民から意見聴取を行うとともに、市民や事業者、それぞれにアンケートを実施し、それらも参考にまちづくりの方針を定めております。 今後につきましても、現在、県において改訂作業中であります長期的視野に立った地域における都市計画の方向性を示す阪神間都市計画区域マスタープランの中で、市民等から広く意見を聞いてまいりたいと考えております。 ○副議長(岸田光広議員) 西藤彰子議員。 ◆3番(西藤彰子議員) 予想どおりの答弁というか、ちょっと、提案を今回もさせていただきたいと思います。 都市計画で定められた容積率のうち、未使用部分をほかの土地に移転する権利、空中権の移転制度というものがあります。2000年の法改正によって容積率の売買が可能となり、JR東日本の東京駅丸の内駅舎は、空中権を利用したことで話題になった建物です。この制度を生かして、東京駅周辺は特例容積率適用区域に認定された丸の内駅舎で、余った容積率を三菱地所が開発した丸ビルや東京ビルへ売却、丸の内駅舎の建てかえの原資に充てられました。余った容積率はJR東日本が東京駅の反対側、八重洲口で開発した高層ビル、グラントウキョウノースタワー、サウスタワーにも移転され、この2つのビルは、JR東日本の投資分だけで1,290億円、共同事業者分も含めた総投資額は1,400億円をかけ、それぞれ43階、42階の高層ビルが誕生しました。近隣に、建築計画があった新丸の内ビルディングは、容積率は30階建までしか建てられませんでしたが、38階建てにできました。 制限の一部解除などを検討すれば、東京駅、容積率売却と、空中権転売を例に、南部臨海の再開発が可能だと思います。企業にメリットがあると判断すれば、容積率が有利となり、高い建物が建てられない低層階に物理移転や、工場、その上にマンション住居の建設が可能なはずです。企業、工場の上に公開緑地を中央にとって、その両端に2棟のマンションを建設することができます。万が一、県が出しているレベル2の津波、水位4メートルの津波が来たとしても、マンション部分に被害をこうむるリスクは低いと考えられます。住まいを構えるとなると、インフラ整備に莫大な資金が必要ですが、企業にとって必要と思えば、下水や電気への整備は民間が行うはずです。 ここで心配な点があります。工場、倉庫の音の問題です。オフィスで大きな音に対応できるサウンドマスキングシステムというものがあるんですが、空調音のような背景音をわざと部屋に流すことで、隣室からの音漏れや遠くからの小さな音を聞こえなくして、オフィスのスピーチプライバシーの改善やオフィス内のセキュリティ向上、雑音による生産性の阻害を防ぐことができていて、出力を大きくすれば、ほとんどの雑音に対応できると思います。 工場は生産コストの収支コストが合わなくなれば、撤去移転します。国内主要企業の多くは、三、四十年前に国内生産から中国へ生産拠点を移して、今や中国からベトナム、インドネシアを初め東南アジア各国へ移転しています。現在、日本も人件費もさらに高くなり、海外へまた移転する可能性があります。来年には、5Gの時代。既に雇用面接もAIが評価している企業もあり、今後、量産は機械が行うことになるでしょう。 一方で、最近、大手日本企業が工場を国内回帰させているとも聞きました。新興国の所得の上昇によって、手の届かなかった高価格のメイドインジャパンの商品を求める消費者がふえている。生産拠点が消費市場に変わってきたこと、賃金水準の低さから海外に生産拠点を移してきたが、国内で生産を行いコスト削減を掲げたほうが有利と考えられる部分が上げられています。 万博誘致で大阪の土地が高騰し、市場が活性化し、工場地を売却して工場地帯へ移転していく需要もあります。本市が、南部臨海地域には住居はつくらない方向なら、今後さらに埋立地をつくっていくのか、燃料基地や大型船の停泊料が収入となるようにハブ港としていくのか、専門的な工業地帯なのか、どこを目指しているのか、今後、南部臨海地域のまちづくりをどのように考えておられるのか、お聞かせください。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 田尻都市整備局長。 ◎都市整備局長(田尻和行君) 先ほども御答弁いたしましたとおり、南部臨海地域は、工業地であるとともに、運輸・流通施設の立地が進み、物流の拠点にもなっているところであり、今後とも、本市の経済的発展を力強く支える重要な地域であると考えております。 加えて、本市の都市計画マスタープランだけでなく、県も尼崎西宮芦屋港港湾計画においても、埠頭など、海や運河を利用した港の機能と一体となった土地利用を図るため、工業用地等に位置づけられております。 こうしたことから、南部臨海地域につきましては、新たな埋め立て計画により土地をつくり出すのではなく、今後とも事業所等の良好な操業環境の保全を目指し、道路ネットワークや地域防災機能の強化などにも取り組んでいくことに加え、まちの魅力の向上に向けた取り組みについて、県を初め関係者の皆様と連携しながら進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(岸田光広議員) 西藤彰子議員。 ◆3番(西藤彰子議員) フェニックス計画にかかわり、譲渡や事業の定着の契約事項に制約を幾つか定められておられますけれども、地権者と協議の上、違法性がなくて双方に利益がつながるなら契約の一部解除など検討され、県に要望されたらどうかとは思います。また、製造業は生産コストの収支が合わなくなれば撤退しますので、誘致と撤退が繰り返されるということが、その点が心配です。 そして、東京駅の容積率の売却と空中権の転売を例に、本市南部臨海地域の開発も、市民受益を考えて検討の必要があると思います。 では、1問目に続きまして、2問目の質問にいきます。 旧尼崎市立産業郷土会館と大物公園についてお伺いいたしますが、配付していますこちらの資料2をごらんください。 昭和45年に大物公園の再整備を行ったときに、全国県人会の願いもあって、産業郷土会館の前の公園内に日本列島をかたどった植樹帯をつくり、各県人会の要望する樹木を植樹して、日本列島を演出しました。グーグルの空中写真で確認できます。昭和46年3月に築造工事が完成した郷土の思い入れがある公園です。尼崎市が出郷者を大切に思い、尼崎市各県人会連合会を設立。産業郷土会館としての建設でした。 ただ、残念なことに、次の資料の3と4をごらんください。 このように、案内パネルはぼろぼろになっています。そして、どの木が何県なのかという表示もなく、これだけ素晴らしい公園なので有効活用ができるのではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 田尻都市整備局長。 ◎都市整備局長(田尻和行君) 大物公園の日本列島の案内パネルにつきましては、御指摘のとおり、破損し、見ばえも悪い状態でございますので、整備当時の経緯等も案内できるような形で早急に補修方法を検討し、対応します。 ○副議長(岸田光広議員) 西藤彰子議員。 ◆3番(西藤彰子議員) 続きまして、兵庫県出身の力士、貴景勝さんなんですが、尼崎市にある土俵、サンシビックでけいこされていたと、紹介した記事を見ました。春場所を前に、がんばれ会を本市でも開催されています。また、2020年東京オリンピックマラソン代表に選ばれた前田穂南選手、ジュネーブ国際音楽コンクール作曲部門で優勝された高木日向子さんのお二人は、ともに尼崎市園田地区の方です。 このように、尼崎市ゆかりのスポーツ、文化の分野で活躍されている方も多いわけですから、例えば、子ども相撲と連携させて、尼崎市にふさわしい土俵を尼崎の森中央緑地につくることにより、南部臨海地域活性化を図れるのではないかと思いますが、そのようなお考えはないのでしょうか。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 田尻都市整備局長。 ◎都市整備局長(田尻和行君) 県立公園であります尼崎の森中央緑地は、市民、事業者、学識経験者、県、市をメンバーとした尼崎の森中央緑地整備計画検討委員会での検討を踏まえ、平成27年3月に尼崎の森中央緑地整備計画が策定されました。その計画に基づき、気軽に森の中に入り森に親しみを感じることができるよう、景観的に親しみある明るい森づくりを目指し、令和10年度完成に向けて整備を行っておるところでございます。 御提案にある土俵をつくることはございませんが、大芝生広場を音楽会、スポーツ、マルシェ等、さまざまな利用が可能な森と海の広場と位置づけており、尼崎モリンピックという市民運動会や森の文化祭等を開催しております。 今後も、これらのイベントを初めさまざまなイベントを実施することで、南部臨海地域の活性化に努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(岸田光広議員) 西藤彰子議員。 ◆3番(西藤彰子議員) まだ、平成27年度からその後の進みぐあいとかお聞きしたんですが、まだ、それ以上のことはわからないみたいなことをちょっとお聞きしたので、今後いろいろと進めていっていただきたいと思います。 令和の時代となりまして、万葉集を注釈した僧侶で国学者の契沖の誕生の比定地の碑が、尼崎城の南側の中央図書館の脇にあります。本市にゆかりある契沖の契沖音頭や契沖唱歌もあって、踊りの振りつけもつくられて愛されています。 3月に阪神尼崎駅前広場で開催された徳之島祭りでは、2日間の開催で来場者は約2万人も集まり、同日に同窓会も行われて、市内に多くの方が宿泊されています。万博とあわせて、契沖にゆかりある尼崎城、そして大物公園も歩いていけると思いますし、南部臨海地域をもっとPRして、クローズアップされて周遊できる観光づくりを考えていただきたいと要望いたしまして、私の全ての一般質問を終了いたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(岸田光広議員) 西藤彰子議員の質問は終わりました。西藤彰子議員は自席にお戻りください。 続いて発言を許します。 真崎一子議員。   (真崎一子議員 登壇) ◆30番(真崎一子議員) 日本共産党議員団の真崎一子です。 まず最初に、尼崎市総合治水対策の一つである武庫分区雨水貯留管の取り組みについて。 近年多発している集中豪雨に対して、尼崎市下水道部では、計画降雨水準を6年確率から10年確率に引き上げることを下水道中期ビジョンに定め、武庫分区の取り組みとして、河川放流の不可能な地域において、浸水対策とされる雨水貯留管を2015年から整備に向けた取り組みを進めています。2018年度は、その工事着手に向けて、工事場所周辺住民への説明等が行われました。しかし、理解が深められず、予算の減額補正を行いました。 今年度は、寄せられた、長期間にわたり生活道路に面した街区公園での工事に反対をするという意見を踏まえて、新たな立て坑用地、新たな工事工法案を作成し、取り組みを進めているところです。 下水道部建設課では、これまでの6年確率時間46.8ミリの想定から、10年確率時間51.7ミリの想定に変え、その内水対策として、雨水貯留管の整備をしようとしています。 今回、発進立て坑の用地の候補となった1、県立武庫荘総合高校のグラウンドの一部、2、西武庫公園駐車場の駐車場部分、3、休日夜間急病診療所移転後の敷地の3カ所を挙げ、それぞれの周辺住民への対話集会を6回、全体会を2回開催しました。 私は地元である総合高校と西武庫公園周辺の対話集会に参加をしました。地元として、毎日使う場所、生活道路が長期間危険、不便にさらされることへの不安。そもそも、雨水貯留管の工事で100億円かけて2万トンためる必要があるのか、総合治水という考えがある、これを的確に進めることでゲリラ雨の対応はできるのではないかという疑問の声が上がりました。 私は、対話集会は会を重ねるごとに、当局と市民との間の溝が深くなっていったように思いました。 質問します。 住民の疑問に答えようとしない雨水貯留管ありきの態度では、今後どのようにして住民の理解と合意を求めていくのですか。 次に、水害対策についてです。 資料1をごらんください。 兵庫県のCGハザードマップ(地域の風水害対策情報)によると、県下で洪水の危険性は尼崎市全体と西宮市の一部となっています。その理由は、尼崎市は海抜が低い地域が多くまち面積が狭いのに、東は猪名川・藻川に、西は、武庫川の下流に囲まれ、真ん中に庄下川があること、まち全体が住宅が密集しており、内水、外水被害が同時に起こり得る可能性が高いことだと思います。兵庫県は、護岸工事や川床の掘削工事を急ピッチで行っているにもかかわらず、CGハザードマップでは、尼崎市の危険性を明確に示しています。 ことしの10月に関東甲信越、東北地方で、台風第19号の襲来により長い時間にわたって激しい雨が降り続けました。千曲川や多摩川、阿武隈川など大きな河川を含め氾濫が発生し、甚大な被害があったのは皆さんも御存じのとおりです。また、豪雨で川の堤防の決壊が発生したのは、7つの県、合わせて71河川、140カ所となりました。 質問します。 台風第19号級の豪雨が尼崎市を直撃した場合、武庫川、藻川、庄下川が同時に氾濫する可能性と対策についてはどのようにお考えですか。見解をお示しください。 次に、公共施設マネジメント計画、(仮称)健康ふれあい体育館についてです。 第1次尼崎市公共施設マネジメント計画(方針1:圧縮と再編の取組)の今後の具体的な取り組みについて、西武庫公園内、旧大庄西中学校跡地に生きがい健康づくりの支援、介護予防機能を備えた複合機能を有する体育館を整備し、体育館と老人福祉センターの実施事業を組み合わせるなど、新たな事業の展開を図ると示しています。今回は、老人福祉センターに特化してお聞きしたいと思います。 10月に各老人福祉センターと体育館の利用者に2回ずつ、計8回のタウンミーティングが開催されました。説明会という形ではなく、参加者全員が発言できたこと、市民の意見を聞こうという姿勢があったことはよかったと思います。利用者の声として、このままおけいこを続けたい、立地場所が遠い、お風呂の機能を残してしてほしいなどの要望が寄せられました。 質問します。 千代木園、福喜園の利用者の意見、要望について、どのように受けとめましたか。端的にお答えください。 これで、第1問目を終わります。第2問目からは一問一答で行います。(拍手) ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 有川公営企業管理者。 ◎公営企業管理者(有川康裕君) 雨水貯留管について、今後どのようにして住民の理解と合意を求めていくのかという御質問でございます。 雨水貯留管整備事業は、河川放流の増量が不可能な武庫分区において最も有効な浸水対策であり、また、総合治水対策において下水道が果たすべき役割として着実に推進する必要があると考えておりますことから、対話集会におきましても、これらの考え方を参加した方々へ重ねて御説明したところでございます。 今後におきましては、対話集会でいただきました御意見を踏まえ、有識者の意見も伺いながら、現計画案との比較を行い、今後の方向性を取りまとめるとともに、その方向性につきましては住民の皆様へもお知らせし、当該事業の理解が深まるよう努めてまいりたいと思っています。 ○副議長(岸田光広議員) 田尻都市整備局長。 ◎都市整備局長(田尻和行君) 台風第19号級の豪雨に対して、武庫川、藻川、庄下川が同時に氾濫する可能性と対策をどう考えているのかとの御質問でございます。 河川の護岸整備や河床掘削などのハード対策につきましては、各河川の整備計画に基づき、猪名川、藻川は国、武庫川は県、庄下川の上流域は市が、それぞれ整備を進めているところであります。 しかしながら、近年は気候変動が顕在化しており、想定を超える降雨、例えば本年、東日本に上陸した台風第19号級の豪雨が降った場合、本市においても災害が起きる可能性があることから、市民の避難行動を促すソフト対策にも力を入れなければならないと考えております。 ○副議長(岸田光広議員) 御崎資産統括局長。 ◎資産統括局長(御崎成亮君) 公共施設マネジメント計画に関連して、千代木園、福喜園の利用者の意見、要望についてどのように受けとめたのかというお尋ねにお答え申し上げます。 御質問のタウンミーティングにつきましては、御意見をより多く聴取できるよう、従来の説明会形式ではなく、市からの説明の後、小グループに分かれて各グループに職員を配置して聞き取りを行う形式で実施いたしました。その結果、全8回のタウンミーティングにおいて250人を超える参加者の方々から、約500件の御意見をいただき、これまでの公共施設マネジメントの説明会の中で、最も多くの御意見をいただくことができました。 いただきました内容といたしましては、既存事業の継続や、入浴機能の存続要望があった一方で、お風呂の維持管理に莫大な費用が必要なことや、各家庭にお風呂が普及していること等を踏まえ入浴機能の廃止に肯定的な御意見もございました。また、施設の整備場所、規模に関するものなどがございました。 こうしたことから、このたびのタウンミーティングにつきましては、本取り組みについての御理解をより深めることができた一方で、要望内容も多岐にわたるものであったことから、多くの検討課題について、改めて認識するとともに、タウンミーティングの結果といただいた御意見に対しての本市の考え方をお伝えしていく場を再度設けるべく、準備を進めてまいります。 ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員。   (真崎一子議員 質問席へ移動) ◆30番(真崎一子議員) 私は、今回、雨水貯留管の発進立て坑の候補地の対話集会に参加して、住民の方の意見を聞いてきました。その中には、西武庫公園周辺では、交通公園では困る、7年間も工事車両が1日30回、往復なら60回、バスの行き来も多い生活道路を通るのはとっても危険、高校の工事にしてくれというふうに言われていました。また、休日夜間急病診療所の周辺では、周辺の家が隣接している、ほこりや騒音・振動が心配、交通公園のほうでやってくれというふうに言われていました。総合高校では、グラウンドの使用について学校側はどのように言っているのか、教育の現場に工事現場を持ってきてもいいのかなどの意見が出されました。 候補地の堂々めぐりだったと、私は思いました。結局、市民の関心の薄い、声が上がらない場所に決めようとする狙いがあったのではないかなというふうに思っています。 質問します。 3つの候補地別に対話集会を開いた目的は何だったのでしょうか。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。有川公営企業管理者。 ◎公営企業管理者(有川康裕君) 対話集会を3つの候補地別に開催いたしましたのは、場所ごとに異なる状況があるということから、それぞれの候補地別で開催するほうが、それぞれの周辺住民の皆様から忌憚のない御意見を伺うことができ、より有意義な対話集会になると考えたからでございます。 ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員。 ◆30番(真崎一子議員) 対話集会の大半の意見というのは、本当にこの工事が必要なのか、100億円かけて6年確率と10年確率の差は、浸水量はわずか5ミリに対応するものです。浸水対策にはならないのではないかという内容が大半だったと思います。まさしく従前の城の越・鳥場公園周辺の皆さんと同じ意見でした。また、市からハザードマップを配られたこともあり住民の関心事は、武庫川が氾濫、決壊したらどうしたらいいのかということでした。しかし、そのことについては担当課が違う、武庫川の対策は県の管轄、堤防の工事をしている。そちらのほうで聞いてくれというものでした。 雨水貯留管は現在多発しているゲリラ豪雨等の内水氾濫に対応する2万トンの雨水をためるためのものです。しかし、この対策がバケツを引っくり返したような大雨が広範囲に長時間降り続ける、現在の気象状況を考えると、どれだけ貢献できるのだろうか大変疑問です。 質問します。 6年確率から10年確率のわずか5ミリの浸水を予防するためのものです。100億円かけてなぜたった2万トンの雨水貯留管なのですか。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 有川公営企業管理者。 ◎公営企業管理者(有川康裕君) 本市の下水道の雨水計画目標につきましては、6年確率降雨の46.8ミリパーアワーから国が目指します中長期的な目標で、10年確率降雨の51.7ミリパーアワーを計画いたしております。 10年確率降雨への対応を実現させるためには、武庫分区において既存の下水幹線では不足する雨水量を算出した結果が2万トンというふうになったものでございます。雨水貯留管の整備につきましては、立て坑が地下20メートル、内径が約3メートル、延長で約3キロを掘削し、工事期間は約7年間かかることから、それに要する経費を算出したところでございます。 ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員。 ◆30番(真崎一子議員) 共産党議員団は、雨水貯留管を全く否定するつもりはないんです。総合治水の有力な手段の一つだと思っています。でも、その2万トンというのが今のゲリラ豪雨にちゃんと対応するのかということが、やっぱり、今の気象状況にあっていないというふうに思っています。 お隣の伊丹市が金岡雨水幹線の貯留管を完成させたのは、2001年です。貯留管の直径は7メートル、長さは1キロ150メートルです。それで貯留容量は4万トンです。尼崎市は、長さ3キロで貯留容量は2万トンです。この差は一体は何なんでしょうか。どうせするのなら、もうちょっと多くの貯留管の容量を定めてもいいのではないのかなと思います。 質問します。 国が、雨水貯留管の貯留量を2万トン以上でも、以下でも、交付金を出さないとする根拠は何ですか。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 有川公営企業管理者。 ◎公営企業管理者(有川康裕君) 本市の下水道事業は、国の交付金を活用することにより整備を進めてるところでございます。国におきましては、各自治体に対して中長期な目標として、10年に一度の大雨に対応できるよう雨水整備水準を確保することが示されていることから、武庫分区において、国の交付金の対象となる10年確率降雨に対応する2万トンの貯留量を有する雨水貯留管の整備を計画しているところでございます。 ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員。 ◆30番(真崎一子議員) 対話集会の会場で、ある市民の人から、この事業はゼネコンのもうけの事業ではないかという声がありました。それに対して参加者は、よく言ってくれたというふうに声がかかりました。貯留量2万トンでは完成したとしても、今の異常気象には対応できません。当局はシミュレーションも含め、もっと考えるべきではありませんか。 また、対話集会では始終、下水道部建設課の対応でした。従前は城の越、鳥場公園の周辺の皆さんとの合意に対して失敗しているのにもかかわらず、なぜ市長や局長が来ないのか。全く熱意と誠意が私には感じられませんでした。これでは、住民の合意と協力が得られそうにありません。 先ほど、資産統括局長からお話がありましたけれども、健康ふれあい体育館のタウンミーティングでは、局長は、私は4回参加をしたんですけれども、その中の3回ぐらいまで顔を見たと思います。たくさんの職員さんが来て市民との対応をされていました。そういうのが、やはり市民に伝わるんだと思います。ただ、4人や5人の下水道部建設課の人が毎回来ても、何の説得力もないなというふうに感じました。 次に、市から全戸に配られた洪水ハザードマップについてです。 資料2と3をごらんください。 このハザードマップは、台風第19号のような異常気象に対して10年確率以上の時間70、90、100ミリ以上の豪雨があると、内水のほか、川の洪水や氾濫時の外水被害が襲うことが想定されてつくられたものだと私は思っています。河川周辺地域では、浸水予想の大半が3メートルほどです。深いところでは浸水10メートルになるところもあります。 ハザードマップによると、浸水が一番深いのが、東園田です。この東園田では、一時避難所の場所が極めて少ないです。この場所は以前から住民の不安がありどこに逃げたらいいのか、公共の高い建物が必要なのではないかという声が上がっていました。台風第19号並みの災害は、命を守ること、市民は垂直避難が求められます。 質問します。 例えば東園田の浸水予想が5メートルから10メートルとされている地域は、どこに避難したらいいのでしょうか。シミュレーション等はされていますか。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 辻本危機管理安全局長。 ◎危機管理安全局長(辻本ゆかりさん) 本市では、洪水に係る避難勧告等の発令の際にとる避難行動としまして、まずは、津波等一時避難場所への立ち退き避難、次に、近隣のより安全な場所・建物への立ち退き避難、そして、状況によっては、その時点にいる建物の中でより安全な場所へ移動いただく屋内安全確保につきまして、これまでさまざまな機会を捉えて啓発を図ってきたところでございます。 また、洪水等の発生に係る避難行動のシミュレーションにつきましては、実際の河川の決壊、越水については、その発生地点、どこが壊れるか、どこがあふれるか、どの範囲で、どのように浸水するかを想定することは大変難しいと考えております。 このことから、本市としましては、これら市民の皆様の円滑な避難行動のシーンや災害に対する意識啓発のため、避難場所を示す誘導版の設置や各地域における防災マップ策定の取り組みのほか、地域の自主防災会を中心とした訓練の中で避難行動を取り入れるなど、今後も引き続き、広く市民の皆様へ、あらゆる機会を捉えまして、取り組みを進めてまいります。 議員御質問の東園田につきましても、同様の取り組みを引き続き実施し、災害時に地域の方々が早目に避難いただくことを含め、啓発を進めてまいります。加えて、状況に応じた情報伝達が重要であり、その体制を整えてまいります。 ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員。 ◆30番(真崎一子議員) そこで出てきたのが、総合治水対策基本ガイドラインです。以後、ガイドラインと言います。 本市は、これまで、水害対策として総合治水の整備を行ってきました。まずは流すこと。河川、下水道、ポンプ場の整備です。次に雨水を一時的に貯留、地下に浸透させる、ためるです。それと同時に浸水した場合の被害を軽減する減災対策、備えるです。総合治水を徹底させる取り組みが求められています。 県の事業として、武庫川と猪名川、藻川の護岸工事、掘削工事を行っているところです。 もう一度、資料1をごらんください。 その上で県が出しているCGハザードマップ(地域の風水害対策情報)では、尼崎市全域が水害危険地域となっています。県内で一番水害に襲われる可能性が強まっているということだと思います。 質問します。 県が出したハザードマップの風水害の状況を、尼崎市としてどのように認識されていますか。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 辻本危機管理安全局長。 ◎危機管理安全局長(辻本ゆかりさん) 本市は、市域の約3分の1が海面より低い海抜ゼロメートル地帯となっていることや、西は武庫川、東は猪名川、藻川、南は海に面し、市域の3方向が水域に囲まれていることから、洪水や高潮などの風水害の被害を受けやすい地形となっていると認識しているところでございます。 そうしたことから、市域の多くで浸水する可能性や、また、近年の台風の大型化や豪雨による河川氾濫など、想定を超える被害が発生することも念頭に、今年度新たに全戸配布しました防災ブックやハザードマップの活用を含め、引き続き広く市民の皆様へ避難行動等の啓発に努めてまいりたいと考えています。 ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員。 ◆30番(真崎一子議員) 次の質問は飛ばします。 パネルの取り組みの中で、雨水増補管という設備があります。この事業は下水道管の接続部にバイパスをつくる、下水管の補強をするなど雨水貯留管の小さい版と考えていいと思います。一時的に雨水を貯留する整備を浸水地域に行うというものなんです。 資料4をごらんください。 東大阪市では、1982年、昭和57年に時間雨量40ミリの集中豪雨で床上浸水が655戸、床下浸水が1万1,663戸ありました。大きな被害を受けました。市内で浸水されているという地域を中心に、雨水増補管等の治水施設を効果的に発揮させて、2013年、平成25年の時間雨量54ミリの集中豪雨では、床上2戸、床下58戸と浸水被害が激減しました。 市内の雨水貯留管の整備はどれくらい今進んでいるのでしょうか。例えば、浸水しやすいと言われている立花地域の浸水対策として、どれほど設置されていますか。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 有川公営企業管理者。 ◎公営企業管理者(有川康裕君) 議員御質問の東大阪市の雨水増補管につきましては、東大阪市内の下水幹線と大阪府は建設を進めています。大阪湾へつながる寝屋川の地下河川を連絡するものとして、整備が進められたものでございます。 尼崎市では、東大阪市のような地下河川が存在いたしませんので、現在計画しております立花地区を含む武庫分区の雨水貯留管が東大阪市の雨水増補管と同様の役割を担うものであり、その整備に向けて現在取り組んでいるところでございます。 ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員。 ◆30番(真崎一子議員) 東大阪市では平成3年から建設を進めているんですけれども、増補管という施設は、目標27キロメートルが目標だったんですけれども、今現在で80%、22キロに達しています。全事業は42億円です。それでも校庭貯留や駅前広場の貯留施設30カ所と併用させながら、効果的な力を発揮しています。今後も総合治水対策として増補管の増設や校庭貯留・公園貯留、そして、広場の貯留施設などを計画的に着々と進めているんです。総合的に事を進めても、費用は100億円かかりません。そして、全てが完成しなくても、できたところから供用が開始できるんです。そして、一番大切なことは、資料右下にあるように、市民がその効果を実感しているということです。 次に、校庭貯留についてお伺いいたします。 校庭貯留というのは、校庭の周囲をブロック塀で囲み20センチぐらいのブロック塀なんですけれども、排水口を小さくすることで校庭に雨水をためて流れにくくする事業です。 まず、教育委員会にお聞きします。近年新築された学校は、校庭貯留の整備はされているんでしょうか。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 白畑教育次長。 ◎教育次長(白畑優君) 学校の校庭貯留整備につきましては、平成29年8月に作成されました尼崎市総合治水対策基本ガイドラインに基づき、学校を新築する場合は、貯留浸透施設の整備を実施することといたしております。 しかしながら、近年新築したわかば西小学校や小田中学校などの学校は、ガイドライン策定前の平成27年度に設計を完了しており、設計時において校庭貯留整備の方針等が明確になっていなかったことから、校庭貯留整備をした近年の学校の事例はございません。 ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員。 ◆30番(真崎一子議員) これから長く使うグラウンドですので、今からでも設計はできると思いますので、よろしくお願いします。 私たちは校庭貯留を行っている尼崎双星高校と西宮市の小学校を視察に行きました。西宮市では、測量と工事にはそんなに日時はかからず夏休み中にできたそうです。費用も1校あたり500万円程度だったそうです。新築した学校の校庭貯留は教育委員会で工事、費用も出す。既存の小・中学校では下水道部が工事、費用を施行する。今では一部に未実施校は残っていますが、全校に工事を進めていくということでした。 質問します。 校庭貯留を行う場合は、教育委員会の管轄ですか。既存の学校での工事は、施工と費用の支出はどこがするのでしょうか。治水対策として別途費用を負担する必要あるのではないでしょうか。お答えください。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 白畑教育次長。 ◎教育次長(白畑優君) 学校施設の整備に係る事業は、設計や施工、さらに支出などの予算を教育委員会が所管いたしております。既存の学校の校庭貯留整備につきましては、総合治水対策基本ガイドラインに基づいて、校舎改築や大規模改修等を実施するに際しまして検討いたしてまいりますが、本市の財政状況を踏まえますと、トイレの改修など校舎の老朽化対策等を優先して進めざるを得ない状況でございます。 ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員。 ◆30番(真崎一子議員) 学校のグラウンドというのは、地域に水が流れないようにするためのものなので、地域として学校の教育費とかじゃなくて、やはり、市が別途にその費用は払うべきだと思います。 西宮市にしても東大阪市にしても、全ての学校で校庭貯留をしようという試みをされています。それは、校庭貯留の効果が立証されているからだと思います。ぜひ計画的に校庭貯留を積極的に行ってほしいと思います。お願いいします。 次は、公園貯留です。公園貯留も一緒なんですけれども、戸ノ内公園等3公園で周辺よりも30センチ掘り下げられて雨水をためるようにする工事です。一つの公園で200から300トンためることができるんです。 公園貯留の設置の計画は、今進んでいますか。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 田尻都市整備局長。 ◎都市整備局長(田尻和行君) 公園貯留施設の設置につきましては、これまでの公園の新設、あるいは既存公園の大規模改修の際に取り組んできており、実績としましては、もすりん橋公園を初め6公園で954トンの貯留施設を整備しております。 今後も、庁内連携を図りつつ、他の公園につきましても、大規模改修を実施しなくとも、既存の雨水排水ますを浸透ますに改良するなど効果的な流出抑制対策ができるかどうかの検討を行ってまいります。 ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員。 ◆30番(真崎一子議員) 東大阪市では、総合治水の文書の中に、平成30年度はこれだけする、平成31年度はこれだけすると、ちゃんと計画的にやられているんです。だけど、尼崎市総合治水対策の中には、そういう計画性がないんじゃないかなというふうに思いますので、ぜひ、長期に計画を立てて実施していただきたいと思っています。 次に、浸透ます、浸透管についてです。 尼崎市は田畑が多いときには、水田とかが多くあり、水田は水を吸い込む力とか、ためる力がありました。しかし、今は水田が減り続けて、土が残っているのは公園とか校庭くらいしかありません。雨水を吸い込む力がとっても弱っています。排水を下水管に流さない工夫が必要です。そこで出てきたのが、浸透ます、浸透管です。雨水を地下に浸透させることで、下水管や河川に流れる、水を抑制します。 ガイドラインでは、浸透管の整備を進めるとともに、民間事業者が300平方メートル以上の敷地で建物を新築した場合には、浸透施設の整備を指導するというふうに書かれていました。新設の事業所の設置指導は、どんな方法で徹底されているのでしょうか。また、新築の民間の集合住宅や駐車場とかは協力を求めているんでしょうか、お答えください。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 有川公営企業管理者。 ◎公営企業管理者(有川康裕君) 新設の事業所あるいは新築の集合住宅及び一定規模の駐車場等の建設工事に先立ちまして、必要となる市の協議を調えた後に、開発事業所から提出されます雨水浸透施設設置届の内容で確認をいたしております。 新設の事業所の届け出件数は平成30年度で33件となっております。
    ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員。 ◆30番(真崎一子議員) 次は、公共施設のことなんですけれども、公共施設も新築する場合は、貯留浸透施設を整備するようにというふうにガイドラインでは書かれていました。確認したところ、武庫、大庄、中央生涯学習プラザでは、駐車場は浸透性の材料を使っている、そして、雨水貯留タンクも整備しているということでした。 しかし、新設の市営住宅についてはどうなんでしょうか。浸透性の設備は整備されていますか。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 田尻都市整備局長。 ◎都市整備局長(田尻和行君) 平成26年度から事業を始めております市営武庫3住宅建替事業では、いずれの住宅も透水性のインターロッキング舗装や浸透ます、浸透管といった必要な浸透性のある設備を整備しております。 また、こうした取り組みに加えまして、市営住宅の建てかえに合わせて整備する公営におきましても、平成29年度策定の総合治水対策基本ガイドラインを踏まえた公園貯留の設備の整備を行っているところであります。 ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員。 ◆30番(真崎一子議員) 次は、貯留タンクのことについてお聞きします。 貯留タンクというのは、民間の家とか集合住宅、そして、事業所とかに地下貯留や雨水貯留タンクを設置するというものです。といから雨水をためるというふうなものなんですけれども、1つのタンクの貯水量は約150リットルでわずかなものですが、集合住宅とかは、もっと大きなタンクの設置ができるようになりますし、これをある地域で全部で行ったら大変大きな力になると思うんです。だから、ぜひ貯留タンクの設置もお願いします。 2012年から4年間で、まだ120件しか普及していません。貯留タンクの設置がこれほどまでに広がっていないのは、一体何なんでしょうか。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 有川公営企業管理者。 ◎公営企業管理者(有川康裕君) 本市の実績といたしましては、持ち家の戸建の方で、比較的設置スペースに余裕があり、ためた水を花の水やりに有効利用する方などが申請をされてます。 そうした中で、申請件数が伸び悩んでいる理由でございますけれども、助成金があるものの自己負担金が発生する、あるいは設置スペースが必要なことなどが考えられます。 そのため、現在、市民の皆様へのPRの手法といたしまして、市報、あるいは下水道広報誌、市のホームページの掲載に加えまして、貯留タンクの各地域振興センターへの設置、あるいは市民祭りなどで市民がタンクに直接触れることができる場所を提供するなど、さまざまなPRを実施しているところでございます。 今後ともPR手法の検討を含めまして、設置件数が増加するような取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員。 ◆30番(真崎一子議員) この事業は、さほど貯水の効果を求めるものではないんですけれども、一軒一軒の家が、こういう貯水タンクをつけることによって防災意識が高まったりするんです。それと、市民の啓発になると思いますので、ぜひ、これの事業も進めてほしいと思います。お金が3万円では少な過ぎるというふうになったら、また増額をするとかという方法をやってでも、この事業を進めてほしいと思います。 最後の質問です。 昨年は、西日本を中心に、多くの地域で河川の氾濫や浸水被害がありました。ことしは台風第19号がありました。毎年、全国どこで災害が起きてもおかしくないような状況です。しかし、尼崎市は総合治水対策が進んでいないのではないでしょうか。各課がそれぞれの対策をしているために、災害対策としての統一がされていません。このことが事業が進まない原因であると思います。 市長にお聞きします。災害対策を進めるためには、各課からの情報の共有と、財政も含めた対策が必要です。全庁的な取り組みが必要です。市長を本部長とする総合治水対策の横断的な組織づくりが必要なのではないかと思いますが、いかがですか。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 田尻都市整備局長。 ◎都市整備局長(田尻和行君) 総合治水対策に係る庁内の検討組織としましては、水防活動や各施設の現場状況を把握している土木部長を座長とし、総合治水に係る関係各課から構成する尼崎市総合治水対策庁内連絡調整会議を平成19年3月から設置しており、平成29年8月には、尼崎市総合治水対策基本ガイドラインを策定いたしました。 その中で、河川、下水道などの流す対策や、学校・公園貯留や、透水性舗装などのためる対策、またハザードマップによる意識啓発などの備える対策など、庁内関係各課の連携調整を図り、庁内一体となって総合治水対策の取り組みを進めているところでございます。 ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員。 ◆30番(真崎一子議員) 私が今、総合治水、いろんな取り組みを紹介しました。これは、市内の経済の循環になります。尼崎市は都会でもあり、山もありません。だから、ダムやため池にかわる人工的な貯水池が必要なんです。数が少なくなった水田の貯留機能の活用や、河川や下水道に雨水を流さない市民の協力が必要です。市民に豪雨の対策は自分自身で生活を守るための対策という啓発が必要です。台風や豪雨の前には、自宅周辺の側溝の枯葉やごみを掃除する。雨が降っている最中には風呂のお湯は流さないなどのアナウンスが必要です。 総合治水対策基本ガイドラインを確実に行ったら、内水被害や河川の氾濫も減災することができると思います。また、でき上がったところから供用できます。雨水貯留管を整備するよりも安く、早くできます。雨水貯留管の整備も、総合治水の一つの対策として否定するものではありませんが、でも2万トンの内水対応です。供用まで10年かかります。市民が心配する内水被害と外水被害が同時に来ることを想定したものにはなっていません。今後の気象状況を見据えた減災対策を再検討する時期に来ているのではないでしょうか。 次に、(仮称)健康ふれあい体育館の活動についてです。以後、複合施設と言います。 まず最初に、福喜園のタウンミーティングでは、こんな便利なところはない、現地で建てかえができないのかという参加者の質問がありました。駅前であり、利用者が買い物して帰る最高の生活圏にある施設です。千代木園は、あの美しい自然の中で楽しい活動ができる、心と体が癒やされると大変人気のスポットです。 ある自治会長さんが、以前、FM計画の説明会で、便利なところ、人が集まる場所は、公共の土地は売ったらいけない、住民サービスに活用するべきだという発言がありました。私は、この言葉が忘れられません。 質問します。 現地建てかえができないのはなぜですか。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 御崎資産統括局長。 ◎資産統括局長(御崎成亮君) 公共施設マネジメントの取り組みは、財政状況や将来の人口などを踏まえ、持続可能な財政基盤の確立を目指すものでありますが、現在のサービス水準の低下を極力来さないよう、十分に配慮をしながら進めていくものでございます。 御質問の現地建てかえにつきましては、既存施設の解体、また、(仮称)健康ふれあい体育館の建設などで現在の各活動の継続性が確保できないことに加え、新たな建てかえにさらなるコストの負担が生じます。 また、お示ししている施設の機能統合の手法では、生み出された敷地を売却することにより、施設整備に必要となる一般財源や、当該整備のために発行した市債の償還財源の一部の確保が可能となります。 こうしたことから、公共施設マネジメント全体の取り組みとの整合性を保ちながら、現在の利用者の利便性や安全性を勘案しつつ、現在地ではなく、別の場所で機能統合を図りながら整備をしてまいりたいと考えております。 ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員。 ◆30番(真崎一子議員) 複合施設は、これまで体育館と老人福祉センターの面積の30%削減を目指しながら施設の集約化を進めているということです。 今回の計画では、第1フロアの体育館機能、第2フロアは体育館機能と健康づくりの支援等の機能の共用利用、集会娯楽室は可動式であり、間切りをつくって1部屋にもできるし、2部屋にもして利用することができるというふうに書かれていました。 教養学習事業は、例えば書道や絵手紙、生け花など、参加者が1回15人から25人います。1人当たりのスペースも多く必要とします。コーラスは40人から50人です。とても間切りをして2部屋で使用することはできません。また、健康増進事業では、第2フロアを使用すると思いますが、体操は午前中時間をずらしながら、ほぼ毎日行っています。午後からはフラダンスや特殊体操、コーラスなどが使うと、体育館機能としては使用できません。そして問題なのが、千代木園では毎日、福喜園では週3回行っている、それも一日平均25名ほどが利用されている大人気の卓球ができなくなるということです。小人数でやっている同好会の活動もできなくなります。新しく事業を始めたくても入れる余地がなくなります。 質問します。 複合施設では、教室がとれない習い事はどうすればいいのですか。大人気の卓球は、これまでと同じようにできるんですか。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 御崎資産統括局長。 ◎資産統括局長(御崎成亮君) 老人福祉センターと体育館の事業につきましては、現在の利用実態を十分踏まえながら、基本的には現在実施しておられる事業が継続できるよう、検討進めていくことといたしております。 そうした中で、介護予防のための体操など類似した事業につきましては統合するなど、プログラムの見直し検討を行い、現状のサービスの低下を来さないよう努めていくことといたしております。 また、卓球につきましては、老人福祉センターのみならず、体育館でも実施しておりますことから、その目的が趣味や健康づくり、また、競技性の高いものなど、さまざまであることを踏まえ、御意見を伺いながら時間帯を分けるなど、より多くの方に活動していただけるよう配慮しながら事業の内容を検討してまいりたいと考えております。 ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員。 ◆30番(真崎一子議員) 今の体育館の機能では、もう入るスペースがないと思うんです。それに、卓球も毎日使用することができなくなります。今の答弁では、体育館に卓球の機能を持ってきたらいいのじゃないかというふうに言われていましたけれども、それは、日常的に使うことは無理だと私は思います。 福喜園は、年間利用者が延べ約8万4,000人です。46の教室があります。4種類の相談があり、毎日の囲碁や体操で4部屋を使っています。そして、卓球はフロアも利用しています。それでも習い事の申し込みが抽せんになるほど希望者が殺到しています。 タウンミーティングでは、複合施設の面積や間取り図は公表されませんでした。しかし、私たち議員に配られた資料によると千代木園・福喜園、延べ面積とも1,600平方メートル、間取りも一緒でした。千代木園は年間利用者が延べ約4万7,000人、福喜園は8万4,000人です。利用者の規模が違う2つの施設を複合施設で同じ敷地面積、同じ間取りにするのは大変不可解です。それぞれの地域性、特徴を生かした使い勝手のいい施設にするべきではありませんか。 質問します。 複合施設では、福喜園の機能を充足するには教室が足りません。地域性に合った施設にするべきだと考えますが、いかがですか。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 御崎資産統括局長。 ◎資産統括局長(御崎成亮君) 老人福祉センターの利用者の中心となっている本市の65歳以上の人口につきましては、平成元年が約5万人であったのに対し、平成30年は倍以上の約12万人と、急激に高齢化が進んでいる一方で、高齢者の活動が多様化するなどにより利用者数は、千代木園では平成元年から約45%、福喜園では平成元年から約30%減少している状況にございます。このような状況を十分踏まえながらも、基本的には現状の事業を継続できるよう検討を進めていくことといたしております。 こうした中で、過不足が生じないよう、実際の利用時間帯等を把握した上で必要となる部屋数を検討しており、新たに整備する施設につきましては、利用者や地域の方々の御意見も今後把握しながら、例えば、パーティションで区切るなどにより有効活用を行い、よりよい施設整備となるよう、今後も努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員。 ◆30番(真崎一子議員) 今、パーティションでくくるとか言われてましたけれども、どうしても、面積に無理があるんです。今現在、8万4,000人が使用しているんです。それを、年々減っているからと言われても、この人数をちゃんと吸収できるぐらいの部屋数は必要だと思います。 質問します。 大庄地域の皆さんは、災害時の避難所とするために、2階建てではなく3階建てを望んでいます。水害にあったら、浸水の深さは3メートルから5メートルです。複合施設は3階建てにして、避難所として活用するべきではありませんか。お答えをお願いします。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 御崎資産統括局長。 ◎資産統括局長(御崎成亮君) 新たに整備する(仮称)ふれあい健康体育館につきましては、老人福祉センターと地区体育館の機能を統合した施設として、既存事業の継続や新たに展開していくこととしているフレイル予防に関する事業のほか、多世代交流を促進する事業などを実施していくこととしております。 まずは、これらの事業実施に必要なスペース、居室数を確保できるよう検討を進めていくこととしておりますが、浸水の深さ、3メートルから5メートルの水害に対応できる津波等一時避難場所とするかにつきましては、周辺の民間施設も含めた避難場所の状況や、建設コスト、また、将来的な維持管理コストなど、総合的な視点で今後判断してまいりたいと考えております。 ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員。 ◆30番(真崎一子議員) この施設は、公共施設なんですよ。公共施設というのは、避難所になるのは、私は、それは覚悟して建ててほしいというふうに思います。そうしなければ、被害に遭った人たちがどこに行ったらいいのか全くわからないような状況では困ります。 最後は、入浴の機能についてです。 タウンミーティングでは、一人で家の風呂に入るのが怖いという声がありました。老人福祉センターの風呂を利用されている方は、長い間、家の風呂も入っておられないのでしょう。一昨年、広瀬若菜議員が、鶴の巣園の入浴の機能を維持してほしいという質問に対して、資産統括局から、介護予防に必要な施策としてお風呂の機能は残すとの答弁があり、利用者から大変喜ばれました。私の知り合いは、以前からガスは引かずに風呂は福喜園、食事の準備は卓上カセットコンロを使用しています。ひとり暮らしなので、お風呂に入って囲碁をして帰るのが楽しみです。蓬川住宅から福喜園まで、なれたところがいいと言って通っています。そんな市民のささやかな楽しみを奪うのですか。 タウンミーティングでは、当局は風呂を設置しない、その理由に、家に風呂がある、財政上、風呂の維持管理はとっても厳しいということを挙げられていました。しかし、老人福祉センター4園の利用者、延べ26万5,000人です。そのうち5万人がお風呂を利用しています。需要はとっても高く、利用者は残すことを強く望んでいます。 老人福祉法の老人福祉センターの機能では、トイレの設置と同じように、当然のこととしてお風呂の設置を掲げています。老人福祉センターとして、安心安全、楽しみの両面から、お風呂の機能は残すべきだと思いますが、いかがですか。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 足田健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(足田剛志君) 公共施設の圧縮と再編の取り組みを進める中で、旧耐震で老朽化が著しい千代木園、福喜園と地区体育館との複合化による新たな施設を整備するに当たり、高齢化の急速な進展と、市民の健康寿命の延伸のための介護予防への関心が高まっている現状を踏まえて、老人福祉センターの機能の見直しを行い、高齢者の健康づくり生きがいづくり、介護予防の取り組みを推進するための機能を一層充実させてまいります。 お尋ねの入浴機能につきましては、議員からもご紹介ありましたとおり、一般家庭における風呂の普及状況や、設置のための初期投資に加え、毎年多額の経費が必要となることなどを総合的に勘案した結果、新施設には体育館機能としてのシャワー室は設置いたしますが、入浴整備は設置しないことと判断したものでございます。 なお、新施設には、高齢者が気軽に集え、多世代が交流できるふれあい・いきいきコーナーや、新たな介護予防事業を展開するためのスペースを確保する予定であり、今後、さらなる介護予防の推進を図ってまいります。 ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員。 ◆30番(真崎一子議員) それでは、一人で家でお風呂に入るのが怖いという方とか、お風呂をお掃除するのがとてもしんどいから福喜園のお風呂を利用しているんだという人もいらっしゃいました。そういう人にとって、どういうふうな救済措置をとられるんですか。 家でお風呂に入るのが大変な人、そして不安な人、介護保険でデイサービスの対象者でない人、ひとり暮らしの人、低所得の高齢者であることを条件をつけてでも、銭湯の利用料、今470円です。その半額250円でも割引券を発行する。月単位10枚から15枚でもいいと思います。例えば福喜園で年間延べ1万4,400人の方がお風呂を利用しています。その人たちに半額250円の割引券を発行したら、年間約360万円程度です。お風呂の維持管理費に比べたら安くつくではありませんか。そういう救済措置もとっていただきたいなと思います。福祉入浴券の発行を検討されてはいかがですか。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 足田健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(足田剛志君) 現在、本市の65歳以上の高齢化率は27.5%で、そのうち75歳以上の高齢者の割合が52%と半数を超えています。さらに、2025年、令和7年には、高齢化率は27.8%になる見込みで、そのうち、75歳以上の高齢者の割合が60%を超えるなど、ますます超高齢化が進んでまいります。 そのため、特定の高齢者に入浴券を供与するのではなく、今後より多くの高齢者に健康寿命の延伸に向けて、介護予防やフレイル対策に取り組んでいただくことが重要になってまいります。こうしたことから、高齢者を取り巻く社会環境の変化や多様な高齢者のニーズに柔軟に対応し、健康増進や介護予防に関する事業などに効果的に参加できるよう環境を整えてまいりたいと考えております。 ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員。 ◆30番(真崎一子議員) もう終わりますが、福祉というのは、意味を調べたら、幸せというふうな意味になるそうです。幸せというのは、一人一人の私的レベルの幸せの意味であって、福祉とは、一人一人の集まる社会的なレベルの幸せを意味しているんです。福祉を守るという観点が今なくなっているのではないかなというふうに思います。何につけ、介護予防、介護保険というふうに言ってしまいがちですが、高齢者を幸せにする、幸せと感じる居場所の確保が、今必要なのではありませんか。それが老人福祉センターの意義だと、私は思っています。この機能を、絶対に壊してほしくない。今ある設備をより充実させていただきたいと思い、求めまして、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(岸田光広議員) 真崎一子議員の質問は終わりました。真崎一子議員は、自席にお戻りください。 この際、休憩いたします。                        (午後2時56分 休憩)-----------------------------------                        (午後3時28分 再開) ○議長(真鍋修司議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。 質問を続行いたします。 発言を許します。 綿瀬和人議員。   (綿瀬和人議員 登壇) ◆20番(綿瀬和人議員) 皆さん、こんにちは。市民グリーンクラブの綿瀬和人です。第15回尼崎市議会定例会の一般質問で質問の機会を与えていただき、まことにありがとうございます。 まず、冒頭に、アフガニスタンやパキスタンで支援活動を行うNGOで、長年にわたる医療支援やかんがい事業などの活動を行ってこられたペシャワール会現地代表の中村哲医師が亡くなられました。1984年からパキスタン北部で医療活動に従事し、隣接するアフガニスタンにも活動領域を広げ、2002年からは農村復活事業、緑の大地計画に取り組み、7年かけて全長25.5キロの農業用水路を完成させ、農地をよみがえらせてきました。尼崎市にも、昔あった労働福祉会館に来ていただき、講演もしていただきました。私も、その講演に参加をしてお話を聞いたことを覚えております。 武器など絶対に使用しないで平和を具現化する、それが具体的な形として存在しているのが、日本という国の平和憲法第9条ですよ。第9条があるから、海外ではこれまで絶対に銃を撃たなかった日本。それが、本当の日本の強みなんです。危険だと言われる地域で活動していると、その第9条のありがたさをつくづく感じるんです。日本は、その第9条にのっとった行動をしてきた。だから、アフガンでも中東でも、今でも親近感を持たれている。これを、外交の基礎にするべきだと僕は思います。戦争は、ゲームではない。平和を追求していくためには、まず日本自身が平和的になることです。だからこそ、戦力、交戦権の否認と戦争放棄を定めた憲法第9条は大切で、第9条がなくなれば日本らしさもなくなるとおっしゃっておられました。 中村医師の命を奪った暴力を決して許すことはできません。中村医師の活動と功績に、深甚なる敬意をあらわしますとともに、心から御冥福をお祈り申し上げます。 それでは、質問に入らせていただきます。 本日は、ロストジェネレーション(就職氷河期)世代の雇用支援について、高齢者施策についての2項目について質問をさせていただきます。 まずは、ロストジェネレーション世代の雇用支援について質問をします。 ロストジェネレーション世代と呼ばれる就職氷河期世代は、バブル崩壊後の不景気で新卒採用の停止・抑制措置等により正規雇用等に恵まれず、就職が困難であった世代であり、おおむね1993年から2004年に学校を卒業し、大卒の方で37歳から48歳、高卒の方で33歳から44歳の年齢の方で、ポスト団塊ジュニアとも言われています。 私は、ことし、来週ですが誕生日で43歳になりますので、ちょうどロストジェネレーション世代となります。私の同級生も、大学卒業のときの就職活動で何社受けても採用されず、大変苦労したと言っています。特に、女性は男性よりも大変な思いをされたようです。 政府は、いわゆる就職氷河期世代は雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った世代であり、希望する就職ができず、現在も不本意ながら不安定な仕事についている、無業の状態になるなど、さまざまな課題に直面している者がいるとの認識から、就職氷河期世代支援プログラムを策定し、ロストジェネレーション世代の支援強化を決めました。支援対象としては、正規雇用を希望していながら不本意に不・非正規雇用で働く者、少なくとも50万人、就業を希望しながら、さまざまな事情により求職活動をしていない長期無業者、社会とのつながりをつくり社会参加に向けてより丁寧な支援を必要とする者など100万人程度と見込み、3年間の集中的な取り組みにより働くことや社会参加を促す中で、現状よりもよい処遇で働ける同世代の正規雇用者を30万人ふやすことを目指すとしています。 ここで質問です。本市では、ロストジェネレーション世代で正規雇用を希望していながら非正規で働かざるを得ない方、またさまざまな事情による長期無業者などハローワークなどの関係機関と協力し、状況把握のための調査はされているんでしょうか、お答えください。 本市では、合同就職説明会や合同企業説明会、またスカウト型求人イベントなど新卒者を対象にした事業、またホームページ等により雇用就労、労働条件、スキルアップに関する情報を提供するとともに、カウンセリング等を含めた専門相談や労働問題など、雇用就労に関する一元的な相談窓口の設置、また個別丁寧な雇用就労マッチングに取り組む無料職業紹介など、さまざまな就労支援を行っています。 ここで質問です。本市では、今述べたように就労支援に力を入れていますが、政府が策定した就職氷河期世代支援プログラムの3年目標を達成するためには、新卒者や女性の就労支援に加え、ロストジェネレーション世代を対象とした就労支援もあわせて行うべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか。お答えください。 就業を希望しながら、さまざまな事情により求職活動をしていない長期無業者の支援には、プログラムにあるように、アウトリーチ機能を強化したきめ細やかな対応が必要になりますが、ハローワークや県とどのように連携し取り組みを進めるおつもりなのか、お聞かせください。 次に、本市職員に関することについて質問をします。 ロストジェネレーション世代の本市のある技術職員の方から、尼崎市も御多分に漏れず新規採用停止、採用数の抑制から40歳前後の職員層が中抜け状態になっている、現在は団塊世代の技術職員が再任用やOB嘱託員として勤務しているので技術力が何とか維持できているが、技術、技能の伝承や継承が不十分であるため、その職員が離職すれば、本市の技術力とそれに伴う行政サービスの低下は避けられないとおっしゃっておられました。 本市では、2018年3月に人事行政の運営状況の公表とし、職員の給与や職員数、勤務条件等、人事行政の運営の状況について公表しています。 ここでお伺いします。現在の正規職員の年齢別職員構成及び平均年齢を御回答ください。 次に、高齢者施策について質問します。 土岐議員が、認知症施策について質問されましたが、私の視点から質問させていただきます。 本市では、キャラバン・メイト養成研修や認知症サポーター養成講座、徘徊高齢者家族支援サービス、認知症みんなで支えるSOSネットワークなど、認知症に関するさまざまな取り組みをされておられます。 例えば、認知症サポーター養成講座は、市民に認知症を理解してもらう上で大きな役割を担っている事業であると思います。しかし、認知症サポーター養成講座の受講者が大人ばかりでは、認知症の理解を市民に広く理解してもらうには不十分ではないでしょうか。やはり、子供たちにも認知症を理解してもらう機会は必要です。 ここで質問です。小学生や中学生を対象としたサポーター養成講座は、ここ最近では特定の中学校1校のみ開催していますが、子供たちに広く認知症を理解してもらうために、もっと多くの学校で開催するべきと考えますが、当局のお考えをお聞かせください。 次に、認知症みんなで支えるSOSについて聞いていきます。 認知症みんなで支えるSOSとは、認知症で行方不明になる心配がある方の名前や写真を事前に登録しておくと、その方が行方不明になった場合に市と警察、協力機関が連携して、早期発見、保護につなげる仕組みのことを言います。これだけ聞けば、大変効率的な制度に思いますが、現場の方の話を聞くと、初めに警察に相談しても市に情報が入るまですごく時間がかかる。市から協力機関へ捜索情報を発信するので協力機関に情報が入るのがものすごく遅く、協力機関としての役割は余りない。市や協力機関に早く探してもらうには、家族やケアマネジャーが警察へ捜索願提出後、市に直接連絡する必要がある。地域包括支援センターに申請書を提出して登録することになるが、その申請書は市から警察にも情報提供されている。しかし、いざ警察に捜索願を出しに行くと、一から全て聞かれるので、申請書を出していても余り意味がないなど、十分に機能していないことをよく聞きます。 昔勤めていたデイサービスの利用者で若年性認知症の方がおられましたが、家族から家からいなくなった、デイサービスに来ていないかと問い合わせがあったので、周辺を探しましたが見つかりませんでした。数日後、大阪府堺市の公園で警察が発見し、無事に自宅に帰られたという事案がありました。御本人はお金を持っていなかったので、歩いて堺市まで行かれたと思われます。行方がわからなくなった方を探すには、自宅を出てからどれだけ早く探すことができるかが大変重要であると感じました。 ここで質問です。 SOSネットワークに関して、警察と市の連携は密にできているんでしょうか。市へ連絡が入るのが大変遅いようですが、早い段階での情報提供をするように要請はしているんでしょうか、お答えください。 また、市役所は土日祝休みなので、行方不明者が発生した場合や発見した場合、市から協力機関への情報提供がないとの声もありました。現在のような運用方法で、SOSネットワークが行方不明者の捜索に有効な事業であると考えておられるのか、また十分に機能しているとお考えなのでしょうか、お答えください。 また、本事業にはさまざまな課題があると考えますが、協力機関など現場の声を聞いた上で、課題解決に向けた取り組みはされているんでしょうか。あわせてお答えください。 これで1問目の質問を終わります。(拍手) ○議長(真鍋修司議員) 答弁を求めます。 土元経済環境局長。 ◎経済環境局長(土元英樹君) ロストジェネレーション世代、いわゆる就職氷河期世代の雇用支援に関する御質問に順次お答えをいたします。 まず、就職氷河期世代の状況把握のための調査を実施しているのかとのお尋ねでございます。 国におきましては、2018年の労働力調査(基本集計)による就職氷河期世代の推計値といたしまして、正規の職員・従業員数は916万人、そして非正規の職員・従業員数は371万人で、このうち正規雇用を希望していながら現在は非正規雇用で働いている者は約50万人、また非労働力人口数は219万人で、このうち15歳以上の人口のうち就業者と完全失業者を除いたいわゆる非労働力人口のうち、家事も通学もしていない者は約40万人とされていることは認識いたしておりますが、本市としては具体的な調査については実施いたしておりません。 次に、就職氷河期世代の就労支援にどのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。 本市の無料職業紹介窓口におきましては、従来から就労希望者のニーズを踏まえた積極的な求人対策とともに、求人企業開拓員と雇用就労支援員が一体となり、就労希望者に寄り添う個別丁寧な支援を就職氷河期世代の求職者に対しても行ってきたところであり、また、人材育成面におきましても、39歳以下の就労希望者を対象として実施してきたしごと塾の年齢制限を平成29年度から撤廃し、御指摘の世代の支援にも対応してきたところでございます。 現在、国におきましては就職氷河期世代活躍プランに基づきまして、国・県・市、関係団体等が連携する枠組みを構築し、各種支援施策を展開しようと検討が進められており、これに先行する形で本年9月には、ハローワーク尼崎を初め県内4カ所に就職氷河期世代の支援窓口としてキャリアチャレンジコーナーが開設され、この世代を対象とした限定求人の取り扱いも開始されております。 本市といたしましては、引き続き国・県等の動向を注視する中で、他の就労支援機関や庁内福祉部局との連携を図りながら、国の施策につなげていきたいと考えております。 ○議長(真鍋修司議員) 足田健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(足田剛志君) 長期無業者への支援と認知症対策の御質問に順次お答えしてまいります。 まず、長期無業者の支援にはアウトリーチ機能を強化したきめ細やかな対応が必要になるが、ハローワークや県とどう連携し取り組みを進めるのかとの御質問でございます。 生活困窮者自立相談支援機関である本市のしごと・くらしサポートセンター尼崎では、就労を希望していてもなかなか就労に至らない方から相談があった場合には、アウトリーチも含めて、それぞれの方の状況に応じた段階的な寄り添い型の支援を行っております。 例えば、日常生活や社会生活に課題を抱え、直ちに就労が困難な方には、就労準備支援事業としてグループワークを中心としたセミナーや職業体験の利用を進めております。また、比較的就職に向けた課題が少ない方には、サポートセンターに隣接したハローワーク出張窓口の就労支援ナビゲーターにおつなぎすることで、御本人のニーズに沿った求人情報の提供を行っております。さらに、ハローワークの求人とは別に、サポートセンターの就労自立支援員が企業等を訪問して独自に開拓した求人を紹介し、必要に応じて事業所への同行支援や就職後のフォローも行っているところでございます。 今後、福祉部局としても、就職氷河期世代支援プログラムに基づき、国・県の動向を注視するとともに、引き続きハローワークや若者サポートステーションとの連携を強化し、支援の充実を図ってまいります。 次に、小学生や中学生を対象とした認知症サポーター養成講座について、もっと多くの学校で開催するべきではないのかとの御質問でございます。 これまでも、トライやる・ウィークやサマーセミナー、地域で親子が集う場といったさまざまな機会を捉え、小・中学生を対象としたサポーター養成講座を実施しております。また、一部の高等学校、大学や専門学校では、講義や自主活動の一環としてサポーター養成講座を取り入れていただいており、小・中学生と合わせて1,300人余りの認知症サポーターが誕生いたしております。 小・中学校の授業として講座を実施するに当たっては、学校現場との調整が必要であり、現在は要請があった場合に実施する形ではありますが、今後も引き続き学校や教育委員会との連携を図りながら、小・中学校での養成講座の拡大を検討してまいりたいと考えております。 次に、SOSネットワークについて、警察と市の連携は密にできているのか、早い段階での情報提供をするように要請はしているのかとの御質問でございます。 SOSネットワーク登録希望者から提出していただいた住所や連絡先、写真などの情報が記載された申請書は、市内の3つの警察署と本市との間で共有しておりますが、行方不明になった際には、早期発見のために最後に接触した場所や行方不明時の服装など、申請書に記載されている以外の最新情報がどうしても必要になります。申請書を出しても意味がないと思われている方には、このような事情をしっかりと説明いたしてまいります。 また、行方不明時に警察へ相談された際に、市へ連絡が入るまでの時間については、これらさまざまな追加情報も必要であることから一定時間がかかるものと考えておりますが、現場からの御意見として承り、今後につながるよう改善に取り組んでまいります。 最後に、SOSネットワークが行方不明者の捜索に有効で十分に機能していると考えているのか、現場の声を聞いた上で課題解決に向け取り組んでいるのかとの御質問でございます。 SOSネットワークへ事前登録された方の御家族からは、行方不明になったときには気が動転していたが、写真や住所などの情報を事前に登録していたことにより負担が軽減されたとのお声をいただいております。 一方、独居高齢者が未登録の場合は、ホームヘルパー等の家族以外の方が行方不明に気づかれ、写真などがなかったため対応に苦慮したケースも見受けられます。 議員御指摘のとおり、当該事業においては市役所の休日対応の課題もあると承知しておりますが、行方不明者の発見には24時間体制である警察の対応力は不可欠です。例えば、お困りの様子の認知症と思われる人を見かけた市民の方が警察へ連絡するケースや、警察のパトロール中に発見され保護されていることなどを踏まえると、警察と行政が連携して行う事前情報の共有や行方不明時の情報窓口の一本化などの取り組みは有効であると考えております。 なお、運用面の御指摘がある場合は、率直にお聞きをいたしまして、効果的な取り組みとなるよう可能な範囲で改善策を検討してまいります。 ○議長(真鍋修司議員) 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 現在の正規職員の年齢別職員構成及び平均年齢はとの御質問にお答えをいたします。 人事行政の運営状況の公表における平成31年4月1日時点の正規職員3,245人の年齢別職員構成は、10代から20代が757人で23.3%、30代が786人で24.2%、40代が687人で21.2%、50代が894人で27.6%、60代が121人で3.7%となっております。また、平均年齢は40.8歳でございます。 ○議長(真鍋修司議員) 綿瀬和人議員。   (綿瀬和人議員 登壇) ◆20番(綿瀬和人議員) 御答弁ありがとうございました。 ロストジェネレーション世代の雇用支援については、いろいろと事前にもいろいろ聞いていましたけれどもされているということで、国・県の動向もこれからいろいろ出てくると思うので、しっかり連携をとりながら進めていっていただきたいなと思います。 SOSネットワークは、もちろん大事だと僕も思っています。やっぱり、行政の間にいろいろ連携するというのは必要ですし、やっぱり警察の発見率が一番高いというのも当然ありますので、その辺は当然わかっているんですけれども、やっぱりいろいろ課題はあると思うので、この市だとか警察ともね。その辺はちょっといろいろ検討していただいて、なるべくええものになるようにしていただきたいなと要望しておきます。 では、2問目に入らせていただきます。 ロストジェネレーション世代の雇用支援について、引き続き質問をします。 職員の方から、過去は一般職で実務経験を積み、主任となり、後輩の指導・育成を経験し、段階的な経験・ノウハウを蓄積した上で係長になっていたが、現在は30代前後と50代前後がボリュームゾーンであり、技術の伝承・継承が不十分なまま、数合わせのように係長に任命している実態もあると聞きました。 私たち会派でいつも危惧しているのが、アウトソーシングによる技術力の低下ですが、このような場面でも技術力の低下が心配されるのかと改めて思いました。 ここで質問です。 1問目で年齢構成をお聞きしましたが、一番働き盛りでありこれから当局の業務の中心を担う40代前後の職員数が余りにも少ないことに関して、どのような見解をお持ちでしょうか、お答えください。 また、技術の伝承・継承の面から見ても、中間世代である40代前後の職員が少ないと弊害が出るのではないかと考えますが、当局としてどのように対策をされるのかお聞かせください。 一部地方公共団体では、ロストジェネレーション世代に限定した採用試験が行われています。一例でありますが、ことしの宝塚市職員採用試験では、3名の採用枠に対して、北は北海道、南は沖縄まで1,816名応募がありました。余りの希望者の殺到に、同市の中川市長は、氷河期世代の多くの人に支援が必要と実感した。宝塚市だけでは砂漠に一滴の水を落とすようで、ほかの自治体も採用を広げてほしいと話したと報じられています。 ロストジェネレーション世代の限定採用は、宝塚市を皮切りに三田市、加西市、都道府県では愛知県、2021年採用においては和歌山県、兵庫県においても実施するとのことです。また、政府はロストジェネレーション世代を対象に、国家公務員として中途採用する方針を表明しました。 ここで質問です。 中堅層が少ない現状に対する補充の観点から、またロストジェネレーション世代に対する雇用支援の観点からも、同世代を対象にした採用を行うことは地方公共団体の本旨に沿うと考えますが、当局のお考えをお聞かせください。 また、本市においても、ロストジェネレーション世代に限定した採用試験を実施するべきと考えますが、あわせてお考えをお聞かせください。 次に、高齢者施策について、1問目に引き続き質問します。 認知症サポーター養成講座の受講者数は、2019年11月末現在2万1,680人と毎年2,000人から3,000人の方が受講されています。認知症サポーターの位置づけは、何か特別なことをすることではなく、認知症の人とその家族の応援者であるとのことですが、せっかく学んだ知識を有効活用することも必要ではないでしょうか。また、養成講座を受講する方は認知症に関して前向きに考え、何かできないかと意欲を持った方が多いのではないかと思います。 ここで質問です。 認知症サポーター養成講座を受講した方は、認知症について一定の知識を取得した方であることから、地域でその知識を生かした活動をしてもらう仕組みを当局として考えるべきと考えますが、当局のお考えをお聞かせください。 ここで、みまもりあいプロジェクトというスマートフォンアプリを皆さんに紹介したいと思います。みまもりあいプロジェクトとは、認知症の人の特徴や写真を事前に登録します。協力する市民は、無料でアプリを携帯にダウンロードします。行方不明者の発生時には、行方不明者の家族が不明者の情報を、アプリを通じて情報発信することで最大半径20キロ圏内の協力者に捜索願と登録情報が一斉送信されるアプリです。行方不明者を発見した協力者は、アプリを経由して家族に電話するため、協力者の個人情報が行方不明者の家族に知られる心配もありません。 当アプリは、厚生労働省の介護ロボットを活用した介護技術開発支援モデル事業を受託しており、芦屋市や枚方市、柏市など全国の23自治体が導入しています。なお、全国のアプリダウンロード数は60万件を超しています。芦屋市など複数の自治体では、導入費用の助成も行っています。 本年11月16日に、尼崎市大庄北地域包括支援センターの主催で、尼崎市立すこやかプラザ、はぐみデイサービスセンター、ゆとり庵一歩の3事業者の共催により、子供を対象とした模擬捜索イベントがフェスタ立花の1階、2階及び5階を利用して開催され、保護者を含め100名を超える参加者があり、盛況に終わりました。 ここで質問です。 当アプリのイベントには、地域包括が主催ということもあり、当局の職員も参加されておられ、イベントの概要は御存じだと思います。当アプリは、有用性があると考えますが、当局のお考えをお聞かせください。 当アプリを協力者にダウンロードしてもらい活動に参加される方がふえなければ、このシステムは有効に機能しませんが、先ほど述べました認知症サポーターは市内に2万1,000人以上おり、今後もふえることを考えると、受講者の方にアプリをダウンロードしてもらうとともに、市民に有用性について発信してもらえば協力者は十分に確保できると考えます。また、養成講座を受講した方の活動の場の一つにもなります。 1問目で質問しましたが、中学生や高校生の子供たちが認知症について学ぶ場でも、当アプリをアピールすれば協力者はもっとふえる見込みがあるのではないでしょうか。 ここで質問です。 認知症サポーターや地域の活動団体などの協力のもと、本市として、当アプリの導入支援を行えばよいと考えますが、御見解をお聞かせください。 当アプリの魅力は、アプリをダウンロードするだけで誰でも助け合い、見守り合い活動に参加できることにあります。地域の助け合い活動である当アプリと、行政と協力機関のネットワークである認知症みんなで支えるSOSの2本立てで事業を行うことにより、認知症の方の安全・安心が今まで以上に確保できると考えます。当アプリの利用には登録料等かかりますが、一定の制限を気にしなければ無料での利用も可能です。 ぜひ、当アプリの活用を御見解いただきたいと申し上げ、私の一般質問を全て終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(真鍋修司議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 40代前後の職員の少なさ並びにロストジェネレーション世代を対象とした採用に関する一連の御質問に、順次お答えを申し上げます。 まず、40代前後の職員が少ないことに関して、どのような見解を持っているのかとの御質問でございます。 本市におきましては、平成14年度に財政再建団体への転落を阻止するため経営再建プログラムを策定し、その中で人件費の抑制にも重点的に取り組みました。その抑制策の一つとして、新規採用人数の抑制や採用試験の凍結を実施いたしました。採用試験再開後には、凍結等の影響を考慮し、受験対象年齢を以前に比べ5歳高く設定するなどの対策を講じましたが、結果として現在の年齢構成に至っているものでございます。 議員御指摘のような年代の職員が少ないことについては、当面は能力や意欲のある若手職員を積極的に管理職に登用するなどで組織運営力の維持に努めるほか、10年前からは、平均で100人を超える採用を行っており、将来的には年齢構成の偏りが一定緩和されるものと見込んでおります。 次に、技術の伝承・継承の面から見て中間世代である40歳前後の職員が少ないことへの弊害に対して、市はどのように対策をするのかとの御質問でございます。 職員が、みずからの役割や必要な能力をしっかりと認識し、主体的な成長に努めていくことを目的に、この4月には、本市の人材育成基本方針であるはたらきガイドを見直し、その中で人事評価項目の再編や望ましい行動事例の作成を行いました。その中では、技術の継承にも重きを置き、具体的な行動事例としてわかりやすいマニュアルを作成するや、みずからの知識・技術をOJTや職場研修等で後輩へ継承しているといった内容を示しております。そして、こうした内容が実際に活用されるように、年度当初の目標設定や秋の評価、また人材育成面談によるフィードバックといった人事評価のPDCAサイクルを回していくとともに、適材適所の人事配置によるスペシャリストの育成といったことも含めて、総合的に職員の育成に取り組むことで技術の継承に努めてまいります。 次に、ロストジェネレーション世代を対象にした採用を行うことは、地方公共団体の本旨に沿うと考えるがどうか、また本市においても同世代に限定した採用試験を実施すべきと考えるがどうかとの御質問に一括してお答えをいたします。 本市といたしましても、社会全体でロストジェネレーションと言われる世代に対し、雇用支援や社会参加支援をしていく必要性は認めるところでございます。こうした世代に限定した市職員としての採用につきましては、本来ならば、その世代に求められる経験値をどう評価するなど課題もありますが、このたび国において、原則禁止されている年齢を制限した採用活動の全面解禁も含めた非正規労働者の安定就労支援や、ひきこもり対策が取りまとめられる予定であり、今後このような動向にも注視してまいりたいと考えております。 ○議長(真鍋修司議員) 足田健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(足田剛志君) 認知症対策に関する御質問に、順次お答えします。 まず、認知症サポーター養成講座を受講した人に、地域でその知識を生かした活動をしてもらう仕組みを考えるべきだと思うがどうかとの御質問でございます。 認知症サポーターは、何か特別な役割を担う人ではなく、認知症について正しく理解し、偏見を持たず、認知症の人や家族を温かい目で見守る応援者であるとされており、本市でもこの応援者であるサポーターの養成に取り組んでまいりました。 しかしながら、応援者から一歩進んで、認知症やその家族を対象としたカフェへの参加や傾聴活動といった地域での活動へと広げていくためには、今後は本市においても、地域でサポーターが活動しやすくなる仕組みを構築していく必要があります。 具体的には、サポーターの方が認知症への理解や対応力をより深めることができる新たな講座を開催するとともに、当該講座を受講したサポーターの方へ、認知症の人や家族が集まる活動への協力をお願いしたいと考えております。あわせて、サポーター同士の交流会など活動の後押しとなる取り組みについても進めてまいります。 次に、みまもりあいプロジェクトというスマートフォンアプリは有用性があると思うが、当局の考え方はどうかとの御質問でございます。 いわゆるみまもりあいアプリにつきましては、認知症の人などが行方不明になった場合に、探してほしい人と探すことに協力する人の双方が、この仕組みの目指すところや使い方、実際に発見したときの対応などを一定御理解いただくことが大切と感じております。 具体的には、自身のスマートフォンを使うことや、みまもりあいアプリをダウンロードすること、みずからの位置情報を常にオンにするなどの条件や、実際に行方不明者を発見し連絡した場合に保護する人が到着するまでの対応など、一定の知識や御家族に対する柔軟な配慮が必要と考えられます。こうした点を御理解いただける方々が多くなれば、この仕組みは有用性があると考えますが、悪用されずに協力いただける方をどのように募り、機運を高めていくのか、現在、他都市での運用状況を注視している状況でございます。 最後に、みまもりあいアプリを認知症サポーターや地域の活動団体等との協力で導入支援してはどうかとの御質問でございます。 現在、認知症サポーター養成講座を受講した人の中で、さらに認知症の人への対応を学び、地域の場でかかわりたいと意欲を持った人や地域活動団体の方に対し、ステップアップを進める取り組みを検討しているところでございます。このみまもりあいアプリの導入につきましては、この取り組みの中で他都市の運用状況も踏まえ、研究をいたしてまいります。 ○議長(真鍋修司議員) 綿瀬和人議員の質問は終わりました。 続いて発言を許します。 酒井一議員。   (酒井 一議員 登壇) ◆33番(酒井一議員) おおっと思われた方は、御容赦ください。もう一つ、綿瀬議員の後を追いかけたいと思います。中村哲医師について、心から哀悼の意を表したいと思います。 私の記憶に残っていますのは、彼がアフガニスタンでのあの活動を始めた理由を聞かれて、義を見てせざるは勇無きなりというやや古めかしい言葉を使って、それを説明された。それが、非常に私の心に印象に残っています。世界で通用するのは義や愛であって、武や威ではないということを教えてくださったというふうに思います。心から哀悼の意を表したいと思います。 それでは、質問に入らせていただきます。 来年の4月から、地方公務員法で新設をされた会計年度任用職員制度が始まります。本市は、この制度の導入について主な対象である嘱託職員の、嘱託員といいますか、労働組合との協議をいち早く終えて、去る6月の市議会定例会に関係条例を提案し、成立を見ました。 さて、その中身です。本市に雇用されている正式には嘱託員や臨時的任用職員は、4月1日時点で1,543名、正規職員の約半数に及ぶ非正規職員がいることになります。それら自治体の非正規職員の存在は、最初から問題視されていました。私も、これまで何度も指摘してきましたが、もう一度整理をさせていただきます。 問題点の1つ目、正規職員と同じ種類の仕事をしているのに、給与、その他の待遇が低い。2つ目、毎年のごとに契約が更新されるという不安定な状態に置かれている。3つ目、臨時職員においては、地方公務員法で期間は1年までとされているのに、間に空白期間を置いて任用が繰り返されているという違法の疑いの濃い例が見られる。4つ目、嘱託職員、嘱託員は地公法第3条第33項第3号が任用の根拠ですが、それは本来、顧問や参与、調査員などの特別な技能を要する仕事に一定の期間ついてもらうための任用形態を規定したものです。にもかかわらず、恒常的な職である児童ホームの指導員、その他保育士、相談員などがこの形で雇用されています。最後に、職員の任用を無期限のものとするのが法の建前、恒久的な職と認められる職員については雇用期間を限定して職員を任用することは適当ではないなどの地方公務員法上の判例や行政実例などで示されている地方公務員法の趣旨に反しているということです。 これらの問題意識を持っているのは、私や職員労働組合だけではありません。総務省も、特に地方公務員法とのそご、つまり職員の身分や給与ではなくて、雇用形態と地方公務員法の法制度のそご、私が申し上げた3点、後のほうですけれども、について総務省も気にしてきました。2009年と2014年、二度にわたって総務省から地方自治体に対して通達が出されています。そのことがこれをあらわしています。 そして、このたび総務省は、地方公務員法を改正して、会計年度任用職員を新設して嘱託員や臨時職員をここに当てはめることで、これら問題のあるいわゆる非正規雇用を解消しようとしたわけです。 お伺いします。 尼崎市はこれを受けて、みずから抱えている非正規職員をどういうふうに改めることにしたのか、もう一度、要点を提示してください。 以上で1問目を終わります。(拍手) ○議長(真鍋修司議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 会計年度任用職員制度の創設に伴い、みずから抱える非正規職員についてどのように改めることとしたのかとの御質問でございます。 本市において、現在任用している嘱託員及び臨時的任用職員につきましては、基本的には会計年度任用職員へと移行することになります。また、会計年度任用職員を業務の内容により非常勤行政事務員と非常勤事務補助員に区分することとしており、現行の嘱託員にあっては非常勤行政事務員、現行の臨時的任用職員にあっては非常勤事務補助員への移行を基本としております。 ○議長(真鍋修司議員) 酒井一議員。   (酒井 一議員 質問席へ移動) ◆33番(酒井一議員) 質問を続けていきたいと思います。 皆さんに、議長のお許しを得て資料を配らせていただいています。 資料1をごらんください。 このたびの会計年度任用職員の設定に当たって、その説明のために総務省が示した職員の任用形態の区分けです。 もう一枚の資料、資料2は、尼崎市がそれを受けて会計年度任用職員制度をどう使うか、その予定を示したものです。先ほどの答弁の内容を示していると思います。 双方を見比べますと、尼崎市は、この4つに分かれたグラフのようなもの、第1象限、つまり右上のフルタイム勤務、つまり38.75時間週に働くフルタイム勤務の会計年度任用職員は置かないという方針だということがわかります。 お伺いします。 フルタイム勤務の会計年度任用職員を置かない理由を教えてください。 ○議長(真鍋修司議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 既存の嘱託員及び臨時的任用職員を円滑に会計年度任用職員へと移行できるよう、嘱託員については現行の勤務時間のまま移行し、また臨時的任用職員については、いわゆる空白期間の廃止に伴う年間の勤務日数の増加に合わせて、1日当たりの勤務時間を減らすことにより、1人当たりの年間の業務量を維持することで、フルタイムの会計年度任用職員を設けないこととしたものでございます。 ○議長(真鍋修司議員) 酒井一議員。 ◆33番(酒井一議員) 現実に、今存在する非正規の職員を移すに当たって、フルタイムにする必要はない、ないしフルタイムにするニーズがないということだと思うんですけれども、私は本来的にこれをこれからも置くべきではないというふうに考えています。なぜかというと、恒久的な職にフルタイムでついてもらうのならば、この表で言うと左上、常時勤務を要する職につく職員、いわゆる正規職員として任用するべきだと考えるからです。そのことが、判例や行政実例に示されている地方公務員法の精神に沿うことになると思います。 右上の職員として採用すると、同じ仕事をしていながら処遇に差がある第2の職員として差別雇用を制度化することになりかねません。尼崎市は、将来にわたってもこの雇用形態をとられることのないように強く要求します。 3つ目の質問に移ります。 嘱託職員は、右下、第4象限になりますか、総務省の図でいうとパートタイムの会計年度任用職員と書いてあるところです。尼崎市の図でいいますと、非常勤行政事務員に新たに位置づけられるということです。尼崎市の嘱託職員は、恒久的な職についている方が多いわけです。相当の期間任用される職員を充てるべき職だというふうに私は考えます。 なぜ、左下、第3象限です、つまり恒久的な職で短時間勤務をしてもらうというところに位置づけなかったのでしょうか。お伺いしたいと思います。 ○議長(真鍋修司議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 相当の期間任用される職員をつけるべき業務とは、組織の管理、運営自体に関する業務や権力的業務などのいわゆる本格的業務をいうところ、嘱託員については現行においても本格的業務以外の業務を担っており、非常勤行政事務員への移行後も同様の業務を担うこととしているためでございます。 ○議長(真鍋修司議員) 酒井一議員。 ◆33番(酒井一議員) さすが、総務局長、正直にお答えになったというふうに思います。そうです、本格的な業務という概念を出されました。この図のどこにも本格的な業務ということは書いていないんですよね。相当の期間任用されるべき職員をつけるべき職ということが書いてありますけれども、本格的な業務とか権力的な業務とかいうことは書いていないですね。 この不思議さに私ははまり込んでいて、どうもこの用語が変だということに気がついたわけです。皆さんと共有したいと思います。 この表のいずれの表も、上と下は勤務時間の長さに分かれているようです。フルタイムとパートタイム、いいですね、これはわかりやすいことです。ところが、左右は、右と左は仕事の性質で分かれているかのようです。左側が相当の期間任用されるべき職員をつけるべき職です。じゃ、右側は、左記以外の職ということになっていますから、相当の期間任用されるべき職員をつける必要のない職、つまり任用期間に一定の定めのある職ということになります。私はそう読みました。 すると、とても不思議なことになります。右上端に、非常勤の職ということが書いてあります。つまり、右側は非常勤の職、つまり期間に定めのある職というふうに読めるわけですけれども、これをヒントに考えていきますと、右が非常勤の職、左が常勤の職ということになりそうですね。ところが、これだと常勤、非常勤は勤務期間の定めのある、なしじゃ、ところがじゃないです、これだと常勤、非常勤は勤務期間に定めがあるかないかで分かれることになるように思います。 ところが、総務省の図を見てください。資料1です。 この色を分けていないので難しいんですけれども、総務省の図では任期に定めのある任期つき短時間職員や再任用短時間職員が左側、つまり任期の定めのない職の下半分に位置づけられています。 繰り返しになりますけれども、事実上期間に定めのない仕事についてもらっている嘱託職員の仕事が、右側非常勤の職という位置づけになっています。非常勤の職という言葉は、私たちの常識、私の少なくとも常識ですけれども、期間に定めのある職ということには必ずしもならないかのようです。それでは、非常勤の職とは一体何を意味しているんでしょうか。このヒントは、この図が左上とそれ以外に分けられていることにあります。非常勤の職の範囲が、右上、右下、左下の3つの象限にまたがっています。そんなグラフはあり得ないんです、普通。それは、この図の区分けの概念が、縦軸を勤務時間の長短で分ける、縦を勤務時間の長短で分ける、横軸を勤務期間の有無で分ける、それ以外にもう一つ、隠された別の基準で分けられていることを意味します。 結論を言いますと、今、総務局長がいみじくも答えていただきました。採用試験を経て採用されたいわゆる正規の職員、私に言わせると古い官吏という言葉を想起させるような関係で存在して、雇用、すなわち契約をするのではなくて任用という処遇を受ける、年金ではなくて恩給をもらっていた、そして特別権力関係という言葉がいまだに亡霊のようにまとわりついている、いわゆる公務員職員と、それ以外のいわゆる非正規の職員という区分けになります。左上の常時勤務を要する職を正規職員と読み、右上から左下にかけて逆L字型になっている非常勤の職を非正規と読めば、この図は不思議と私の理解に入ってきます。 その件について、その疑問について、機会があったので総務省の職員に直接質問することができました。会計年度任用職員制度の目的が、恒久的な職に非常勤の嘱託をつかせることの不適切であるということの是正にあるのならば、会計年度ごとという任期の定めは不適当ではないですか、なぜ任期を単年度としているんですかと。 お答えは、次のようなものでした。会計年度任用職員は、予算にひもづけられた任用なので、予算と同様、単年度となるのようなお答えでした。つまり、毎年度の事業のあるなしで雇用が決まるということです。だったら、会計年度というのは意味がありますよね。しかし、逆に言うと、そうではないわけですから、いわゆる正規職員は単年度の予算にひもづけられていない職員だということになります。変な話です。いわゆる正規職員は、予算に基づく業務があろうがなかろうが、市の職員として雇われている、市の職員として存在してもらっている人を指すということになります。 このややこしさ、問題を理解するもう一つの鍵は、地方自治法第172条にあるというふうに私は考えました。どう書いてあるかと。職員の定数は、条例で定める。ただし、臨時又は非常勤の職については、この限りではない。仕事量がふえても、臨時または非常勤の職員でこれを賄えば、定数がふえるということを防げるわけです。そうすると、給与、労働条件の差をつけて人件費を抑えることができます。総務省の意図はここにあります。ひょっとすると、各自治体の意図もここにあったのかもしれません。自治体の職員定数がふえると、総務省は交付税措置を要求されて国の支出もふえるわけですから、総務省がそう思ったということは理解ができます。 だから、常時勤務を要する職についてもらう非常勤の嘱託を、会計年度ごとの任用職員に切りかえて法的に位置づけ直しても、定数内に入れることはしたくなかったわけです。だから、非常勤の職であると言いくるめるために、実態に反して、その必要もないのに単年度ごとの任用ということにしたんです。 お伺いします。 私は、制度的には尼崎市の嘱託職員の多くは、短時間勤務の任期の定めのない、いわゆる正規職員として雇用し直すことが最も適切だと考えています。地方公務員法上、それに差しさわる条項はないと考えて、先般からも質問をしていたのですが、もう一度お伺いします。いかがでしょうか。 ○議長(真鍋修司議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 議員のおっしゃる短時間勤務職員は、国が整理している資料1によりますと左上の常時勤務を要する職の領域以外の領域として、一般職非常勤職員ということになります。このような会計年度任用職員ではない独自の一般職、非常勤職員の任用については、法律上、明確に禁止されているわけではございません。しかし、独自の一般職非常勤職員は、法律上、期末手当の支給対象とされておらず、国も今般の地方公務員法改正の趣旨に沿わない不適当なものとしているところでございます。 したがいまして、議員のおっしゃるようないわゆる正規職員、つまり常勤職員と同様の本格的業務に従事する任期の定めのない一般職非常勤職員を採用する考えはございません。 ○議長(真鍋修司議員) 酒井一議員。 ◆33番(酒井一議員) 国の通達は、私も読ませていただきました。わけのわからないことが書いてあります。 要は、平たく言うと、俺たちが、総務省が、各自治体が困っているやろうから、法律の枠内に入るようにその枠組みをつくってやったんだから、それ以外の雇用の仕方をするなよと書いてあったんです。平たく言うと、そういうことやったと思います。違ったら、また言ってください。議員の皆さんもぜひ読んでください。そういうことが書いてある、それも通達ですから法的拘束力はないと思うんですけれども、今皆さん方はそれにこだわっておられるということだと思います。 しかし、本来の趣旨からいうと、地方公務員法の本来の趣旨からいうとおかしな話なんです。期間の定めのない、常時ある仕事についてもらうのに、何で1年ごとに契約をせなあかんのですか。それは、公務員に安定した身分のもとで仕事をしてもらうという地方公務員法の本来の趣旨に反しているんじゃないですかということが、私の言いたいことです。 最後にお伺いしておきます。 制度がいかにあろうと、同一労働同一賃金の原則は実現されなくてはいけません。斬新的ではあっても、少しずつではあっても、正規職員とこの今回任用されていく会計年度任用職員との間の賃金ほかの労働条件の差をなくしていく努力が求められると思います。それは、制度の問題ではありません、実態の問題です。市長のお心構えを伺いたいと思います。いかがでしょうか。 ○議長(真鍋修司議員) 答弁を求めます。 吹野副市長。 ◎副市長(吹野順次君) 常勤職員においては、いわゆる先ほども申し上げました本格的業務、会計年度任用職員においては、それ以外の業務と両者で担う業務が異なっていることから、同一労働同一賃金の原則の観点からも、その職務・職責に応じた違いは許容されるものと認識をいたしております。 その上で、来年度からの会計年度任用職員への移行に伴いまして、これまでは固定給が基本でございました報酬を経験に応じて加算される方式へと見直し、また通勤手当相当の費用弁償を常勤職員の通勤手当に準拠したものとするなど、常勤職員と同様の取り扱いとすべき部分につきましては取り扱いを同様にするように努めてきたところでございます。 ○議長(真鍋修司議員) 酒井一議員。 ◆33番(酒井一議員) 最後に申し上げておきます。職務・職責が違うというのは、あなた方がずっとおっしゃっていることです。でも、実態はそうじゃないでしょう。そして、職務・職責が違うというふうにしているのは、あなた方の人事政策です。嘱託の職員の中には、立派な能力をもって十分な職責を果たしておられる方がたくさんいる。ひょっとすると、下手な正規職員よりははるかによく働いている、いい仕事をしている職員もいるわけです。そういう人たちに正規の道が開けないという状態が、今の尼崎市役所の雇用の形態やと。とてももったいないことをしているとも思いますよ。 どういうふうな制度を使うのか、どういう法的枠組みを使うのかは皆さんの工夫に待ちたいと思いますけれども、ぜひ、力のある人がちゃんとその職責につけるように、そういう仕組みを、正規の2分の1いるんですから、考えていっていただきたいと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(真鍋修司議員) 酒井一議員の質問は終わりました。酒井一議員は自席にお戻りください。 お諮りいたします。 本日はこの程度にとどめ、残余の議事は延期いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(真鍋修司議員) 異議なしと認めます。 よって、本日はこの程度にとどめ、残余の議事は延期することに決定いたしました。 以上をもって本日の日程は終了いたしました。 明12日は本日の議事日程を踏襲し、午前10時から会議を開きます、ついては、ただいま出席の諸君には改めて通知はいたしませんから、御了承願います。 本日はこれをもって散会いたします。                        (午後4時32分 散会)-----------------------------------議長   真鍋修司副議長  岸田光広議員   山崎憲一議員   綿瀬和人...